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私はサロンデュショコラに行かない

サロンデュショコラが始まった。
ご存知だろうか。
一言で表すなら「チョコレートの祭典」、
もうちょっと頑張って長く言うとすれば「チョコレートのすっげぇ人たちがチョコレートをとんでもなく愛している人たちに、チョコレートの概念を覆すウルトラハイパーなチョコレートを販売する、チョコレート沼の入口であり最奥であるチョコレートワールドで行われる祭り」というところか。

つまり、チョコレートの祭典である。


そのサロンデュショコラに、今年私は行かないことにした。
何故って?
チョコレートとか食べ過ぎて飽きてきたし、別にいいかなって…。

…なわけないじゃん!!!
コロナが怖いからだよ馬鹿野郎!!!!!
行きてぇよ~~~でも平和に生きたいんだよ~~。

もちろん入場制限とか、対策を様々頑張ってくれているのは分かる。
でも、何をどうミルクチョコのように甘く見積もっても、カカオ100%のようにシビアに見積もっても、会期中会場内にウイルスを持った人を1人も入れないなんて、不可能なんだよな~。

コロナ禍でもカフェ巡りを続けている奴が今更何を、感は否めないけれど。でも「もしかしたら、感染者1人もこの空間にいないかもしれないし」という希望すら抱けないところには行けない。

というかサロンデュショコラに行ったら、テレビ局なんかもきているわけだから…ニュースの端っこにでもうっかり映ったら非常にマズイ。
会社にバレるのもだし、なにより……。

「通販いくらでもして良いから!!一生のお願い!!サロンデュショコラには行かないで!!!!」という悲願。
何度目の一生か分からないけど、でも分かったよ、お母ちゃん…約束は守るよ…!!!!


いいもんね。
サロショに行かなくたって、素敵なチョコは沢山ある。
むしろ、サロショじゃないからこその楽しみ方だってあるのだ。
だから、羨ましくなんて……

やっぱり羨ましぃ~~~~!!!!
SNSで勝手に親近感を持たせていただいているチョコ好きの方々、普通に初日から行ってるんですもん。
美味しそ~っな写真投稿してるんですもん。

そうは言っても仕方が無い。
どうせサロショに行けないんだからチョコは我慢してダイエットに励もう。
ではなく、私は私の楽しめる範囲で全力でチョコを楽しむ。

ヴィタメール

フフフ。
サロショではほぼ不可能な楽しみ方。
それはボンボンショコラを、バラで自分の好きなものだけ好きな量を、という買い方だ。

ヴィタメールのボンボンショコラはいつも季節限定だけ選ぶことが多いのだけれど、たまには定番も買ってみようかな、と。
じゃあどれにしよう。

じ~っとショーケースの中の茶色い宝石たちを見つめていると、なにやら花の形がチラホラあるなあ、と。
それらをまとめて買ってみることにした。

良過ぎる。
赤いやつは分かりやすく花の形ではないけれど、でもなんだか花畑にありそうな気もする。多分ある。なければ新種登録をしてムリヤリ花にしてやる。
私の花々大作戦を完遂するために――。

マロ―

大輪の花。
外側のチョコは分厚めでありながらも、軽くパリンと割れる。
この音が、たまらなく心地良い。
そして中から、トロリと滑らかなガナッシュが口の中に飛び込んでくる。

パリンッとろり~。大変良いバランスだ。

外側が厚いか薄いか。これはボンボンショコラの中でも好き嫌いが大きく分かれるところだと思う。私としてはGODIVAのチョコが好きじゃない、という発想が理解できないのだけれど、あの分厚さが苦手という声をしばしば聞く。

ただこのチョコの場合、GODIVAのよりは軽く柔らかく割れるから、そんなに気にならないんじゃないかな~と思うけど、どうなんだろ。まあ「好き」は人それぞれだからね。薄さを極めるという人はそれもまた一興。私はどちらも好きだ。

モカの静かな苦味と甘さ、それにほんのり塩気も感じられるキャラメルソース。これらは境界の無い相性の良さ。
子供から大人まで、性別問わず、誰にでも愛される間違いの無い絶対的な美味しさ溢れるチョコだ。ギフトに迷ったらぜひとも入れたい1粒。見た目にも可愛いしね。

ホスピタリーヌ

"ホスピス"という言葉に近いからだろうか。なんだか天使を連想する。
キュッと閉じた、真っ直ぐ上を向く薔薇。
これからもっと大きく咲き誇りそうな、今はまだ可憐な少女、という見た目がグッとくる。

説明には"赤ワイン風味"とあるのだけれど、どちらかといえばバニラが思われた。パッと華やかで鋭い爽やかさ。ミルクチョコに溶け込んで、まろやかな優しさもあわせ持つ。

全体的に甘いながらもコクもあって、大人な気品も感じられる、そんなチョコだ。

キュラソー

オッドアイが素敵な記憶喪失のお姉さんではない。
コナン君を生み出した黒の組織のコードネームはお酒の名前だからね。
普通にチョコの名前とかで使われる。
関係ないのだと理解しつつも、やっぱり心はどこかソワソワしてしまう。

目視では確認できなかったけれど、食べてみると確かに説明文に書いてあったオレンジピールの味わいが楽しめる。

キュラソーはオレンジ果皮の風味を付けたリキュールだから、つまりオレンジ香るガナッシュの中でオレンジピールのアクセントは悪魔級に合う。
リキュール系はクラッとくるくらいガツンと度数強すぎ感溢れるものだったりもするのだけれど、こちらはもっとまろやかにシンプルに、その味わいを楽しめる。

強いリキュールならビターチョコが合うのかなという気もするけれど、これは絶対ミルクチョコが正解。そのくらい全体的に和らかな味わいだ。

チョコの名前は「キュラソー」なのに、味の説明文には「コアントロー」なのでちょっと混乱しそうになるけれど、コアントローはつまりキュラソーというお酒の商品名なので間違っていない。

ミルティーユ

幸せになれそう。
端っこがほんのり紫がかっているグラデーションがお洒落だ。

下にブルーベリーのガナッシュ、上にとろ~りブルーベリーソース。
ソースの中にはブルーベリーの果肉らしきものも潜む。
明確な主役がいて、とても安心するし絶対美味しいだろという構成だ。

うん、美味しい。

その1つ1つは柔らかめの味わい。ブルーベリーの味はちょっとキツ過ぎにもなりやすいから、丁度良い。
そしてその柔らかな味わいが絡み合って、繊細で複雑な味わいになる。

厚めのパリッとチョコもしっかりと存在感。
優しく溶け合う。
なんだかハーブティーを飲んでいるような心地の良さだ。

フランボワーズ

見た目のインパクトが…。

凄い。

トロトロのフランボワーズソースが、ベリー系の味わいの柔らか滑らかガナッシュによくよく合う。

ガナッシュの方にはベリーの香り付けがあるわけではないと思うのだけれど、それでもその味わいの中にしっかりとベリーの甘酸っぱさを感じるのだから、やっぱりカカオって凄い。

中はミルク、外側のパリパリは少しビターで、洋酒感しっかりのソース。
複雑な深みが楽しめる、ちょっと大人な味わいだ。


サロンデュショコラには行かない。
他のチョコレート催事は、どうだろ。
例年のように、フラフラと都内のある程度規模のある百貨店をほぼ巡る、というようなことは控えたほうが良さそうだ。

あのビッグなイベントに行けなくたって、それでも私は図々しくもチョコ沼の住人を名乗っていたい。きっと来年は安心して行けることを願って。
今は、今楽しめるチョコを。
諦める必要なんて、まだまだ全然ない。

そんな状況でも行く皆様。
それはそれで、ひとつの愛の形。
どうかお気を付けて楽しんで、ぜひぜひ感想をSNSにあげて下さい。

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