回転重畳型って、いいよね…
だから語ります。
皆様初めまして。X(Twitter)の方で時々アンビグラムを投稿しているみんとすと申します。
今回はアンビグラムの型の一つである、回転重畳型について語っていきます。
0.その前に…
この記事はいとがきしん様主催の「アンビグラムAdvent Calendar 2023」参加記事となっております。
#アンビグラムAdvent Calendar 2023 から他の参加者様の記事も是非ご覧になってみてください。
1.ちょっと待って、そもそも回転重畳型って何?
アンビグラム情報局でのΣさんの説明を引用させて頂くと、
回転重畳型についての記述がありますね。これは要するに、「文字ではないパーツを回転させて並べる」というものになっています。環状敷詰に基づくとありますので、回転させる角度は90°、120°のものが多いです。
今回はその中で90°回転のものについて語っていきます。
2.回転重畳型についてもうちょっと詳しく…
回転重畳型は先ほども言ったように、文字ではないパーツを回転させて並べます。そのため、もちろん回転の中心となる部分があるのですが、そこに置かれた文字はかなり自由度が高く、結構どんな文字でもいけちゃいます。
以下がその例です。
どうでしょうか。
ここに挙げた例だと、それぞれ「羽」、「盗」、「異」がそれぞれの回転の中心となっている文字です。
つまり、90°旋回で共存関係になっている文字さえ見つけてしまえば、回転重畳型のアンビグラムはほぼ完成したと言っていいということです。
3.回転重畳型を作る
それでは実際に回転重畳型のアンビグラムを作ってみましょう。
今回は3文字のシンプルなものを作ります。
まずは単語選びなのですが、先ほども言った通り、回転の中心となっている文字はかなり自由度が高いです。
そのため、基本90°回転の共存関係にある文字を探してから回転の中心となっている文字を作り出すという順になります。
…ただ、どうしても90°回転の共存関係にある文字が見つけづらいというときは先に回転の中心となっている文字を探すというのも一つの手です。(実際自分はこの方法で作っています)
もちろん回転の中心となる文字にも、作りやすさの優劣があります。
以下に例として作りやすいものを挙げていきます。
口
回
田
辶
十
人
八
井
木
回転の中心となる文字から探す場合、これらのパーツをめざとく探します。
そしていろいろ漢字を探してると「進」を見つけました。これだけだと作りづらそうですが、なんと「進」の簡体字が「进」なんですよね。
このように、簡体字、異体字、略字などはアンビグラムを作る上でかなり役立つので覚えておいて損はないと思います。
そして、「進」が2文字目にくる熟語を探してみると、「先進的」というワードが見つかりました。「先/的」が90°回転共存でできそうか確かめてみましょう。
「先」の上側と「白」が似てますね。(え?似てないって?)「先」の下側と「的」の右側は後で考えるとして、単語は「先進的」でいきましょう。
ではまず「先/的」を作ってみます。
「先/的」は完成しました。点が余ってしまっていますが、いい感じですね。このまま「進」も作ってみると、
こうなりました。結構いいんじゃないでしょうか。では後はちょっと調整して「先/的」と「進」のラフを合わせてみます。
かなりいい感じです。ラフでの点の過不足を補うような置き方にしました。後はデザインを整えてあげれば…
完成!!!
これで回転重畳型の作り方は終わりです。
が…
もうちょっとだけ続くんじゃ。
4.正義型の登場
2023年10月の月刊アンビグラムで、とある90°回転重畳型のアンビグラムが投下されました。
この「正義」なのですが結構すごいことをしていて、回転の中心を合わせるために、文字の空隙に文字を入れ込むという文字組みをしています。
そしてここから派生して、「正義型」という新たな技法が生み出される事になりました。
正義型は生まれて間もないので、もっと増えて欲しいですね。
5.おわりに
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
誤字脱字等ありましたら報告をしていただけると幸いです。
このNoteをきっかけに回転重畳型の作品がもっと増えていく事を願っています。
それではさようなら。
おまけ
こんなバグ(?)に悩まされながら書き上げました。まだ直ってません。
誰か助けてくれ。まじで。