【虹ヶ咲】えいがさき 考察:本気でぶつかるための役割

今回は
『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第一章』
について
「本気でぶつかるための役割」と題して自分なりの考察を書いていこうと思います。

鑑賞済を前提に書いていくのでネタバレ注意です。
また、考察について未熟な部分もあるかと思いますが
最後まで読んでいただければと思います。


えいがさき、限られた尺の中でしっかり話がまとまっていて、キャラの成長を感じられる素晴らしい映画でした。
見終わってから、どうしてこんなに面白いのかを考えていて、これではないかと思ったのが「『本気でぶつかる』という1つテーマに主要キャラ全員が違う役割で関わっているから」でした。
虹ヶ咲でピックアップされた6人だけでなくゲストキャラであるランジュママや、天ちゃん・小糸ちゃんにも『本気でぶつかる』ことを描くための役割が与えられていたと感じました。
1人ずつ順番に深堀していきたいと思います。

桜咲しずく

えいがさき配信ライブのトップバッターを務めたしずく。アニガサキで成長した部分としずく元々の性格で役割がありました。

自分の想いや考えを出すこと

アニガサキで自分をさらけ出すことを覚えたしずくらしい役割として、自分の想いや考えを持って、それを表現することがあります。
作中では、自分からグランプリのトップバッターを務めたり、彼方のステージ選びのために水族館を提案したりしていました。
また、中盤、エマのライブで気づきがあれば、そのまま2回目のライブに向かうシーンも描かれていました。
この思い立ったら行動できるところは、今のしずくならではだと思います。

そして、おそらくトップバッターが理由で初日のランキングで高順位だったり、特にかすみがその順位を気にしたりなど影響がありました。
何事にも、最初に「自分の考えを出す」ことが大事だとこれらの描写から伝わってくる気がします。

相手の気持ちへの不安

自分のことは問題なく表現できるしずくでも、相手のことについてはまだ不安を抱えている様子でした。
水族館での彼方との会話も「自分の勝手な考え」だと言っており、相手の気持ちがどうなのか、自分の考えを伝えて相手がどう思うかは、まだ分からない状態でした。

2日目の夜、彼方とホテルで二人きりの時には、「本気で気持ちをぶつけたら、一緒にいられなくなってしまわないか」と寂しい気持ちを口にしていました。
周りの目を気にしたり、すれ違いを恐れるところはしずくらしい部分だと思います。

ただ、これに関してはエマのライブで「相手の気持ちを感じる方法」を、彼方からお揃いのサンゴのアクセサリーで「ずっと一緒の気持ちの証」を受け取ったとこでしっかり解決していました。
エマのライブ後にしずくもライブをしたり、相談を受けた彼方から証を受け取ったり、お互いに影響しているのが分かるのも良かったですね。

近江彼方

しずくと一緒に行動するシーンも多いので、その補完のような役割なのかなと思いました。

我が儘になる

作中でも印象的な我が儘な彼方。
しずくの役割から少し発展したような行動なのかなと思いました。

しずくにお世話をお願いしたり、自分だけでなく相手が関わることでも自分の意志を表現できるのは、甘え上手な彼方らしいところかなと思いました。

ただ、逆に自分勝手なばっかりだと相手を困らせる原因にもなったりします。彼方のライブに居合わせた小糸は、そういうところがあるからあの場にいたのではないかと考察しています。

気持ちに応える

彼方の活躍としてもう一つ印象的だった「お揃いのサンゴのアクセサリー」のシーンから、相手の気持ちに応えることも彼方を通して描いたことなのかなと思いました。

しずくから悩みを引き出して相談に乗ったり、その解決策を出したり、聞き手として素晴らしいシーンはもちろん、ランジュがグランプリを離脱しようとしたときにも話を聞いていたりして、こういったコミュニケーションの部分が目立っていたように思います。
家族との時間も増えたと言っていたのは、こういう部分で成長があるからなのかもしれません。

エマ・ヴェルデ

アニガサキ1期2期の成長から、分かりやすくエマらしい役割を果たしているように思います。

相手の気持ちを知る

ランジュがママの存在を知ってグランプリがら降りると言った時、なぜそうするのかと理由を聞いたり、天から小糸とのユニットが解散になったと聞いた時、その経緯を聞いたり、まずはしっかりと相手の事情を聞いている姿が印象的でした。

分からないままだと、どうすればいいのかも分からないけど、聞いてみたら何か解決策が思いつくかもしれない。
ランジュへは民宿で泊るようにしたり、天から事情を聞いたときは、すぐにライブの話を持ちかけていました。
聞いてみれば意外とできることはあるのかもしれません。

相手の気持ちを引き出す

そして原因が分かったらその対応までしっかりこなします。

と言っても、ランジュに対してはママから離れるところまでで、その先はかすみが解決してくれました。
エマがどこかでランジュママと会っていたらこっちの事情も聞いて完璧に解決してくれたかもしれないですね。

そしてその分、天と小糸の2人についてはエマが完璧な対応をみせてくれました。
自分の意見を言えず、相手の意見に流されていた天に対して、「本当にそう思ってる?」と聞くことで本音を引き出しました。
心の内で思っていても相手には伝わらない、ちゃんと伝えなきゃダメというメッセージと同時に、相手のことが分かればもっといいものが出来るというのをライブを含めて表現しています。

天と小糸

ゲストキャラに相当する沖縄のスクールアイドル、天と小糸はこれまでの各メンバーが教えてくれたことをしなかった時、間違って実践したときの結末を教えてくれました。

小糸:我が儘→意見の押し付け

スクールアイドルでは自分の意見を言ってばかり、さらに、お弁当のおかずを天のことを考えずに押し付けたりしていました。
相手のことを考えない、相手の意見を聞かないばっかりだったわけですね。

彼方の場合は相手も心地よく我が儘を聞けるような状況でしたが、少し間違えるとこういうことも起こり得たかもしれません。

天:自分の意見を言えない

小糸が色んな意見を言ってくれる状況も相まってか、自分の意見を言葉にすることがありませんでした。
これは、エマとのコラボライブ後のシーンで小糸から「そんなこと思ってたの!?」と言われているところから、普段からそういう雰囲気だったと分かります。

そして小糸からの意見も特に反論もせずに受け入れていました。
エマとのライブ準備のシーンでも同じような反応でしたが、今度は相手がエマだったのでついに意見を言うチャンスを得て、ここからどんどん変わっていく様子が描かれていたと思います。

仲違いから始まった関係性

回想で既に解散していたところから始まった二人の関係も、エマの手を借りてお互いが「本気でぶつかった」ことでより強固な結束になりました。

これまでの各キャラが成長してきた部分が良い方向に働けば、結果も自ずと良くなってくるのが直感的に伝わってきます。

ランジュママ

アニメシリーズでは初登場のランジュママ。

「本気でぶつかる」ためのグランプリを提供するスポンサーとしての立場もありつつ、「本気でぶつかる」には本人にもダメなところがありました。

言葉足らずによる誤解

かすみに指摘されていた通り、言葉足らずなせいでランジュに誤解されてしまいました。
気持ちを伝えるにしても、ちゃんと伝えないと意味がない、伝わるように表現しないといけないと、身をもって教えてくれました。

本気でぶつかるための舞台

ランジュとは誤解もありましたが、大人にしかできない役割として、グランプリという「本気でぶつかることができる環境」をスポンサーとして用意してくれました。
「一番を目指してこそ」という発言にも納得感がでますね。

これがなければメンバーたちの成長の機会も失われるかも……と思うと大事な存在ですね。

ランジュ

序盤から終盤まで、大事なシーンたっぷりで、今回のメンバーでも特に主役の一人と言った雰囲気でした。

早とちりして相手の気持ちを誤解してしまう

ランジュママが言葉足らずなら、ランジュは早とちりと、親子らしい姿でした。
ランジュママが言葉足らずなのもありますが、スポンサーとして関わっているというだけで、ランキングの操作などが起こるかもしれないと思い込んでしまいました。

お互い非があったからこそのやり取りでしたが、別の機会に相手の話を聞かずに思い込みで決めつけたりしてしまうと、それは当然ダメなことなので、作中で反省できる機会があって良かったと思います。

本気をぶつける

作中で一番本気をぶつけたがっていたのはランジュだったと思います。
何より印象的なのが歩夢への「負けないわよ」宣言。
グランプリを絶好の機会として、より高みを目指すためにライバルに勝負を挑むのは、向上心の高いランジュらしいところです。

尊敬している相手に物怖じせず挑み、上を目指すために本気でぶつかろうとするのは、どこかでそれが必要だと理解しているからでしょうか。

ランジュママの存在を理由に、一度はグランプリを降りようとしたランジュだからこそ、本気でぶつかる機会を心待ちにしていたと思います。
勝負から降りてしまえばここまでの話の意味がなくなってしまいますからね。

かすみ

ライブシーンこそ無かったものの、活躍シーンもしっかりあって欠かせない存在でした。

ワンダーランドを作る

かすみの物語への関わり方はこれだと言わんばかりの活躍でした。

ランジュとランジュママとの話し合いの場、ランジュと歩夢のライブステージなど、お互いが意見をしっかりぶつけ合うことのできる場所と状況の用意に奔走していました。

アニメでは同好会の在り方についてよく考えていた印象なので、映画でも変わらない様子がむしろ良かったと思います。

意見を整理する

もう一つかすみで印象的だったのが、みんなの意見をまとめたり、今後の動きを整理したりといったシーンです。

物語序盤にみんなで行動している時は、かすみを中心に掛け声をしているシーンが何度もあって部長がいるとこういう雰囲気になるのかと思わされました。

自然とまとめ役が出来るかすみん部長の良いところでしたね。
逆に、えいがさき第二章ではかすみ不在のメンバーでどう話が展開されるのか今から興味が湧いてきます。

歩夢

回想の時から本気でぶつかり合うことに乗り気でなかった歩夢も、最後にはグランプリを通じた成長を見せてくれました。

疑問をもつ

歩夢のシーンで印象的なのは悩んでいるシーンでした。
グランプリへの参加や、参加する意味、ランジュから受けた言葉など、色んなことに悩んでは相談をしていました。

自分の気持ちを確認するためにも、相手のことをよく知るためにも、歩夢の疑問や問いかけが後々に大きな意味を持っていたと思います。

みんなの力を体現する

一番悩んでいた子だからこそ、悩みを解決するにはみんなの力が必要でした。

これまでみんながライブをしてきた姿を見て、ランジュと話すことで、お互い全力で高め合える本気のぶつかり合いができるようになりました。

ライブで披露した楽曲にも周りのみんなのことをダイレクトに歌っていて、いつも「あなた」やファンのこと、仲間のことを感じている歩夢らしい姿だと思いました。


まとめ

本気でぶつかるために、様々な成長があった上でのグランプリだったからこそ、一つの物語として素晴らしいものになったと思います。

また、作中で配信アプリが必須となっていたことで、何時でも誰でも全員のライブを見ることができるのも良い仕組みだったと思いました。
第二章のメンバーが今回のメンバーの影響を受けていたり、その逆ももしかしたらあったのかもしれません。

こうしてえいがさきを自分なりに言葉にできたことで、より深く楽しめたと感じるので、書いて良かったと思うし、まだまだリピートして新しい発見がないか探してみたいと思いました。

最後までご覧いただきありがとうございました。



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