「老害」連呼?国民・玉木代表の支持者はどこへ向かうのか?①
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ネット上の政治クラスタには様々なレイヤーが存在しています。
レイシストもいれば、反差別を掲げる人、立憲支持者や共産支持者、公明党支持者など多種多様ですが、今回私が注目したのは
「玉木クラスタ」
国民民主党の支持層で、特に玉木代表への熱烈な支持を全面に出している人たちをこう呼びたいと思います。
この人々に注目すべきだと考えた理由は、
▼著しい人権意識の欠如
▼過剰な立憲嫌いと反共思想
▼自民・維新支持者との親和性の高さ
このような要素が随所に垣間見えるからです。
このクラスタが、現在の惨憺たる日本の政治状況をアップデートするための障壁になるのではないかと、強い懸念を抱いています。
早い話が「玉木クラスタの言論を真に受けていると野党共闘どころか政権交代の機会もこの先ずっと生まれんぞ」と思うのです。
そのメカニズムを今回「老害」というワードを扱ったある記事から見ていきたいと考えます。
あっ!!!
くれぐれも断っておきますが、私は玉木雄一郎氏については政治家として様々な角度から高い評価をしています。
そのため、当記事を玉木雄一郎氏批判に利用することは固くお断りすることを強く申し上げておきたいと思います。
玉木クラスタによる「老害」叩き記事
まずはこちらをご覧ください。
これが今回、このnoteを執筆するきっかけとなった玉木クラスタの一人である「虎」という方のツイート。
この方はおとな研究所というサイトで「老害」をテーマにした記事を書いています。
「わたしたちは『おとなを研究する』ことをコンセプトとし、世の中の様々な事柄を記事にするオウンドメディアです」
https://otonaken.com/introduction
「おとな研究所」はサイト内でこのように謳われており、有料会員まで募集している立派な営利サイトですね。
「オウンドメディア」の意味を完全に履き違えていてちょっと失笑ですが「政治に興味のある人が集まって課金も可能なブログをやっている」という感じです。
▼オウンドメディアとは
オウンドメディア(Owned Media)は、広義では、自社が所有する(Owned)メディアを意味します。例えば、ホームページ、ブログ、ツイッターアカウントなどです。狭義では、企業が運営するウェブマガジンやブログをオウンドメディアと呼んでいます。日本では、一般的には狭義で使われており、企業が運営するウェブマガジンを指すことが多いです。
参考:https://innova-jp.com/owned-media-meaning/
運営者は高校生など若い方が非常に多いのに、広告まで貼ってあって意識が高いですね。
関係者一覧を見ると、基本的には政治クラスタの若い方がメインなので「政治ブログ」と言えそうです(どんなメンバーかは後述)。
では記事の内容と問題点に目を移してみましょう。
「老害」記事の問題点① 老害というワードの連呼
まず一点目はズバリ記事のテーマである「老害」。
タイトルを見てギョッとした方も多いでしょう。
当たり前のように差別用語が飛び交う反人権大国、日本。
特にネットどっぷりの世代はこのように無意識的に高齢者全般を侮辱するような単語を平気で使ってしまう人がたくさんいます。恐ろしいことです。
この記事には実に21回も「老害」という単語が登場。
徹底的に「老害認定された政治家」を罵倒しています。以下、用例の引用です。
以上のように、政治家の老害的言動を類型化してみた。誰しも老害となる可能性はあるが、必然的に年長者の割合が高い政治家こそ、気をつけるべきではないだろうか。上記のような仕草は、国民に「老害だ!」と批判されている。
(太字筆者)
まあ、記事を読めばおわかりいただけるとは思いますが、別に「国民みんなが批判しているような話」ではもちろんありません。
私が常々主張していることですが、日本の政治が劣化し、日本会議的なもの、安倍自民党的なものが跳梁跋扈するベースには何があるのか?
それは「人権の軽視」です。
ネトウヨの定義のひとつに「差別主義者、排外主義者」というものがありますが、ネトウヨこそ人権意識が低い集団の代表でしょう。
▼ネトウヨ・自民党的な思考の傾向
・差別大好き
・個人の権利の制限
・国家の権力の強化
・格差社会の助長
・反ファクト(デマ拡散)
自民党的勢力と対峙するために、私達がポリティカル・コレクトネスや人権、ファクトに対する考え方をアップデートすることは大大大前提なのです。前前前世じゃないですよ。
これがなければそもそも「なぜ自民党じゃダメなの?」という段階でつまずいてしまうんですよね。
自民党が一番ダメなのは、国家のガバナンスを破壊し、私物化している点。
歪みきった政治のあり方は、格差の拡大を否応なくもたらし、社会に混沌と分断を呼び込みます。
このような横暴な振る舞いを自民党ができるのは
「人権などどうでもいい」
「自分たちさえ良ければそれでいい」
「知性やファクトなんてどうでもいい」
という開き直ったマインドから来るものです。
先日も「プロセスなどどうでもいい」と開き直った防衛大臣がいましたが、まさにそれと同じような話ですね。それ、近代民主主義の根幹やぞ。
老害という単語を乱用することの是非については実に染み渡るツイートがありましたので、こちらをご紹介します。
賢明な読者の方にはなぜこの老害という批判方法が的外れかご理解いただけることでしょう。
コンチキショウと思う対象は相手の「老い」ではなく「権力志向」でしょう。「老害」って言葉使うと、老いた人々に矛先が向く。老いは平等に訪れる。自分にも来る。
▼ポイント
ネトウヨと似たような人権レベルでどーすんの
「老害」記事の問題点② 野党結集の妨げ
次に、この記事が「老害」というキワキワなワードを使って誰をどのように叩いているのか見れば、玉木クラスタの危うさが掴めるかと思います。
実際言及されている政治家は以下の五名。
・菅直人(立憲民主党)
・山崎拓(元・自由民主党)
・小沢一郎(国民民主党)
・麻生太郎(自由民主党)
・二階俊博(自由民主党)
その中でも記事のサムネイルやツイートで言及されている通り一番熱心に批判を展開しているのは菅直人氏と、小沢一郎氏に対してです。
小沢氏と菅氏の最近の言動を、老害的行為だと批判しております。反論は、記事でご投稿ください。Twitterで批判すればどんどん広まるよ。
「老害」とか関係なく
批判すべき政治家が
一番多いのは自民党だろ!
と言いたくなりますね。
しかし玉木クラスタの虎氏にはどうも老害に対する批判ではなく別の目的があるのではないかと考えられます。まずはこの一節をご覧ください。
小沢氏は組織人であるから、党の役職を尊重すべきである。代表や幹事長に任せるべきは任せ、国民のわからないところで裏工作をやりすぎると、再度国民民主党自体が不興を買うことになりかねない。最近の小沢氏の言動は、党の役職に対するリスペクトが欠如している。
(小沢一郎氏への批判、太字は筆者)
つまり、最初からコレを言いたいがために書いた記事だったのでは、とすら思わせる具体的かつピンポイントな批判なんですよね。
小沢一郎氏への批判内容は、少し前にネットで物議を醸したこの会談への言及がほとんどです。
名前こそ出していませんがここで書かれている「役職」とか「代表」とか要は「俺たちの玉木代表」と言いたいんでしょう。
玉木氏をないがしろにしてスタンドプレーをしている(そのように見える)のが気に食わないのではないでしょうか。
正直、どーーーでもいい…
小沢氏は自由党の代表という立場から国民民主党に合流しており、当然その影響力は無視できないほどの大きさがあるでしょう。
政界内での顔の広さ、圧倒的知名度、多様なつながりがあり、評価はともかく政界の重鎮であることには違いありません。
そんな重鎮も政党に入ればもちろんある程度の縛りや立場上の制限はあって当然。
しかしこれではまるで役職者には絶対服従すべき、何も意見を表明してはいけないというような考え方です。
国会議員とは決して政党のコマではなく、ひとりひとりが独立した支持基盤や考え方を持った存在であるということを全否定しているような危うさを感じます。政党政治とは一体…
しかも、
小沢氏と枝野・福山両氏の会談
5月22日
「老害」記事の公開
5月24日
なかなかジューシーでフレッシュなスピード感をもって一気呵成に作られた記事であることがわかるわけで、あります。
さらに、同記事内で菅直人氏について批判した記事からも心の叫びが溢れているように思えます。
「小沢自由党との合併のように合流を?」
菅直人元総理大臣は、5月23日に「毎日新聞の世論調査で安倍政権の支持率が27%に急落。自民党内でもポスト安倍の動きが本格化する。1年半を切った衆議院任期満了に向けて野党の共闘体制がしっかり組めるかどうか。私が民主党代表だった2003年、小沢自由党との合併を合意。それが2009年の政権交代につながった。」と、小沢自由党を引き合いにだし合併をほのめかすツイートをした。しかし、両党が合流しないことの背景には、政策、理念の隔たりが大きいこと等、様々な要因がある。したがって、容易に乗り越えられるものではなく、先の12月~1月の合流協議も破談に終わった。それゆえに別々の政党として連携する道を続けているのだ。
(菅直人氏への批判、太字は筆者)
菅直人氏は、立憲民主党最高顧問であり一歩引いた立場から助言することが求められる。しかし、その立場を理解せずに前に出過ぎたり、あろうことか他党に介入したりする場面も見られた。
(菅直人氏への批判、太字は筆者)
これまた「お前は意見するな」「立憲・国民の合流は許さん」という負のオーラが滲み出ていますね。
両党の合流が困難だったとしても「数の力」でゴリゴリに押してくる自民党政治に対抗できる手段を実践した過去の経験を語ることの何が悪いのか、全くわかりません。
「難しい、難しい」と言って現在の政治体制の閉塞を打ち破るための提案を何もしないのであれば、現政権にとってメシウマなだけです。
小沢一郎、菅直人両氏への批判内容がたまたま「立憲・国民の分裂」を煽る発言になったわけではなく「両氏の発言を批判するためにわざわざ老害というテーマをこしらえた」というのが私の見方です。
玉木代表を支援したい愛情が溢れ出ているのはわかりますが、老害なんてワードを使わず正々堂々と批判をすればよいのに…と残念な気持ちになってしまいます。
正面突破で反論できないためにわざわざ「老害」とカテゴライズして攻撃したいだけなのではないでしょうか。
政治家の「立場」だけを根拠として批判する虎氏は検察庁法改正の騒動で自民党の中からも反対意見が出たことをどのように捉えているのでしょうか?
党のトップである安倍晋三氏がやろうとしたことに口を出す自民党議員はけしからんとでも思っているのかもしれません。
念の為調べてみると…
うーん、言ってることがまるで陰謀論者でした!
▼ポイント
玉木クラスタ、とにかく野党分裂が目的な様子
「老害」記事の反響を分析
次に、この記事をシェアしている層を検索して調べてみました。
すると、出てくる出てくる国民民主党支持者のみなさん。
こくみんうさぎが好きな私もびっくりです。
なんでしょうこの珍現象。
出典:https://www.dpfp.or.jp/article/201541
このように、玉木クラスタの中では「野党が結集する動き」を徹底的に罵倒し、陳腐化していこうという狙いがあるのかもしれません。
その意図がなんなのか私には理解しがたいのですが、
玉木代表に
国民民主党の中で
安定したイニシアチブを
持たせたい
このように幼稚な動機ということでよろしいでしょうか。
それにしてもこの玉木クラスタが放つ「ネトウヨ的臭い」は実のところ国民民主党の支持を集めるどころか評価を下げてしまっているように感じます。
せっかく国民民主党が打ち出す政策がいかに優秀でも、いまいち拡散されないのはこのあたりに問題があると考えています。
こういったクラスタの言動を注意深く見てみても、自民党への批判はほとんどありません。
「何のために国民民主党支持してるの?」
「自民支持でいいんじゃないの?」
って聞きたくなりますね。
「推しメンバー」が好き過ぎるゆえに他のメンバーや他グループのファンを異常なほどdisってしまい、グループ全体の価値を下げてしまう、というアイドルのファンの様相です。
▼ポイント
その振る舞い、国民民主党にとってもマイナスでは?
維新支持者の集まり「おとな研究所」
最後に「おとな研究所」というサイトの雰囲気をちょっと追ってみましょう。参加者のプロフィール等から紐解いてみます。
▼所長のAki氏
「あたらしい党学生部 副部長」だそうです。
ちなみに「あたらしい党」の代表はこの方。
うげぇ…
▼副所長 ユウ氏
「にしんの会ちゃんねるスタッフ」だそうですが、こちらもまたまた維新関連の政治YouTubeチャンネル。うーんこの…
▼他の研究員
見たことのある維新支持者のネトウヨさん。
「令月政策研究会」については割愛しますので興味ある方はググってみてください。
「日本維新の会学生部広報局」だそうです。
プロフィールに身を切る改革と書く意味がまるでわかりませんがダイエット中なのでしょうか。
とまあ、このように虎氏も含めた全員が維新支持者という状態。
維新の会と言えばデマ攻撃や差別に加担をしまくっている残念な政治家の集まりですから、このサイトも「ワンチャン狙ってる意識高い系ネトウヨブログ」というレベルかもしれません(他記事も基本そっ閉じしたくなる感じ)。
少なくとも「現在の自公政権から政権交代をめざそう」という「野党共闘のお題目」にとっては非常に迷惑な存在と言えそうです。
維新の会は野党でありながら自民党的な「レイシズム」「アンチフェミニズム」「国粋主義的な思想」を色濃く持っており、現在話題の「大村知事リコール騒動」においても広告塔的な役割を果たしています。
このリコール騒動の中心人物は高須克弥院長というゴリゴリの極右であり、周辺を固めるのも「貴殿は私の訴訟に耐えられるかな?」でおなじみ竹田恒泰平民をはじめ、有本香さん、百田尚樹さん、武田邦彦さんといったデマ&ヘイト番組虎ノ門ニュースのレギュラー陣…つまり自民党の応援団でもあります。
▼この記事も要チェックや!▼
このようにネトウヨメディアに毒された人たちと玉木クラスタの層が被っているという悲しい現実が見えてきました。
本来であればこのような毒まみれの記事など書きたくもないのですが、あまり誰も着目していないヤバい層がいるということは可視化しておかなければならないという使命の元に記事を作成しました。
各クラスタの重複割合、もっと多いかも…
玉木雄一郎代表は政治家として有能な人物である(総理大臣にすらなれる可能性があると思っています)にも関わらず、その周辺を固める玉木クラスタの人たちがどれだけ的外れな人々かということを一部ですが調査・分析してみました。
今後もこのクラスタは要注意ですので、良識のあるみなさんはくれぐれもアレされないようにお気をつけくださいませ。もしアレな情報がありましたらDMお待ちしております。
▼おまけ▼
近々、玉木クラスタ分析の第二弾記事も出る予定ですのでご期待くださいませ!
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