【SNSマーケを制す】UGCを生み出す6つの顧客心理とは?
今日は、みんな大好きUGC(ユーザー自らが生み出すコンテンツ)について。
最近は、大企業もSNSマーケティングの存在を無視できなくなってきました。それだけ、SNSを起点にたくさんモノが売れるようになったということです。
そして、どこの企業のマーケ担当者も、「SNSマーケで成功するには、どうやらUGCが大切らしい・・・」という所までは、なんとなく分かってきています。
しかし、UGCが大事と分かったところで、突然自社商品に関するUGCが増えるわけもなく。むしろ「SNS上の口コミ、UGCが大切ってことは分かった。でも、どうしたらいいのかさっぱり分からん!」と、どのブランドも同じ悩みを抱えています。
本日は特別に、「UGCを生み出すコツ」をお教えします。ぶっちゃけ、UGCが生まれる顧客の心理状態は6つに集約されます。内緒ですよ。
SNSマーケティングとUGCとは?
最近では、馴染みのある言葉になったSNSマーケティング。ここでは、「購買行動が起きているSNS上でモノが売れるための打ち手」をSNSマーケティングと定義しておきます。
なぜSNSマーケティングが注目されているかというと、シンプルにSNS上でモノが売れるから。
企業が自ら発信する「これ買ってください!」という広告より、実際に消費者が発信する「これ使ってみたら良かったよ!」のほうが信頼されやすいのです。この実際のユーザーの声は、User Generated Contents、略してUGCと言われています。
「SNS時代のマーケティングフレームワーク、「ULSSAS(ウルサス)」とは」より
このUGCは、SNSマーケティングでガソリンのような役割を果たします。SNSの購買モデル「ウルサス」をみればわかる通り、企業・商品のUGCが増えれば増えるほど、いいねと指名検索も増え、結果的に購買量も多くなります。(※逆に、悪評を生むUGCもあるのでご注意を)
そして今、あらゆる企業が、UGCを生み出すために躍起になっています。でもなかなか難しいんですね。「エルモさん、ウチの商品もUGCを出したいんですけど、どうしたらいいのか分かりません!」と。
企業発の販促・プロモーションはコントロール可能ですが、消費者発のUGCは消費者自身が生み出すもの。自社で直接的にコントロールできるわけじゃないんです。量的にも、質的にもです。
とはいえ、いくつかUGCが生まれやすいパターンというのは存在します。ヒントは、顧客のシェアする心理状態にあります。
まずは、UGCが生まれる心理背景を考えてみる
さきほど、UGCは消費者自身が生み出すモノとお伝えしました。ではでは、どういった心理的状況になれば、彼らは自らSNS上に投稿するのでしょうか? ポイントは大きく2つです。
・投稿して恥ずかしくないもの
・欲望が満たされるもの
ユーザーがコンテンツを投稿するのは、「恥ずかしくない×欲が満たされる」が同時に満たされていることが多いです。
たとえば、自分の髪が薄くなってるからと言って、わざわざ育毛剤の写真をあげないですよね?他人にシェアできること=恥ずかしくない≒誇れるものなんです。
つまりSNSに上がっている投稿は、その人の生活の全てではありません。むしろ、自分が見せたい・見せてもいい世界の一部だけが切り取られた世界です。インスタ映えの世界がまさにそう。
自社商品・サービスがUGCに選ばれるには、一部の切り取られた世界に入り込む、そんな意識が大切です。
欲に関しては、「自己顕示欲、承認欲求、貢献感」これら3つのどれかを必ず満たしています。
UGCを生み出す6つのパターンを紹介しよう
こちらが、UGCを生み出しやすい6つの顧客心理・パターンです。
①ビジョン型
②クラファン型
③小さなギフト型
④ベネフィット型
⑤ライフスタイル型
⑥同調型
UGCが生む商品・サービス・コミュニケーションは、必ずどれかのパターンに当てはまります。たくさんのシェアが生まれている商品は、6つ全てを兼ね備えることもあります。(appleのiPhoneとかですね)
それでは、各UGCを生み出すパターンを解説していきます。
①ビジョン型
最近よく持ち上げられていますよね、ビジョン。「成し遂げたい姿」「解決したい社会課題」を掲げることで、顧客からの共感を得ています。
ビジョンの本質は、顧客との長期的な契約です。
「日本にベビーシッター文化をつくる」をビジョンに掲げているキッズラインがその一例です。
「私とあなたには共通の目標があります。。今はまだ真の価値を見せられないけど、これから私たちが成長したらその価値を提供できます。だから良かったら、中長期的に私を見守ってね」
今ある現状の問題を踏まえて、本来のあるべき姿を提示する。その未来に誰かが共感したら、UGCは生まれやすくなります。共感とUGCを生むビジョンとは、「自社がやりたいこと」×「社会が求める姿」、情熱とニーズが重なり合った時に生まれるモノだと考えています。
②クラファン(応援)型
次がクラファン型。ビジョン型と似ていますね。クラファン(応援)型は、ビジョンよりも顧客のエンゲージが上がります。
クラウドファンディングを通じて、チャレンジの一部を担いでもうと、消費者自らがモノを作り出している感覚を覚えてもらえます。
たとえば、左利きのエレンのクラファンは最近大成功したみたいです。「応募した!→届いた!」とUGCの好循環が生まれています。
クラファン型は、必ずしもクラウドファンディングをする必要はありません。ポイントは「応援」です。ビジネス成長の一部を消費者が支援する設計があると、ユーザーにも当事者意識が生まれ、UGCが生まれやすくなります。
クラファン型は、箕輪編集室とかキンコン西野さんがお上手なカテゴリーですね(笑)
③小さなギフト型
僕が多くの企業にオススメしたいのが、この小さなギフト型です。ギフトと言っても、物的なプレゼントキャンペーンをSNSでやるわけではありません。
ポイントは、ユーザーが想定していない、小さな驚き・感動・感謝を送ること。
僕は、米国Amazonがプライム会員に郵便切手を送った話が好きです。
郵便切手の値段が上がり(22セント→24セントとか)、全米でこれまで持っていた22セント切手では手紙を送れない状況になったそう。そのとき、Amazonは顧客に1セント切手を10枚送ったんですね。
顧客1人あたりたったの10セントの投資でしたが、その切手をもらった人はきっと嬉しかったはずです。切手を買い足す必要もなくなったのですから。こういったユーザーが想定していなかった、驚き・感動はUGCが生まれやすいです。
他にも、企業の公式アカウントから直々にコメントやリプをもらえたときも、小さいギフトのような感覚が得られるのではないでしょうか。
小さなギフト型の本質は、顧客に「私は大切に思われている」「特別に扱われた」と感じてもらうこと。高額な投資をしなくても、相手の期待感を超えれば、エンゲージが上がるのがなによりのポイントです。
④ベネフィット型
ベネフィット型は、いわゆる明確な「役に立つ」結果が顧客に与えられること。
「この商品を使ったら痩せた」「英語が話せるようになった」「このスキンケアのおかげで、肌ツヤが良くなった!」などです。
根本的には、企業はプロダクト力で勝負するべき。なので、どの企業も明確なベネフィットでUGCを生む必要があると思っています。しかし、一度作ってしまった商品ベネフィットはそうそう変えられません。
もし他社と差別化される明確なベネフィットが自社商品にないのなら、他のパターンでUGCを生む戦術に切り替えるのがオススメです。
⑤ライフスタイル型
次がライフスタイル型です。これは、商品を売るのではなく、その商品が醸し出す世界観を提供することで、UGCを誘発します。「これを持ってる私、イケてない?」とも言い換えれます(笑)
MUJIやApple、スターバックスのUGCはライフスタイル型です。
そして今日ご紹介したい事例が、米国のED薬・育毛材ブランドのhimsです。
冒頭で、UGCが生まれる条件に「シェアして恥ずかしくないコト」をあげました。まさに、ED薬や育毛材は、シェアがされにくいカテゴリーです。
しかし、このブランドhimsは、カッコいい男性の世界観、使っていても恥ずかしくないぞというコミュニケーションを地道に続けていくことで、「悩みをオープンにする」唯一無二のブランドポジションを築いています。
これが#himsのUGCです。本来根は深い悩みであるEDや薄毛をポジティブにとらえています。
himsは少し特殊な事例だと思いますが、コト(ライフスタイル)付きの商品を売ることでUGCを生むこともできるんですね。
⑥同調型
最後が同調型。これは、あまり詳しく説明する必要もないかと思います。(笑)
「みんながやってるから、私もやりたい。」
これが同調パターンの顧客心理です。⑥の同調型は、既に多くのシェアが生まれたり、テレビや雑誌などで特集される必要があるので、ゼロからUGCを生むには、あまり参考にしないほうがいいかもしれません。
ただ逆にいうと、ある一定量のUGCが生まれると、あとはこの同調心理が働き、加速度的にUGCも増えていきます。これミソです。
【まとめ】UGCを生み出す顧客心理6パターン
本日は、ここまでUGCを生み出す6つの顧客心理をお伝えしてきました。まとめると、こんな感じです。
①ビジョン型
→このサービスが実現する未来を見てみたい!
②クラファン型
→私も参戦したよ!楽しみ!
③小さなギフト型
→わざわざ、こんなことしてくれた!(私って特別視されてる・・?)
④ベネフィット型
→この商品を使ったら、こう変わったよ!
⑤ライフスタイル型
→これを使ってる私、イケてる!ね!
⑥同調型
→流行りのこれ、私も使ってみたよ!
あなたがSNSマーケティングでUGCを生み出したいなら、まずはこの6つの心理状態を目標にしてみてください。この目標から逆算して、自社商品なら、どんな手段でその心理状態を作り出すことができるかを考えてみること。この思索の繰り返しが、UGCを生むための訓練となります。
あとは、良い思索を具体的な施策に落としてPDCAを回してみる。あとはひたすらDO、DO、DOです。
これが現実的に、マーケターにできるUGCを生む方法論です。冒頭でも伝えた通り、プロモーションは企業側がコントロールできますが、UGCはアンコントローラブル。だからこそ、最後はお客様に結果をゆだねるつもりで(実際委ねることしかできないので)、顧客思いで熱量のこもったコミュニケーションを届けることが一番大事だと思っています。
SNSマーケティングはまだまだ未開拓領域だからこそ、今から手を付けていると強いブランドになる可能性が高いです。UGCを生むための施策は、結果が可視化されなかったり、成果が長期的にしか出ないと企業側からすると取り組みがたい条件ばかりが揃っていますが、ぜひぜひアプローチしてみてください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。何かしらの参考になれば幸いです。
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