今はないお店のカレーが食べたい。
プアハウスのカレーが食べたあああああい!!!
江古田駅のすぐ近くにあったお店。
ジャズの流れる喫茶店で、なんでもかんでもなんでやねん!ってくらい美味しかったけどカレーが最高だった。
何度行ったかわからんほど行った。
夏場限定のサンバルごはんもすきだった。粗食が食べたい。梅やカレー味のチキンで謎のバランスを保ったお茶漬け。
のに、どうやって作るのかはわからずじまいだった。当時は全くスパイスがわからなかったので見当もつかなかった。
脳髄からズコーンと抜けていく独特の辛さは他のどのカレーを食べても味わえないし、さらさらのカレーなのにコクがあって、あれは何事だったのだろうか。
嗚呼食べたい。とてもとても食べたい。
というわけで去年、各種スパイスを大量購入し、カレーを作り始めた。気が狂ったように作り続けた。
結論から言えば、再現は出来なかった。
全くもってダメだった。
惨敗もいいところである!
私にはさらさらのカレーを作る素養は皆無だったのである…。
ただ水っぽく辛いだけの汁になってしまう。
逆に、ふかふか系のほうが向いていた。玉ねぎたっぷりでカシューナッツだのバターだの入った濃厚なカレーである。自分で言うのはなんだがとてもおいしい。
これはこれでよい収穫だった。
今はふかふかのカレーばかり作っている。
だが!だがやっぱりどうしても!プアハウスのカレーが食べたい。
回想すればするほど、脳内のそれが本当にプアハウスの極辛かどうかわからなくなってゆくので年々不安にもなってくる。
どうしたものか。
食のことでヒラエスという言葉を噛みしめることになるとは。
確かウェールズ語で、今はもう失われていて戻れない故郷や場所などに想いを馳せる感情のことを言うらしい。
ネットか何かでちらっと見て、すんげえエモいな!と思って心の引き出しになんとなくしまっておいたのだが、それにしても今この局面で思い出すのか…と己の食い意地に呆れている次第。