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グレショー 「銀河鉄道の夜」3週目を終えて

関東に住んでいるので、どうしても関西の方との観る時間に30分差があって、その間になんとなくハッシュタグを辿ると、目に映るのは「大晴かわいい」という感想ばかりだった。

先週クローズアップされていたのは、主役のジョバンニとカンパネルラを演じる正門さんと大晴くん。外部での舞台に取り組み、ドラマにも出演するなどお芝居の仕事をいくつか経験した上で舞台に立つ正門くんと、正門くんと比べるとまだまだこれから成長していくであろう大晴くん。そんなふたりが真剣にお芝居に向き合っていることをみんな知ってるはずなのに感想が大晴かわいい、ってそんなことある???とモヤモヤしながら配信を見始めたのだが、同時にSNSでの光景の理由がすぐに分かった。

「大晴(くんが演じるカンパネルラ)かわいい……」

脳直でツイートしがちなオタクの典型的なやつだった……。そうそう、番組観ながらリアルタイムでツイートすると自然と言葉足らずになりますよね、わかる……。
むしろ、今週の本編部分を観ることで、先週の「僕を通したカンパネルラを掴みたい」と言っていた大晴くんの言葉の答え合わせが出来たのでは無いだろうか。
原作のカンパネルラの捉え方はきっと人それぞれで、私個人としては、いつもそこに存在しているけど、彼の目にはいつも何も映っていないのではないか、いつも何処か別の場所を見ながら生きているのではないか、という、友達は多いのに常に孤独を抱えている少年、という印象があったのだけど、鹿殺しさんの舞台、特に今回の大晴くんを通したカンパネルラは、雲のように掴めない存在でありながらも、愛らしい部分のあるちょっぴり天然な少年なのだと思った。そのキャラクターは今回の舞台に置いてはストーリーの邪魔になることはなく、むしろ、マルソやザネリを中心にテンポのいいストーリー展開にさらなるユーモアをプラスしてくれていて、見ている側を少しきゅんとさせるようないいアクセントになっているように思う。その天然さが時にジョバンニを怒らせるんだろうけれど。

そして、今週、稽古部分でクローズアップされていたのはリチャくん。ダンスが上手、美しいパフォーマンスができることが長所だがバックダンサーのようになってしまい「負けてしまう」と言われてしまう。
私はAぇ!groupのファンになって日も浅いけど、リチャくんのダンスがファンの目から見てめちゃくちゃ綺麗なのも、その実力が関西ジャニーズJrのダンスを底上げしているのを知っている。その上、グレショーの前作「おしりと御飯」や、コスプレ名言塾などのちょっとしたお芝居でも、ユーモアを含みつつどんな役柄も器用にこなす、という印象故に、今回のような悩んでいる姿は想像もしていなかった。

いざ、3週目 本編。そもそもお母さんの咳や声の部分はスタンドマイクで別の方が演じながらリチャくんがお母さんとしてのパフォーマンスをする、という異質なお芝居ではあるのだけど、その不思議な空気に引き込んでしまうリチャくんのパフォーマンス力に圧倒されました。
オープニングのダンスでも思ったけど、演劇とパフォーマンスの間、パフォーマンス作品、というのがよくわかる。普段からダンスをしている6人だからこそのかっこよさでもあり、それでもきっとこれまで以上の緊張感もありで、本当に1個の大きなステップアップの機会だったのだろうな〜と思う。

「俺を見ろ」という空気を纏うことはきっと舞台に立つからには身につけなければいけないひとつのスキルで、それが笑いのスキルだったり、研ぎ澄まされた演技力だったり、独特のキャラクター性であったりと、その舞台のストーリーや本人の性格、元々持っているスキルにもよるのだろうけど、今回の場合は、その身のこなしで「プロの舞台であることを具現化しなければならない」というのが難しさなのだろう。
そういう意味で、パフォーマンスでも、お芝居でも全く飲まれず、かといって浮くことも無く6人とともに舞台に立つ長瀬さん、前川さん2人の存在はすごい。舞台に普段から立つおふたりだからこそなのだろうな、と思うけど不意に圧倒されるその存在感を、いつかは生の舞台でも体感したい、と思った。

2週目で言うと活版屋でのシーンに好きが溢れていたのだが、短いやり取りにも関わらず、「バイトのにいちゃん学校でいじめられてんだってよ」「「悲惨だなぁ」」という2人の台詞のテンポの良さがあのしっとりとした音楽とパフォーマンスの後に観客の心を舞台に戻す心地いい時間だったように思う。(たしかこじけんと長瀬さんのやりとり)最後に捌けていきながらも、がんばれよーとジョバンニにかける声も馴染みがよく好きだった。

あとは長瀬さんのシーンで言うなら教室のシーン、あの先生の面白さはうわズルいなぁ〜と思いながら繰り返しみてしまっていた。「殺人鬼のような目をしているけど笑うととっても可愛いマルソくん」は末澤さんの表情の変化と共にめちゃくちゃ笑わせてもらったし、ザネリ「ちょっと何言ってるか分かりません」先生「先生も分かりません」生徒たち「「え?」」先生「書いてあるから。」の絶妙さが忘れられない……。1週間の見逃し配信を繰り返し見たけど許されるならずっと残しておいて欲しいくらい……せめてひとつの公演が終わるまでは前の部分も残せないのかな……なんてワガママを言いたくなるくらい、本編部分に引き込まれてしまう。

佐野くんはお芝居も歌も美しくて、真っ直ぐに向き合いながらもいつも周りを見ながらバランスを保つ姿がだれよりかっこよくて、活版屋のシーンは台詞も歌も表情も好きだったな……。
末澤さんはマルソをやってる時も、お父さんをやってる時も生き生きと舞台に立っているのがとっても好きなのだけど、ちゃんとそれぞれ別の人生として生きているのが本当にすごい。器用ってこういうことか〜!と思ってしまう。
小島さんは前作を経てまたかっこよくなりました?という印象。最初のオープニングの表情もお!と思わされた上周りの人との相乗効果もありどんどんお芝居が乗っていくようなタイプなのかなぁ〜と。素直さ故に自分のペースは持ちつつもその空気にだんだん乗っかれるようになってるのかなぁなんていうふわっとした感想を持ちました。小島くんが1番人として掴めないのでいつも分析が難しいのですが、そのキャラクターが人としてとてもいい味をグループで出していると思うので、まずはこの「銀河鉄道の夜」でのこじけんを最後まで見ていきたいなと思います。

グレショー、本当に毎週毎週最高で困ってしまう。ワガママを言えば舞台だからこのシーンは引きで見たかった!とかいう細かい要望はあるし、それぞれの舞台を1本通して見たい!とか、配信前だった4月以前の舞台を見せてくれー!夏休みに一挙配信してくれーなんて希望は止みませんが、まずはTVerやGYAO!での配信を進めてくださったスタッフの皆さんに大きな感謝を……!!!関東の民が公式に観られるようにして下さり本当にありがとうございます!

こんな拙い感想が届くのかは分かりませんが、「銀河鉄道の夜」めちゃくちゃ面白いです。ステージスクエアの記事も読みましたが本当にスタッフさんも演出家さんも愛情深くメンバーやこの番組に関わっているのを感じ、ただ観るということしかできないファンではありますが本当にこんな素敵なものを見せて下さりありがとうございます、と伝えたいです。

特別観劇回数が多い訳でもない、ただ高校時代演劇部に入っていただけのど素人ではありますが、自分の好きなグループが、所謂推しが、このような形で舞台と向き合い続けていることが嬉しくて、楽しくて、たまりません。この番組のおかげで仕事も頑張れるし、毎週土曜を楽しみに生きています。あー、銀河鉄道の夜はもう折り返しなのだと思うととても寂しいけど、その青春の時間を目撃できていることへの感謝を忘れずに、また土曜まで生きようと思います。

6人も、6人を囲む全ての人も大好きです。

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