売れる広告コミュニケーションの歴史を紐解いてみる
こんばんは、エルモです。
今回は、1年ほど前に友人の有料メディアに寄稿させていただいた記事をベースに、加筆修正を加えた上で再掲載させていただきます。(ご本人から了承済み)
今日の主題はズバリ、「売れる広告コミュニケーションの歴史」です。
「売れる広告の歴史ってこうなってたんだ」と、どこかで役に立つかもしれない、そんなどうでもいい話にお付き合いいただければと思います。
マーケターが考える「売れる」3つの視点
良いマーケターは、「売れる瞬間」から逆算してコミュニケーションを作りあげます。彼らは無意識ベースである3つの要素や環境を見ています。それがこちら。
商品(プロダクト)
・どんな商品なのか?
・どんなベネフィットを顧客に提供できるか?
人(ターゲット)
・顧客はどんな悩みを抱えているのか?
・ターゲット世代はどんなトレンドに乗っかっているのか?
・どんな価値観をベースにしているのか?
メディア(テクノロジー)
・どんなメディアを通じて人と接触できるか?
・そのメディアは、どのように人とコミュニケーションをしているのか?
商品は当たり前として、マーケターは買い手である人と、商品情報が乗っかるメディアを両睨みしながら、ベストなコミュニケーションを生みだします。
たとえば、人のトレンド。
今でいうとサステイナブルな商品を好むミレニアル世代であったり、1970年代に生まれたヒッピー文化、カウンターカルチャー。買い手の嗜好、価値観に乗っかるのは、商売人として必須です。
そして、メディア。
新聞(テキスト)とラジオ(音声)しかない時代に、「肉汁のシズル感を映像で見せれば、新作ハンバーガーが売れるぞ!」というマクドナ○ドの広告は意味を成しません。ラジオであれば、言葉の力を借りてリスナーの脳内に「『美味そう!』を連想させるか?」かカギになります。
このように、メディアの特性によって、広告コミュニケーションの形は変わっていきます。
つまり、広告の歴史とは、メディア(=テクノロジー)の歴史と言っても過言ではありません。メディア(テクノロジー)の特性を生かして、それぞれ「売れる広告」の形態が変化してきたのです。
ここら辺で、前振りは終わります。
「メディアの視点から、売れる広告の歴史を振り返り、ソーシャル時代の売れるコミュニケーションを考える」。
これが本日のテーマになります。
メディアと「売れるプロモーション」の歴史を図にすると、以下のようになると思っています。
インターネットが大きな転換点になっているのは言わずもがな、実はソーシャルメディアの登場もネット登場以上のインパクトになる可能性が高いと個人的には考えています。
それでは、「マス⇒インターネット⇒ソーシャル」の順で、売れる広告の歴史について振り返り、ソーシャル時代の売れるコミュニケーションについて見ていきましょう。
マス1.0 テレビCMだけでモノが売れた時代
今でも、古い広告代理店に勤める人が口をそろえて言う言葉があります。
「CMを出せば、それだけで売れる時代があった。あの頃は、本当に良かった」と。
インターネットが生まれる以前の、広告主(代理店)と消費者のコミュニケーションのあり方は、このように非常にシンプルなものでした。
メチャクチャ単純化すると、このように3ステップで購買行動が成り立っていたんです。
①広告(TVCMや新聞広告)を見て商品を知る
↓
②ニーズが出た時に、商品を思い出す
↓
③店舗で商品を手に取る
ネット以前の世界は、商品を買えるのは店舗だけです。
しかも、棚に並ぶ商品はパッケージの見た目以外に違いがありません。ですから、本当に信頼のおけるモノなのか分かりませんし、消費者は「知っている」商品を無意識のうちに選ぶ傾向がありました。
マーケターからすると、「お客様が店舗についたときに、自社商品を知ってもらえているか?」が購買を決めるグロースファクターでした。
しかし、マス時代に顧客とコミュニケーションをとれる場は、店舗(売り場)を除くと、テレビ、新聞、雑誌、ラジオといわゆる4マスだけ。これらのメディアにどれだけ広告を出稿し、目立つことができるか?で勝負をしていたんです。
「店舗ではじめて商品の存在を知り、その場でネット検索をしてみる」手段が存在してなかったからこそ、広告は絶大な影響力を持っていたんです。
マス2.0 マスを活用して一発でモノを売る飛び道具
ふたつめがマス2.0。マスを活用したダイレクトマーケティングの登場です。
マス1.0→マス2.0の過程で、新しいテクノロジーが生まれたわけではありません。ただし、新しいメディアの使い方が開発されました。
マス広告に「告知(情報発信)と売り場」の2つの機能を、同時に持たせたのです。
「ダイレクトマーケティングとはなんぞや?」というと、その場で直接購買に結びつける広告コミュニケーション、言ってしまえば通販です。流行りコトバでいうD2Cですね。
「ジャパネット高田のテレビ通販」と言ったら、イメージしやすいかと思います。
ジャパネット高田は、広告枠が安いラジオ通販からスタートし、新聞、チラシ、テレビ通販へと参入し、販路を広げてきました。
なぜ、ここまでスケールしたのか?ダイレクトマーケティングが「売れる広告」だったからです。
マスを活用したダイレクトマーケティングが革命的なポイントは2つありました。
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