PCR検査は陰性だけど、肺炎で入院になった息子の話
↑こちらの記事の続き。
昨日のPCR検査と抗原検査、共に陰性だったと朝一に病院から連絡が。
上記の記事にも書いたとおり、我々の目的はPCR検査ではなく、息子の長引く発熱と咳の原因を調べること。その為の入り口を、ようやく突破出来たことになる。
そこで、早速病院にてCT検査を受けることになった。
昨日、PCR検査と抗原検査の後に、レントゲンと採血も行い、その結果は「軽度の炎症反応が見られるものの、緊急性はないだろう」という診断だった。隔離室に入れられていた為か、レントゲン画像や採血結果の用紙は、見せてもらえなかったが、きっとPCR検査の結果が出れば詳しく説明されるのだろうと思っていた。
ところが。
CT検査を受けた結果、息子が肺炎を起こしていることがわかったのだ。
昨日のレントゲンでは気管支炎程度の所見しか見られなかったそうだが、CTを撮って初めて判明した。これも、コロナ禍で様々な検査のハードルが上がっているが故の弊害なのではと感じた。
PCR検査も抗原検査も陰性。けれど発熱と咳があり、肺炎像もある。
担当して下さった先生も、非常に頭を悩ませている様子だった。
PCR検査の精度は100%ではないのだから、偽陰性の可能性も捨てられない。だが、同居している我々家族の誰も発熱や咳の症状がなく、息子本人もこのひと月、ほとんど他人と接触していないことから、新型コロナに罹患している可能性はかなり低いとのこと。
だとすると、マイコプラズマ肺炎や、細菌性の肺炎、もしくは結核など、他の原因を探る必要がある。
何はともあれ、肺炎を起こしていることは間違いない為、息子はそのまま入院することになった。
ここで、我々はまた大きな問題にぶち当たる。
今、ほとんどの病院では、感染防止の為に入院患者への面会が禁じられている。
そして息子が入院した病院は、患者もまた、院内を自由に歩き回ることは出来ない。
比較的設備が新しい病院の為、エレベーターホールへの扉は完全にオートロックで施錠されており、入院病棟からは退院まで出られず、外部との接触が遮断されている。
小児の場合、一人だけ付き添いは可能だそうだが、その場合は付き添う人も患者同様、退院まで一切外部の人とは接触出来ない決まりになっている。
おまけに、新型コロナの場合は勿論、息子のように所謂グレーゾーン(新型コロナやその他の感染症疑いがある)患者の場合、病室は個室。
我が家もそうだが、兄弟や姉妹などが居て親が付きっきりになるのが難しい場合などは、子供をたった一人で入院させることになる。退院まで、直接対面することが叶わないのだ。
それだけでも親子共に不安な日々を過ごすことになるわけだが、更に厄介なのは、着替えなどの『差し入れ』を直接本人に手渡すことさえ出来ないことだ。
息子の入院している病院では、患者宛の荷物の受付は平日の14時〜16時までと決められている。その間に患者へ届けたい荷物を受付に預ければ、病室へ届けては貰えるのだが、現金や生物などの差し入れは禁止となっている。
私はこの日、まさか入院になるとは思っておらず、財布には一万円札と千円札が2枚しか入っていなかった。うちの市では、高校生も医療費控除の対象になるからだ。
しかし、診察後にそのまま病棟へ移ってくださいと言われ、非常に困った。
病室で使用するテレビカードを買うにも、廊下の自販機で飲み物を買うにも、全て千円札しか使えないのだ。
検査を受けるだけだと思っていた息子は、当然自分の財布も持ってきていなかった。
私は病室への案内時のみ、息子に付き添うことを許可されたが、一歩外へ出たら最後、退院時まで私はもう息子の病室へ戻ってこられない。
病室に入ったのは13時。
着替えも何も用意していない為、入院用の荷物を持ち込むには、16時までに病院へ戻ってきて、受付に荷物を預けなければならない。
息子には私の財布にあった千円札2枚を取り敢えず渡しておき、大急ぎで自宅へ戻り、荷物を纏めて15時半に何とか病院へ戻ることが出来た。
元々新型コロナの疑いでPCR検査を受けられる方は、検査結果を聞く時点である程度、入院などになる心構えも出来ているのではと思う。
しかし、うちの息子のように、思いがけない経緯で即入院となってしまった場合、面会禁止の制約がネックとなって、入院に必要な荷物さえ、満足に準備出来ない可能性がある。
新型コロナ、もしくはそれ以外の怪我や病気で、面会禁止の病院へ入院する可能性がある場合、お子さん一人で入院させるなら、是非これだけは最初に用意しておいて頂きたい。
・現金(一万円札、五千円札はNG)
・スマホや携帯ゲーム機と、その充電器
・数日分の下着、着替え(院内着は1日数百円で貸し出して貰えるので、荷物の受け渡しが限られていることを考慮すると、利用するのもありだと思う)
・常用薬(おくすり手帳も忘れずに)
・飴やちょっと摘めるお菓子など(生ものは厳禁。食事制限がある場合も厳禁)
・割り箸や紙コップなど、使い捨て可能な食器
・タオル(これも院内着同様、有料で貸し出して貰えるサービスがある場合も)
・歯ブラシなどの洗面具
最低限でも、これらは入院初日に届けておくと安心だと思われる。
家族ですら、退院まで面会は一切不可というところにも、新型コロナの厄介な面を痛感せずにいられない。
広い個室に入れて貰えたとはいえ、家族にも誰にも会えず、たった一人、病院で過ごすというのは、大人でも寂しく心細いだろう。それが子供となれば、尚更だ。
おのれ、コロナめ…!!と思わざるを得ない。
親の私が付き添えない中、心配性で怖がりな息子に親身に寄り添って下さる看護師さんたちには、本当に感謝しかない。
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