【結果発表】文字書きによる文字書きのための同人誌失敗談の調査 傾向と対策まとめ
こんにちは。びたーと申します。
感染症蔓延のために同人誌即売会から足が遠のきおよそ一年半程度。
これまで同人誌から受けた御恩を今こそ返すべき…と思い、何かしたいと考え、自分でも何冊か作っては頒布する日々…
しかし、小さきサークルゆえ、これではそこまで御恩をお返しすることに達していないと悶々と悩んでいた。
同人誌を作ってくれる母数をステイホームの今こそ増やせれば…と思いはすれど、いかんせん同人誌制作ってホントむずかしいことばっかだしな…と思考がぐるぐるするばかりだったが、そこで、
「同人誌を発行した文字書きパイセンにこれまでの失敗を聞いてその傾向と対策をまとめればもっと作ってくれる人が増えるのでは!?」
と思い立ち、先般上記タイトルでTwitterで調査を投げかけたところなんと800を超える小説同人制作経験者にお答えいただけました! ありがとうオタクたち…!!
(まさかこんなに集まるなんて思っていなかったので本当にびっくりしています…。ご回答くださったみなさん本当にありがとうございました!)
死ぬほど出てくる同人制作における冷や汗エピソードに泣き笑いしながら結果を集計。
設問はQ1~8までが選択式、その後の同人誌失敗談は自由回答だったので
・選択形式のまとめグラフ
・自由回答で出た「よくあるミス」をカテゴリー別ランキングにしたもの
+よくあるミスに対する対策
・お役立ちリンク集
の大まかに3項目でまとめた。
あとは個人的におもろかったエピソードも最後におまけとして紹介。
かな~り長くなっちゃったので、興味があるところをピックアップして読んでいただけるとこれ幸い…。ではいきます!↓ とぅ!
1.選択肢回答集計
調査期間:2021年7月17日~7月23日
回答数 :818人(Q1以外は複数回答可としています)
まずは回答してくれた層から。
基本的には「1~3冊」=作り始め、「4~10冊」=同人誌制作手練れ、「10~20冊」=玄人、「20冊以上」=神、のイメージで選択肢を作ってみたが、およそ79%が手練れ以上という恐ろしく経験豊富な層にご回答いただけました。
すげぇな…Twitterワールドどうなってるんや…
これは失敗談が楽しみや…(震え)
次にサイズ。漫画同人誌だとA5、A4、B5が多いイメージだったが(勝手なイメージ)、小説ではA5、文庫本(A6)サイズが圧倒的な人気を誇っている。A4は確かにさすがに読みづらいもんネ。。。
選択回答で最も白熱したのがフォント。
実際筆者も選択肢を作るときにかなり迷いに迷ったわけだが、案の定選択肢を差し置いて様々なフォントが自由回答欄で回答された。
更にはWordにプリインストールされなじみ深いMS明朝体が一位ではあったが、”小説創作活動や電子書籍閲覧など縦組み・長文・文芸向けをターゲットに製作された”と言われる源暎こぶり明朝が2位という、文字書きとしてのこだわりを感じた…!
フリーフォントだから気になる場合はDLしてみてね! PDFへの文字の埋め込みは忘れずに!※後述
本文用紙(文章が書いてある紙ですね)は淡クリームキンマリが首位独走。
紙については正直触ってみないとマジでどんな紙かわからん!としか言いようがない。
※ちなみに淡クリームキンマリは名前の通りクリーム色で普通の市販の文庫本とかに使われているっぽ~い感じの紙です。文字読むときには真っ白の紙だと読みづらいのでクリーム色が人気。
ということで、紙について知りたい場合は以下の記事を参考に取り寄せてみることをお勧めします。無料で90枚以上の紙見本を送ってくれるところもあるのでこれを使わない手はない!
5番目の質問は紙の厚さ。
普段本作りに馴染みがない方は「厚さ????」という感じかもしれないが、小説だとざらに200ページ行く場合もあり、紙一枚一枚の厚みが最終的に本の厚みにかなり影響してくる場合もある。
基本的には70K台が人気だったが、90Kもかなりの人気。
ちなみに自由回答では200や300ページを超える本を作る場合は55〜60Kくらいで作ることをお勧めしている人が多かった。200ページ超えの大作を作る場合も印刷所に相談するが吉のようだ。
文字サイズについては過半数が8.5~9ptを支持。
Wordでわかりやすいように単位をPt(ポイント)にしたが、Q(印刷やDTPの現場で主に使われる文字の単位)では11~12Qが人気だっだ。
かく言う筆者は8.5Pt支持者。ちょっと小さい方がたくさん文字が入るからお得な気がして…
加工については、オシャレ重視(?)のマットPP加工が首位に。しかしクリアPPも人気だし、そもそも使わないという選択肢も54名が支持。
紙の質感にこだわったりするとPP加工で逆に紙の良さを殺してしまうことがあるからだろうか。筆者も意外とPP加工をしないことの方が多かったりする。これは人それぞれお好みで、という感じだった。
ということで、Q1~7まではよく使う本の設定についてアンケートを取ってきた。これは何のために取ったのかというと「初心者さん、本の仕様に迷ったらこれよ!!」と、最も平均的で可もなく不可もない同人設定を割り出すためである(本件はあくまで初心者さんが本を作る時に参考にしていただくための記事のため)。
見よ! これが俺(たち)が考えた最強に平均的な同人誌仕様だ!!!!
サイズ :A5
フォント :MS明朝体
本文用紙 :淡クリームキンマリ
紙の厚さ :70K
フォントサイズ:9Pt
加工 :マットPP
\ワーーー! ヨクミルー!/
※ちなみにA6、A5で紙の厚さやフォントサイズ違うんじゃない? と思って試しに単回答のみでクロス集計してみたが結果は同じで、ランキングに大きな差はありませんでした。
※さらには段組みについてのアンケート項目を設置するのを忘れたが、所感としてはA5以上だと二段組、文庫本やB6などは基本的には一段組だと思う。あくまで所感だが…。
オリジナリティ出したい!! という思いもわかるが、あの…これから集計結果をお見せすることになる失敗体験談を見てもらえれば「最初はスタンダードが一番だな!!!」ということがよくわかると思う。
初心者さん…見ていらしたらぜひ参考にしていただけたらと思います。。。
2.誤字脱字の傾向と対策
ということで、次からは失敗談の集計に入る。
ランキング形式にすることに意味はあまりなかったが、一応Q8の種類別ランキングも作ってみた。
このアンケートでは上記の「誤字脱字関連」や「表紙制作関連」といったカテゴリー別に傾向と対策を組んでみた。
なお、誤字脱字に関してはアンケ取る前から「絶対みんなやらかしてるだろう…」と思っていたので、Q14に別途誤字脱字だけに関する質問「最後に、誤字脱字をなくすコツを教えてください」を設けたので、そちらの回答欄を対策として紹介したい。
2-1.誤字脱字における多かったミスランキング
お粗末な表だが、このようなランキング形式で、多かったミスの種類順に発表していく。右記の数字が票数で、多かった順に表記。
実際の誤字脱字の票はもっと多かったが、あまりに個別事象が多かったため、ケースだけ抽出しランク付けし、かなり割愛させていただいた。そのためこのような超絶少ない数になっているのをまずご了承いただきたい(この記事で個別の誤字脱字例を紹介しても仕方ないので…)。
1位「ジャンル特有の固有名詞のミス」ではキャラクターの名前(特に漢字)におけるミスがかなり多かった模様。
4位にランクインしている「盛り上がるシーン(エロ、告白、クライマックス等)」などの重要なシーンでミスすると精神的ダメージも大きかったようで、一緒に挙げてくれる回答者が多かった。
後述するが、固有名詞ミスの対策としてあげられていたのは単語登録。確かに私もうららかおちゃこ(麗日お茶子)って一発で出てこないから単語登録してたなぁ…と納得。
次に多かったのは2位「印刷所名のミス」、3位「奥付のタイトルミス」、6位「発行日のミス」など、奥付ページはみなさんかなり油断気味のご様子本文は何度も見返すけどぶっちゃけ奥付ってあんまり見てないしね!!
2-2.誤字脱字対策ランキング
誤字脱字は特別にQ14で対策をお聞きしたので、そのランキングを発表。
それがこれだ!! 1、2、3…!!
~回答者さんたちの生の声~
・現場猫よろしく指差し確認
・編集の時間を甘く見ない! 勢いで入稿しない!
・脳死してでも3~5回は読み返せ
・普段見ている媒体とは違う媒体から校正すると見つけやすい(PDFにしたりスマホで見たり、縦書き横書きを変えたり)
・奥付は再三チェック! フォーマットを作る!
・紙に出力して赤ペン・蛍光ペンでチェック!
・最後に置換を使う(Wordだと検索:CTRL+F 置換:CTRL+H)
・記号や数字、半角全角等は注意して確認
・固有名詞や一人称は表記揺れのリストを作る
・最終手段:訂正紙を挟み込む
・最後に目次のページ数を確認する
・自動チェックツールにかける(WordだとF7でかけられる)
・音読するとかなり誤字脱字つぶせる!
・音声読み上げソフトでドラマCDとして聞く
・アップロード後に見つかることが多いので、非公開などにしてPixivやPrivatterに一度上げて確認してみる
・キャラ名などの固有名詞は単語登録する
・一太郎さんの校正支援はフル活用。字書きは絶対一太郎!
多いな!!!!
一人が1つずつ対策を上げてくれたというよりは、一人が複数の対策を上げてくれ、みなさんどれかの組み合わせで対策している、という印象があった。どれも有用すぎてとりあえず全部載せしておいたが、参考ツールなどが挙げられたものを優先的に見ていきたいと思う。紹介しやすいので…。
1位 プリントアウトして赤ペンを入れる
アナログながらほとんどの人が推奨していた誤字脱字チェック方法。定規当ててチェックしていると宣う方も何人かいらした(すごい気合いと根性…)。
印刷はお近くのコンビニやご自宅の家庭用プリンター、都心の印刷所でやっている場合が多いようだ。
「キンコーズ」といって原稿データを持ち込めば印刷してくれる会社もある。最近はWeb入稿もやっているので、お近くにコンビニがない方もお気軽に活用されたし。
ちなみにここまで来ると20位にランクインした「一冊試し刷りする」にも通ずるところがあるため、一冊試し刷りでおすすめされた印刷所もご紹介。
2位「第三者に読んでもらう」
”絶対実施している”、というよりも”できれば望ましい”、という回答が多かった。実践している人は以下のような方に依頼している傾向があった。
・Twitterでできた文字書きの知り合い
・理解ある友人
・冷静に読んでくれる別カプ・別ジャンルにはまっている人
・協力してくれる人なら誰でも
中でも「内容にツッコミを入れるような人ではなく、淡々と読み、淡々とわからんとこ、間違いを指摘してくれる人を選ぶ」といった声が多々見られた。
原稿を書き終え、精神的に「この原稿おもろいんか…?(滝汗)」と不安になっている最中、他人にツッコミを入れられるのは誤字脱字だけでもツライところがある中、さらに内容にまでツッコミいれられたら多分精神爆散するので、信頼できる方に淡々と読んでいただくようお願いするのが良いだろう、と経験から深く納得した。
ちなみに友人等にお願いした場合も、スタバ券などできちんと御礼するようにとのコメントも多かった(お願いされた方も御礼目的ではないにしろもらったら嬉しいしね!)
また、14位「プロに金を払って校正してもらう」と被るが、個人のスキルマーケット「ココナラ」でプロに校正をお願いするといった声も非常に多くかった。たしかにこれなら信頼して頼めるし、お金さえ払えば期限もある程度無理言える!(鬼畜)
5位 読み上げ機能を使う
こんなに票が入るものなのか…! と思った解決策だった。基本はWordの読み上げ機能や、通勤中にスマホの読み上げ機能を使っている方が多いようだった。
これは筆者もやったことがなかったのでちょっとやってみた!
実際にやってみると漢字の同音変換のミスは見つけづらかったが(例えば、正:佐藤さん 誤:砂糖さん の場合、どちらも音は「さとうさん」なので音だけでは見つからない)明らかな抜け落ちなどはかなり見つかる! すごこれ!!?? 天才!?!?
10位 PDFにして読み返す
11位 横書きで書いていたら縦書きに変える
15位 Webに仮でアップロードする
18位 iPad+Apple Pencilで校正する
この辺りは「環境を変えて読んでみる」ということで票が入ったという感じ。Webにサンプルアップロードすると急に誤字脱字見つかったりするんだよね…あの現象名前ないんです…?
ちなみに18位のiPad+Apple Pencilで校正する、というのは当方も以前の記事でおすすめしている方法。何度も印刷することが億劫だったので思い切ってiPadを買ってよかったと思っている。
dropboxに保存してあるPDFを「見開き」かつ「右閉じ」(ようは本と同じような体裁)で赤入れもすることが可能。これはSideBooksというアプリでできる。無料だよ!
ということで、誤字脱字対策を紹介してきた。
挙げられた対策をどれか選んで自分ができそうなものを複数やっておけば、誤字脱字はクリアでは!? あとは8位「よく寝る」と9位「ぎりぎり入稿しない・入稿前に時間をとって校正する」を守って原稿しよう!!
最後に、誤字脱字に関しては、対策ではないので集計しなかったが、以下のような意見が多く見られたので紹介したい。
・誤字脱字はある程度諦めるのが精神衛生上良いと思って過ごしています。
・あいつら行間から出てくるんだ、きっと…
・繁殖する
・在来種だから根絶は出来ないと諦めの境地で眺めております
・誤字は、生きている。生きているから、更に産まれていくのです
・ほーら元気な誤字ちゃんですよ~~~!!!
・基本は「誤字脱字は面白さの大局には影響しない」と思っているので、たまにあるのは仕方ないと思って神経質にならない!
・むしろ多少の誤字脱字なんて気にならなくなるくらいの面白い話書いてやろうぜ!
生の声をほぼそのまま掲載させていただいたが、上記のように”ある程度許容する雰囲気”というのは本当に大切だと感じた。同人活動はあくまで趣味の一つであり、作者が一番楽しめればそれが一番なのだから!
ということで誤字脱字だけでもだいぶお腹いっぱい感あるが、次に参ります!
3.表紙制作の傾向と対策
表紙制作は普段文字しか書かない文字書きさんたちにとっての難所…
なかなか多くの得票を得ていたが、かなり個別事象が挙げられていたため、当方で独自にグルーピング後、2票以上集まったものをランキングに表示した。
~回答者さんの生の声~
・表紙にR18を入れるのを忘れ、当日R18シールを貼りました
・表紙を描き終えた! って思ったら、裏表紙を描き忘れてた時の絶望はヤバかったです……(〆切前日のこと)
・ギリギリまでタイトルに悩んでいたため、背表紙のタイトルを間違えた
・センターに来るはずのタイトルロゴがめっちゃ左寄りに…
・ページ数を変更した後の背表紙厚さを算出するのを忘れ、背表紙がズレてしまった
・薄い水色の表紙になるはずが、印刷されたものは真っ白だった(CMYK確認ミス)
・初めての本は表紙素材の解像度が72dpiになっていました…(印刷は350dpi以上推奨)
・解像度を低くしすぎて表紙絵がガビガビに…デザイン表紙だからあまり目立たないけど、タイトルがすごく…ガビガビでした…
・英語タイトルのスペルミス!!!!!
ぎょえええええ~滝汗しか出ない体験談本当にありがとうございます!!
1位 表紙タイトルミス/4位 裏表紙の文字(受攻が逆・日付・サークル名・スペリング)のミス
→これに対する対応策はほぼ見当たらなかった。ただ、「表紙タイトルと奥付タイトルが微妙に違った」「スペルミス」といった細かなミスが多かったように思うので、タイトルはこれに気を付け、他はここが間違いやすいという傾向として確認を忘れずに行こう! 対策がないわりにダメージでかいもんね! はい、次!
2位 解像度が低い
→画像というのは、モニター上では綺麗に見えても印刷には耐えられない解像度だったりするのだ…見た目に騙されてはならぬ…
解決方法はぶっちゃけ設定を気を付けたり、自分が作ったデータや購入した素材の「dpi」を確認するほかない。と思う…。
解像度については、プリントオンさんの説明が一番わかりやすかった。
基本カラーであれば「350dpi」以上、白黒であれば「600dpi」以上を求められるので、確認するだけでも初歩的なミスを減らすことができるので気を付けてみよう! 確認方法は以下の通り↓(プロパティみるだけだけなんだけど一応…↓画像の上で右クリックして「プロパティ」を選択→「詳細」タブから見られる)
3位 背幅の計算を間違えた
6位 表紙のセンターに置きたい画像がずれてしまった
→「表裏一緒のデザインにする」「数ミリズレてもおかしくないデザインの表紙にする」というのが有力な対策。
また、表裏一体のデザインにし、最後に使用予定の印刷所の背幅計算ツールで背幅を計算して、そのちょうど真ん中に文字を配置するのがいいと思いますよ奥さん!
5位 RGB→CMYKの確認を忘れた
モニターの色に騙されるな!!!
これはつまり表紙のカラーが思った色よりもくすんで印刷されてしまったということ。解決策は大体以下の通り。このあたりはもはやググっていただいた方が理解が早い。以下の記事がわかりやすかったのでご紹介。
→解決策①RGB対応の印刷所に入稿する
こちらは個人のブログのようだが、非常にわかりやすかったしRGB入稿を受け付けてくれる印刷所や、広演色印刷が可能な印刷所の一覧を掲載してくれている。先人の知恵、お借りします!!!
【カレイド(広演色印刷)などの広演色印刷サービスがあるところ】
関西美術・スズドウシャドウ・サングループ・PICO・アクシス・コーシン・
グラフィック・サンライズ・ブロス・ねこのしっぽ・STARBOOKS・松本コロタイプ等(出典は以下のURL↓)
ちなみに上記ブログの他には、
栄光印刷・緑陽社・プリントオン・ポプルスも
RGB入稿OK! プロに任せて! という心強いメッセージをHPにて発信しているのでご参考までに!(印刷所は順不同・敬称略でした)
→解決策②印刷所さんの変換ツールで変換して色味を確認する
こちらはなんとアップロードするだけで印刷後の色味が大体把握できるというすぐれもの!
筆者もかなりお世話になっており、このツールの変換をかけ、特に気になることがなければ入稿している(ただ、実際はもう少し別の色で印刷されてくることが多いので、あくまで参考に…という感じだ)
→解決策③その他
・くすむので水色や黄色、ピンク、紫はなるべく使わない(使うならちゃんとフォトショなどで作ろう)
・表紙こそカラーで試し刷りしてみる
などなど…。表紙の色にこだわりがある場合は色々試してみるのが吉。
7位 R-18表記忘れ
→後から手書きする/R-18のシールを貼る
↓楽天でシール売ってました…! 究極のお助け品すぎてさすがに笑ったが、レビューを書いた方々の命が助かっててさらに爆笑したのでご紹介。
【究極のお助け品!?】成人指定シール RED/BLACK/YELLOW
https://item.rakuten.co.jp/chotto-print/10001832/
これはっぉぃ…!!! 手書きよりはクオリティが担保されそうなので、時間があれば注文するのはいかがですかみなさん!!
追記:Twitterでとらのあなさんへの委託の際にシールが貼ってあると汚れの原因となるため推奨されていないとの情報を得た。↓
出典:https://www.toranoana.jp/dojin/faq/faq_e.html#e3
もし委託を検討している場合は委託分はシールを貼らない方がいいかも。でもイベントでは表紙にR18表記がないと頒布してはいけないので、その辺の管理はしっかりしたい。
7位 断ち切り線の認識が甘く、はみ出し/ズレが生じてしまった
9位 原稿サイズのミス
12位 塗り足しをせず入稿してしまった
上記3つは基本的には断ち切りや塗り足しについてあまり認識していなかったパターン。私が書いたのできったなくて申し訳ないが、まず最初に表紙についての用語(?)説明。
(あの…筆者は別に印刷屋の中の人でもなく実は詳しいわけでもないのでこういう図解で間違っていることがあれば遠慮なく教えてください……修正します…)
印刷屋さんのデータ作成マニュアルに大抵こういうのが載ってると思うから詳しくはそちらを見てほしいが、基本印刷データというのは端っこ(黄色いところ)が裁断される✂
だからこそ四方3mmほど紙のサイズを大きく取り、塗り足しという「ちょい裁断がずれても大丈夫に見えるよ!」という保険を掛けておく必要があるのだ。
こればっかりはマジで印刷所のテンプレートを参照しながら頑張って作り上げてほしい!! 大抵は「塗り足しわすれんなよ!」と書いてあるから!!
ちなみに筆者が推しているイラスト制作アプリはメディバンペイント。印刷所のテンプレートをPSDで開ける。無料!
10位 レイヤーの統合を忘れた・消し忘れた
画像:回答者より提供
おそらく「デジャヴ、ビジョン」というタイトルだと思われるが、非表示レイヤーの消し忘れにより本来のタイトルやサブタイトルにかぶさる形で印刷されちゃった例。
ひええ…これについてはレイヤーの消し忘れ等を気を付けるしかない。基本的には印刷所が気づいたら指摘してくれると思うが、R-18マークのように後付けできなさそうなので肝に銘じたい…!!!
最後に「本当の本当に表紙制作が無理…!!!!」となったら、以下の方法を検討してみよう!
①絵描きの知人・友人にお願いする
②表紙制作サービスに頼む
→ココナラで頼んだり、印刷所の表紙制作サービスを探そう!
③表紙メーカーを使う
→お絵かきソフトが使えなくても、素材さえアップロードできればあっという間にそれっぽいものができるし、慣れれば5分もあれば簡単に思い通りの表紙ができてしまう! マジで神サービス…
4.本文原稿データ制作時の傾向と対策
~回答者さんの生の声~
・ページ数を減らすため、自分で本の行間、行数、文字間隔を決めていたらノドに文字が入り込んで読みにくくなった…
・A5サイズで印刷所に申請したのに実際に送ったデータがB5サイズでした
・断ち切りを含めたサイズにするのを忘れており、本文は切れていないものの余白が少なかった…
・『フォントの埋め込み』の概念が分からなくて適当にPDF化し、全文文字化けの狂気のデータを作成してしまった…
・アンチエイリアスをオンにしてしまい、文字がドットになってしまった。
これまでは誤字脱字、表紙のミスを見てきたので、ついに本文のデータそのものを作る過程でのミスをご紹介したいと思う。では参ります!
1位 ノドが狭すぎた
ノドとは、本を見開いた時の真ん中の部分だ。ここは余白にしておかないと吸い込まれて字が読めなくなる。
また雑な図で申し訳ないが一応よく出てくる用語として場所は把握していただけるとスムーズかと…ちなみに外側は小口といって、小口の余白が狭すぎても指がかかって読みづらくなる。
wordだと基本的には自分でノドと小口を設定することになるのでこういうのは有識者の知識をお借りするのが一番早い! これだ!!
また「これだと実物のイメージがよくわからない…」という方は、手元に持っている実物の小説同人誌で気に入った設定があれば作者に直接尋ねるのが良い、という意見もかなり多かった。
ましゅまろを開放している方であれば、十中八九設定を丁寧に教えてくれる。自分も悩んで作った設定が、誰かの参考になるならそれほど嬉しいことはないのだから!
2位 原稿サイズミス
めたくそ多かったミス。しかし原稿サイズのミスと一言で片づけてしまったが、パターンは凡そ3つある。
①印刷所への申告サイズをミスしてしまったパターン
→連絡すれば間に合う&印刷所から連絡がくる場合が殆どなのでギリセーフ! 大抵は入稿した後に気づくんだよなこういうの。Why?
②サイズの認識は合っていたが、塗り足し3mmしていなかったパターン
→例えば文庫本(断ち切り有サイズ:111mm×154mm)で作りたかったが、断ち切りなし(105mm×148mm)の設定で作ってしまうなど。小説なので本文は裁断されないかもしれないが、端っこにあるノンブルは結構命の危険を感じるレベルで切られてしまう。 (画像:回答者より提供)
※こちらの画像を提供してくださった方は明確に「断ち切りなしサイズで入稿したからこうなった」とはおっしゃっていなかったが、わかりやすかったので拝借しました。
奧付も結構命が危ないのでご注意(画像:回答者提供)
→こうしたことがないようにしっかり3mm余白を取った原稿を作成しよう!印刷所支給のテンプレートを使うのがお勧めだぞ!
③思っていたサイズと違うサイズで自分が作っていた場合
→これは少数だったが、稀に思っていたサイズより大きな本ができたりした方がいるようだ…。あまりに恐怖だが、完売した方もいたようなので読者は読めればいいと思っている人が多いのだろう。希望を持とう…!
3位 PDFでのフォントの埋め込みを忘れていた
→フォントの埋め込みって何? という方は以下の記事をサラッとご一読いただきたい。
簡単にいうと、開く環境がどんな環境でも対応できるよう、文字化けや勝手にフォントが置き換えられることを防ぐためにするんや工藤!(*^-^*)
これはフォントで白熱していた文字書きさんたちには特に重要事項だとわかるだろう。こだわりの洒落乙フォントを使っても、埋め込んでいなければ相手方のPCでは超フツメンのMSゴシックで表示されていたり、挙句の果てに文字化けしたりするのだから…(ひえ…)
基本は印刷所の原稿マニュアルに必ず「フォントは埋め込みしてから入稿してくれ」と書いてあるので、入稿予定の印刷所のマニュアルはマジでよく読もう工藤。
ちなみにどうしても使いたいフォントが通常のPDF変換+埋め込み設定でも対応できない場合はフリーソフト「CubePFD」を使おう! 様々な回答者から絶大な支持を得ていた仮想プリンター形式のPDF変換ソフトだよ!
3位 ノンブルをノド側に配置してしまった
ででででた―――――! 私も以前の記事でやらかしたと紹介したミスです。(画像:作者作成)
ノンブルとはページ数のことで、印刷所支給のテンプレートを使わなかった場合、奇数偶数ページどちらもノンブルがデフォで左上に設置されてしまっており、結果ノドにノンブル吸い込まれて見づらくなる現象だ。みんなやってるミスだったんだねなんか安心した!!
ということでこの対策は、ノンブルを中央に配置するまたは印刷所支給のテンプレートを使うが考えられる。
印刷所のテンプレートはサイズも配慮してあるうえノンブルも位置が選べるものが多いのでぜひ検討して欲しい。
11位 アンチエイリアスをオンにしてしまった
また出た知らん単語! でも大丈夫…Wordで制作している方ではなく、PhotoshopやIndesignで段組みをしている方が対象だと思われる(多分おそらく多分…)。
わかりやすかったしまや出版さんのブログを張り付けておく。設定はぽちっとするだけなので、最後に気を付けてみてもらえればいい項目だろう。
誤字脱字のところでも同じ意見が出たが、入稿データのミスというのは一度印刷するとわかりやすい。
本当に不安な場合は、一冊試し刷りするのが本当に一番いいかもしれないので、原稿がざっと書きあがったらささっと試し刷りをすることをお勧めしたい。
その他本当にこまごまあるが、大半は印刷所支給のテンプレートを使えば消化できるミスだと思うので、データ編はこの辺りにし、次にいきたいと思う!
5.部数関連の傾向と対策
~回答者の生の声~
・「アンケ6割」との言葉を聞いて「そういうもんか!」と作成したのですが、実際に出たのは4割以下でした。地味に財布に痛い。
・マイナージャンルに参戦! 部数を読み間違え30冊刷って3冊しか売れず…
・余りを通販すると言ったら予想より売れてしまい、再販のためのアンケートを取ったらその数を大幅に下回る数しか注文が来なかった
・別ジャンルの三冊目、今までを諸々反省し、10冊頒布するも今度は告知前に全頒布。Twitterのフォロワーさんにすら行き渡らない事態に。
・部数がほんと毎回読めない
あ~~~~部数…なやむ…ほんとなやむよね…「部数がほんと毎回読めない」に集約されるこの事象。ぶっちゃけ解決策は個別にはほぼない状態。
ただ、ランキング形式にしてわかったのは、やはり「刷りすぎた」という事象が多いこと。
その反面、人気ジャンルに移動すると即完売→再販したが捌けなかった、という流れが多い。本項目では挙げられた実質的な対策を一応記していくが、部数は本当に人それぞれ…永遠の悩み…というのが浮き彫りになってしまった感はある。
・部数アンケートを取って、実際に何回か刷って自分の部数を把握していく
→これが一番実質的だと思われる。一発で部数感覚を身に着けられることはないので、まずは部数アンケートを取るのが良いだろう。
ただし、Twitterのアンケートはかなり気軽に押せてしまうし、回答結果が見たいがために適当に入れる輩もいなくはない。少ないからかわいそう…という同情票があるのでは、という声も回答者から見られた。
そういう面で、回答結果が作成者にしかわからない「Google Form」でアンケートを作るのが今のところ一番参考になるアンケート数だと思われる。
↓適当だけど作ってみた。こういうのです。
ただし、その票を入れてくれた人が買ってくれなかったり、アンケートに気づかなかった人も買ってくれたりするのだから、やっぱり頼れるのは自分の勘と実績部数なのだ。
アンケートを取っても「失敗した」、取らなくても「取るべきだった」という意見が見られる以上、これが最適解、とはいいがたい。
「失敗した」という意見だけにむやみに傾倒するのではなく「アンケートは取ってよかった」という意見もあったので、最適解は自ら探していくしかないのかもしれない。
その他の意見
・たぶん、足りないくらいがちょうどいいのかなと思います
・ジャンルの規模から考えて冊数を決める
・自分が持てる在庫で割り切って用意するのがいいと思います
・ちょっと多めに刷って長めに頒布する覚悟を決める
一応この記事は、初心者のみなさんにもっと本を刷ってほしくて書いている記事のため、あまりネガティブなことは言いたくないが、やはり在庫を抱える覚悟というの必要だし、みなさん悩み悩み生きているのだ。がんばろうぜオタクたち!
6.Wordなどエディター関連の傾向と対策
ニッチな分野で票が著しく割れたため、複数票入ったものだけでも紹介したいと思う。大多数がWordを使って作業しているためか、ほとんどがWordに関するミスだったように感じる。
1位 「!?」などの記号や半角を縦中横にするべきところをしていなかった
Web小説は横書きのためあまり意識しないが、小説同人は縦書きにするため、「!?」や「1~9」「半角英数」などはすべて横に倒れてしまうので、「縦中横」という機能で直さねばならない。(画像:筆者作成)
横書きの時はなんら気にならないが、紙にした瞬間とんでもなく気になるこの現象は、「縦中横」という機能を使うと解決する(読み方:たてちゅうよこ)。知らなければまず見つけられない機能なので初心者の方はご確認を!(リボンのショートカットに入れるよいいよ!)
2位 罫線が横倒しになってしまった
これも見ていただいた方が早い事件だ。(画像:回答者提供)
とにかく多い! この回答めっちゃ多かった!!!
これはWord→PDF変換の際に起きてしまうらしい。「罫線(─)」だと横になってしまうが「ダッシュ(―)」だと横になることが少ないそうなので、みんな「ダッシュ(―)」を使おう!!(ダッシュと変換すれば出る)
なお、ダッシュを使った場合、間に細かいスペースが入ることも報告されている。(画像:回答者提供)
正直私はあまり気にならないが、気になる人はこのダッシュ部分だけフォントを少し大きくするなどの対策を取っているようだ…! この記事で少しでもダッシュ難民(?)が救われることを祈っている…!
3位 Wordの設定で文字色が自動でグレーになっていた
意外に多かったこのミス。Wordの設定で文字の色を自動にしていると限りなく黒に近いグレーになることがあり、それで何度か印刷所さんから連絡を受けたという人が数名いた。中には「薄墨か!?」ってくらい薄く印刷されてしまった人もいるようなので、一番最後の仕上げとして「CTRL+A」して文字を全選択して文字色を黒に変えよう!
4位 セクション区切りによって勝手に白紙が挿入されてしまった
実際に出会わないと意味が分からない事象だが、Wordの機能「セクション区切り」を使った場合、PDFに変換後、あるはずのないページに白紙が勝手に挿入されていたりする。(画像:回答者提供)
読者的には突然の白紙だし、印刷会社からすれば申告ページ数と印刷ページ数が違ってくるし…さぁ大変……
ノンブルが奇数・偶数と順番になっていない場合に起きる現象なので(章扉などを挿入するときにずれたりする)、だいぶ慣れてきたころに起こる現象のため、PDF変換後によく注意してみれば見つかるはず。解決策は以下のURLを参考にしてほしい。
ちなみに、票が割れていたのでランクインはしなかったが、他にもエディター関連で気になったのはルビや濁点について。
ルビをうまく打てていたと思っても、スクリプトがうまく実行されなかった結果が印刷されてしまった例や、濁点の位置がずれてしまう例が報告されている。
(画像:回答者提供)
「蒲柳の質(ほりゅうのしつ)」とルビ打ちしたかったところがうまくルビ打ちできていないように見える。この方はScrivenerという編集ソフトで書き、InDesignで整える際にルビを振るスクリプトが一部正常に動かなくて、ルビの記号が本文にそのまま記載されたとのこと。ルビを打ったところは入稿前に念入りに確認しよう…。
濁点の場合(画像:回答者提供)
Q3.フォントのところでも紹介した「源暎こぶり明朝」等独自フォントでは、任意の清音に濁点を付けられる。表示にはコードを打ち込むことが必要だが(あ゛と表記したい場合は「あ+3099」と打つ等)、きっと横書きで書いているときにも自身では濁点をつけているので、それを目でスルーしてしまい、印刷されてしまった、ということろう。
濁点は喘ぎ声などジャンルによっては大きな需要がある文字なので紹介させていただいた。
7.印刷所とのやり取り関連の傾向と対策
印刷所は我々の原稿を魔法のようにあっという間にきれいな本にしてくれる、決して足を向けて寝れない存在だが、いかんせんコミュニケーションがうまく取れないときもある…。世知辛い…
第1位 誤ったページ数で申し込んでしまった
これはこの回答集一番の凡ミスっぽいが、結構多い。
ちなみに恐ろしいことに「ページ数を数え間違えて、遊び紙に扉ページを印刷された」という人もいた…。あわわ…こだわりの遊び紙が…こうならないように気を付けよう…!
第2位 誤ったデータを送ってしまった
「会場で届いた箱を開けたら表紙は新刊、中身は既刊」という恐ろしい回答もあったこのミス怖い…。第6位の「最終稿ではないデータを送ってしまった」もこれと類似するミス。
表紙や本文は、印刷所の入稿マニュアルだと「Hyoshi.psd」「Honbun.pdf」にするように指示がされていることがあり、パッと見で既刊か新刊かわからないことも多い…。これも自身が気を付けるしかないので頑張れみんな…。
第5位 印刷所からの連絡をスルーしてしまった
印刷所は入稿データに不備があるとすぐに連絡してくれることが多いが、わりと電話連絡が多い。仕事があり取れない人もいると思うが「印刷所から電話があったが、「知らない番号」なのでセールスと勘違いして危うくスルーするところだった」という回答者もいた。
確かに知らない番号に出るのはちょっと怖い人もいるだろう。できればよく使う印刷所は番号登録しておくと安心かもしれないネ…!
8.絵描きさんへ依頼する際/紙・装丁/文章の齟齬関連の傾向と対策
ここからは、少しごちゃまぜになるが、少し票数が少なかったので残りのカテゴリーで多かったものをひとまとめにしてみた。ちょっと煩雑になるが、傾向と対策シリーズはこれで最後になるのでお付き合いいただきたい。
・本文用紙が厚く、本が硬くなりすぎた
→100ページ以上の本で90K以上の紙の厚さを使うと「分厚くて硬く、めくりづらい本になってしまった」という声が多かった。個人的には90Kは結構ポピュラーなので「え!? そうなの!?」という感じではあったが、7票は集まっているので、ページ数が100P未満は90K台、100~200Pは70K台、200P~はそれより薄いものをセレクトするのがいいのではないだろうか(あくまで著者の主観的な意見)
・本文用紙に白い紙を使ってしまった
→目がチカチカして読みづらかった、という意見が多かった。やはりストーリー重視の文章を読む本としてはクリーム色などを使うのがスタンダードで良さそう…。ちなみに筆者も一度白い紙を使ったが、紙が白すぎて若干ストーリーに集中できなかった…。
・ページの前後で文脈が合わない
→これはかなり珍回答が多かったのでぜひ紹介したい。
回答例
・さっき部屋を出ていったと書いたのに、次のページでその人がまだその場に居たりする
・冒頭と締めで季節の表現が違っていた
・章タイトルを年月(2021年7月のような)にしていたとき、作中のキャラクターの年齢と章タイトルの年月に齟齬が生じた
いやぶっちゃけ文字書きとして泣けてくる…( ;∀;)
読み上げソフトじゃわからないこのミス…。もし誰かの原稿を校正する側になったとき、こういったミスもあるのだとどこかで覚えておいていただけると救われる文字書きがいるやもしれない…。
一応年齢などに関しては「年表を作成して、このストーリーはいつ・キャラクターは何歳というのを明確にする」などの対応策があったが、すべてが全て対応できるわけではないので、本当にこういう事象があることを認識して次に生かすしかない…!
・文章中に何度も同じことを説明してしまった
これも文章の齟齬関連。回答者の以下の説明が一番わかりやすかったので拝借。
「お話の展開が上手くいかない時、文章のブロックごと数ヶ所入れ換えるとうまくつながることがあるのですが、その時「カット&ペースト」ではなく「コピー&ペースト」で作業してしまい、『同じ内容の文章ブロックが複数入っていた』ことがありました。絵と違って原稿をパッと見ただけではわからないし、そのブロックの文章自体がおかしいわけではないので、校閲で読み直していても自分では気づかなかったです」
でででで出奴~~~~校正じゃ気づきにくい罠~~~~~!!
先ほどのページ前後の文脈が合わないパターンと同様、文章自体が間違っているわけではないので、日を分けて校正したりしていると気付きづらい…。ほんとにこれ撲滅する方法は見つからなかったんですが、とりあえずブロック入れ替えるときはみんなコピペじゃなくてカット&ペーストを使おうな!! マジで!!!
・後で書こうと思っていたものを書き忘れた
文章齟齬系は悲劇のパターンが多いな…!!
これは「原稿中に上手く書けなくてあとに回すための<このあたりに良き感じの情景描写>というメモ書きが、入稿用pdfの段階まで残っていて冷や汗をかいた」みたいなパターン。こういう方意外と多いのではないだろうか…(滝汗)
解決策としては
・後で直す箇所には★などを置いて後で気がつけるようにする
・「読み上げ機能」を使う。突然「いい感じのジョウケイビョウシャ」とか読み上げられたら気づくはず。
などが挙げられていた。
・絵描きさんに描いていただいたものと自分のイメージがかけ離れていた
絵描きさんへの依頼については、うまくいったものについてはポジティブなものが多いが、この集計においては失敗談を集めているので、ネガティブなコミュニケーション齟齬が非常に目立った。
中にはカップリングだけ伝えて後はおまかせ! みたいにしてしまった人もいるようで…それではどんなに上手な絵描きさんであれ、依頼者のご希望に沿った表紙を仕上げることは難しい。
解決策としては
・棒人間などでざっくりラフを描いて渡す
・本文ができているところまででいいから渡して読んでもらう
・メッセージだけではなくできれば通話などでイメージを伝える
などが挙げられていた。
ちなみに同じくランクインした表紙サイズの伝達ミスも、コミュニケーション齟齬の一環と言えよう。自分で作るときも表紙サイズ間違える人が多いんだから人に頼んだ時にはなおさら間違えやすいのかもしれないが、印刷所のテンプレートを一緒に検討するなど、文字書きということに甘えず、お互いのためにできる限りコミュニケーションを取る努力をしような! お姉さんとの約束だ。
わ~~~長々とお付き合いありがとうございました! なんとここまでで18000字くらいあるよ! ちょっとした二次小説より書いてるよ私!
これで傾向と対策集は終了です。次からはおまけの集計してて思わず笑ってしまった失敗談ベスト3と、僭越ながらこれから同人誌執筆を始める方に向けた筆者のおすすめリンク集です!
9.集計してて思わず笑ってしまったお話ベスト3
人の失敗を笑うな…とはいうけども、どうしても笑ってしまったエピソードをご紹介。楽しく学んだ方がみんな覚えるしな!
取り上げさせていただいたみなさま、誠にすみません! めっちゃ笑いました!!! ではベスト3から行きます。
3位 突然のご褒美
印刷代の追加分の入金する時に口座番号を押し間違えてることに気付かず見知らぬ誰かに送金してしまった
えええええ―――www 入金された見知らぬ誰かからすると突然のご褒美wwww
回答者も入金された人も印刷所も私もびっくりの事件だったので3位にランクイン。追加分だったのでそこまでの金額ではなかっただろうけど、印刷代そのものだったら割と万単位でのご入金になってしまうw
ご本人は「確認大事。なによりも追加料金発生させない、を胸に刻み込みました」とのことです。ちなみに銀行に連絡すれば「組み戻し」という手続きで振り込み直せるそうです…。ありがとうBANK…
2位 おじいちゃんおばあちゃん向け同人誌
文字サイズを12ptで作成し、らくらくスマートフォンの説明書のような本を作った
いやこれもめっちゃ笑った。12Ptで作った方は他にも何人かいたみたいだが、らくらくスマートフォンの説明書というワードがパワーワードすぎたので2位にランクイン! 文字の大きさと読みやすさがよく伝わってきますわよ!!
1位 国境超えちゃった原稿
USBに原稿を保存していた時。旅行先でもやろうと思い原稿していた。ちょうど作品の舞台でとある街での原稿だったので、とても楽しかったです。そして、USBをそのまま恐らくホテルへ忘れました。
ちなみに場所はロンドン。取りに行くこともできず、ロンドンへBL作品を置き土産してしまった。
ぎょぇえええwww 初っ端は優雅なロンドン原稿合宿だったのに突然悲劇になってしまって悲しいのに笑いが止まらなかったので、供養の意味も込めて堂々の1位にランクインさせていただきました! 回答者さんの本原稿が無事に発行されたことを祈ります!!!
10.お役立ちリンク集
同人誌制作にあたっては本当に先人の知恵がインターネットの海にそこかしこにあるが、知らなければ知らないで終わってしまう。みなさんの今後の同人活動の参考になればと思い、これまでもたっくさん解決策としてお役立ちリンクを紹介してきたが、総合的なお役立ちリンク集を作ってみた。
シメケンプリント
小説用PDFメーカーから表紙制作ツール、果てはなんとサイズ、ファイル形式、テンプレートの使い方などを確認してくれる無料の原稿チェックサービスまである神サービスをそろえた印刷所さん。
回し者ではありませんが、調べれば調べるほど神サービスなので、いろいろわからなくなったときまずはポチポチ遊んでみるのがいいかと…!
小説ページ数カウンター
手持ちの原稿が一体どれくらいのページ数の本になるかを、文字数を入れるだけで概算してくれるツール。本の制作意欲がぶち上がる!!
本ツールを運営している主さんの本サイトも同人制作の情報がこの記事の5億倍整理されて掲載されているので、ぜひ閲覧されたし。
絵描きさんにイラストを依頼する際に役立つ記事
表題はアンソロ向けかつ少し辛口だが、中身は実践的な「絵を自分のために描いていただくときのお願いするためのノウハウ集」。私はこれまで3度ほどイラスト依頼をさせていただいたが、これは本当に参考になったので載せておきたい。
最後に
回答者さんより、こんな言葉を教えていただいた。
同人誌の失敗を失敗と認識するのではなく、『いかにより良く皆さんに自分の萌えを供出できるか』の実験の場であり、できたものは結果だと思うようにしています。
『私は実験において 失敗など一度たりともしていない。この方法ではうまく行かないということを発見してきたのだ』
というエジソンの名言があります。胸に刻みましょう。
ちょ、超かっこいい…!!!!
これまで割とハイテンションを保って人の同人失敗談を書き連ねてきたが、どの失敗も失敗ではなく、実験の結果であり、回答者のみなさんは「誰かに自分の失敗を活かしてほしくてわざわざ回答してくださった」のである。
上手くいかなかったものは、自分なり、他の誰かがまた同人誌を作るときに活かしていけばいいし、また自分が何かやっちまった~となっても、それはチャレンジした結果であってミスではない。
同人誌作りは、好きな作品への愛を叫べるというのが第一義だが、自分一人で、あるいは一緒に原稿を頑張っている同胞とあーでもないこーでもないと言いながら作っているときが大体一番楽しい。
更には、そんな試行錯誤の末できた本を同じ作品が好きな人に手に取ってもらえるというのは、本当に奇跡みたいに嬉しいものだ。
これを読んでくださっている初心者さんには、ぜひ一度ご自身の作品を形にすることを強くお勧めしたい。それが800を超える回答を下さった回答者への一番のお礼になるだろう。
改めてご回答くださった方には本当に御礼申し上げます!
以上、「文字書きによる文字下記のための同人失敗談調査」でした!
長々とご精読ありがとうございました! みんな、本作ろうぜ!
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