
眠りの謎を解き明かせ!柳沢先生の研究を読むと布団への愛が止まらなくなる!?
みなさん、最近ぐっすり眠れていますか? 「布団に入っても全然寝つけない…」「朝起きられなくてつらい…」なんて悩みを抱えている人、意外と多いですよね。かく言う私も、たまにベッドでもぞもぞしては「誰か眠りをコントロールできる魔法をくれー!」と心の中で叫ぶこともあります。(特に日中の眠気を夜に回す魔法をくれー!!)
そんな私たちの味方になってくれるかもしれないのが、今回ご紹介する“睡眠研究のスゴいお方”、柳沢正史(やなぎさわ まさし)先生です。え? どんな研究をしているかって? ざっくり言うなら、「眠りを科学し尽くしちゃおう」という野望を持つ睡眠界のレジェンド的存在。実は私たちが使っているお薬や、将来の睡眠改善策にも直結する研究をたくさん発見してきたんです。
そこで今回は、柳沢先生がこれまでどんな研究をしてきたのか、その道のりをじわじわとたどってみようと思います。ややこしい専門用語はほぼ抜きにして、できるだけやさしくまとめたので、寝る前のちょっとした“睡眠雑学”がてら読んでみてください。「あ、これって私の悩みに繋がる話かも…?」なんてヒントが見つかるかもしれませんよ。では、さっそくスタートです!
まずは柳沢先生ってどんな人?
寝つきが悪いなぁ、とか夜中に何度も目が覚める…なんてとき、「一瞬でぐっすり眠る方法はないの?」って思ったことはありませんか? 実は、その答えを探る研究を世界最前線で進めているのが柳沢正史先生です。もともと血管や心臓に関わるホルモンを発見していたのに、いつのまにか睡眠の世界へ飛び込んじゃったという、ちょっと変わり種(?)な経歴をお持ち。
そんな柳沢先生、いまや「オレキシン発見者」「エンドセリン発見者」として知られ、筑波大学には睡眠研究ど真ん中の超絶ラボを立ち上げてしまいました。何がスゴいのかって、先生の研究が実際に不眠症のお薬や睡眠障害の治療に役立っていること。私たちの夜が少しでも穏やかになるように、一生懸命がんばってくださってるんです。
時系列で見る研究のキーポイント
ここでは、柳沢先生がどんなふうに研究を進めてきたのかを、ざっくり年表風に並べちゃいます。
「寝る子は育つって言うけど、先生は研究を育ててきた人!」くらいに思って、ふわっと読んでみてください。
● 1988年:血管をギューッと収縮させる“エンドセリン”を発見!
大学院生だった頃、血管がキュッと縮む原因になっている物質を探していたら、見つけちゃったのが「エンドセリン」。心臓や血圧を左右する大事なペプチドです。
この発見がキッカケで、新しい血圧のお薬ができたり、肺高血圧症の治療につながったりしたわけで…当時からすでに大ヒット研究をかましてました。若いのにスゴい!
● 1990年前後:エンドセリンの受容体や酵素などを解明
「エンドセリンって実はこんな受容体があるんだよ~」「ここを阻害すれば血管の収縮もコントロールできるんじゃない?」みたいな感じで、次々にメカニズムを解き明かしていきます。まさに連続ホームラン状態。
この頃から「先生、やたらと発見しすぎてない?」と周りがザワザワし始めたとか。
● 1996~1998年:オレキシン(ヒポクレチン)の発見
アメリカに渡った柳沢先生、新たな“オーファン受容体”っていう「まだ正体不明な受容体」を系統的に探していたら…見つかったのが「オレキシン」! しかも、脳(視床下部)にあるペプチドで、食欲を刺激することからギリシャ語の「食欲=orexis」にちなんで命名。
ところがこのオレキシン、後に睡眠と覚醒のど真ん中を司る存在だとわかり、いまや睡眠学界を揺るがす大発見に。「こっちが本命だったのか!」とみんな仰天です。
● 1999年:ナルコレプシーとの衝撃的な関係
オレキシンがないマウスを作ってみたら、なんと「突然寝落ち」するナルコレプシーみたいな症状が出ちゃった。
「えっ、食欲アップのはずが、なんで寝ちゃうんですか?」みたいなハプニング感ですが、これが「オレキシンが睡眠と覚醒を調整してる」という事実につながったんです。世紀の大発見は往々にして、うっかり生まれるものかもしれませんね。
● 2000年:ヒトのナルコレプシーにもオレキシン欠乏が!
マウスだけじゃなくて、人間のナルコレプシー患者さんも実は脳内オレキシンが足りていない…! この研究報告で「ナルコレプシーの原因、オレキシン不足だったんだ!」と世界が一気に納得。
「原因が分かると治療の糸口になるよね」ということで、睡眠障害の治療法が飛躍的に進みはじめます。
● 2001~2006年:眠り以外の新ペプチドもどんどん見つける
先生、すっかりノリノリです。オーファン受容体の正体を続々と解明して、GPR7/8とかGPR41とか、とにかく次々ペプチドを発見。学会では「まーた柳沢チームが発見したぞ…」状態。
でもいちばん注目されたのは、やっぱりオレキシン周り。「睡眠のスイッチ部分がどんどん分かるじゃん!」と、眠りの謎に迫るワクワク感が高まります。
● 2012年:日本に帰国して“睡眠研究の最強拠点”を立ち上げ
アメリカでガシガシ成果を出しまくっていた柳沢先生が、筑波大学に「国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)」をドーンと創設。
世界トップレベルのスタッフと機材をそろえ、「そもそもなんで眠らなきゃいけないの?」「眠いってどういうメカニズム?」みたいなシンプルかつ超深い謎に取り組み始めます。
● 2016年:フォワード遺伝学で新しい睡眠制御遺伝子を発見
マウスに片っ端からランダム変異を入れて「寝方が変な子いませんか~?」と探してみたら、レム睡眠がほとんど無くなるマウスとか、めちゃくちゃ眠りやすいマウスとか、いろいろ見つかる見つかる。
こうして「睡眠を制御してる遺伝子って結構あるじゃん!」と判明し、Nature誌にドヤ顔報告。世界中の研究者が「これで睡眠メカニズムをもっと詳しく解明できるかも!」と大興奮です。
● 2018年:眠りを欲する“睡眠需要”の正体に迫る
「眠りたい…」って感覚はいったい何なのか? 実は脳内タンパク質のリン酸化が溜まってきて「これ以上溜まるとヤバいから寝ようよ~」みたいな信号を出すんじゃないか?と先生たちが発見。
この研究によって、「身体が『今日はもう寝かせて…』って必死で言ってくるメカニズム」がさらに具体的になりました。そりゃ寝ないと危険だよね、と実感。
● 2016年~現在:応用研究も絶賛進行中
オレキシンの仕組みを知ってるってことは、逆にそれを調整するお薬を作れるってこと。実際、すでに不眠症薬として「デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)」が実用化され、世界中で使われ始めています。
ナルコレプシーの原因である「オレキシン不足」を解決する治療薬なんかも、開発が進めば「ウトウトが止まらない…」と悩む人を救う日が来るかもしれません。
「ちょっとだけ未来が明るくなる」柳沢先生の研究の影響
不眠症薬の新時代
オレキシンをブロックすることで自然な眠りを誘うというアプローチ。GABA系とは違って、副作用も少なくなる可能性があるので、「眠れない」と苦しむ方にとっては福音かも。ナルコレプシーの解明と治療
「いきなり意識が飛んでしまう」怖い症状。これの原因がオレキシン不足だとわかったことは大きな前進。今後、もっと根本的な治療法が見つかるかもしれません。睡眠不足がなぜ体に悪いのかがクリアに
「寝ないと体が資材不足みたいにガタガタになる」っていう感覚、科学的に「そうそう、だからちゃんと寝て!」って言ってくれる研究が増えてきたんです。すごく説得力が違いますよね。
私たちの眠りが変わる日もそう遠くない…かも?
いかがでしたでしょうか? エンドセリンから始まった柳沢先生の研究は、いつのまにか「寝る」っていう人類の根源的な課題にグイグイ踏み込んで、今や不眠・過眠・睡眠の質…いろんな問題の解決につながるかもしれないところまで来ています。
「最近、全然熟睡できないんだよね」という方、もしかしたら将来はオレキシンの力でサクッと改善できる日が来るかもしれませんよ。
“眠りたいのに眠れない、眠れるのに起きちゃう”なんて悩みも、科学の進歩が解決してくれたら最高ですよね。柳沢先生の研究はまだまだ進行中なので、今後のニュースにもぜひ注目してみてください。「寝不足だけど頑張らなきゃ…」という方の味方になってくれる発見が、きっともっと出てくるはずです。
それでは、今回の“ゆるっと睡眠サイエンス”紹介はここまで! どうか今夜はぐっすりいい夢を。もし眠れないときは、柳沢先生の研究に思いをはせて「ああ、ここにも人類の先端が詰まってるのね…」なんて考えてみるのも、意外と面白いかもしれません。おやすみなさい!