大学折り返し地点。怖くても前に進む
今回はある先生の言葉が身に染みた話をします。
前にも書いたように、今目指している将来の職業は自分に向いているのかと不安に思っています。
それが夏休み中に感じる孤独感や劣等感のような、ネガティブな気分のせいだと、今はひとまず思うことにしました。
今日は後期授業の初日で、1限目は進級と国家試験のためにとても重要な教科でした。その教科の担当は、遊び人が多い私の学年でこの学部の大変さを私たちに諭し、厳しくも学生に親身になって向き合ってくれるハタ先生でした。ハタ先生は威圧感があり、何も悪いことはしていないのにいざ目の前にすると緊張してしまうような先生なのですが、学生一人一人のことをよく見てくれる良い先生だと思います。
ハタ先生はガイダンスで言いそびれたことを言うために出向いてくれ、私たちに言いました。
「こんなに辛い思いをしてまで薬剤師になりたいのでなければ、転科や転部も可能なんですよ。」
ドキッとしました。図星だったかもしれません。先生は、嫌なら早めに辞めろと今までもよく言っていたので、この中にいる薬剤師に向いてない人は早く辞めた方がいいと、諭しているんだと緊張して聞いていました。でも今日はその思いよりも、「もっと違う道がある、今ならまだ間に合う」と言ってくれているように私は聞こえました。
「この教科は進級や国家試験のために非常に重要です。前期で同じような教科がありましたが、それより一層専門的になっています。ただ、今までを乗り越えてこれても、これまでの学習では限界だと感じる人もいるのではないでしょうか。皆さんは3年生になりましたが、ここまで辛い思いをしてまで薬剤師になる必要はあるのか?と感じている人がいるならば、薬科学科への転科や、他学部への転部という道もあるということを覚えておいてください。私たち教員は、そのために必要な資格を君たちに教えることができるから。」
涙が出てきました。そんな自分に動揺したのですが、ただ情緒不安定だったからという理由だけではないように思いました。
だからと言ってキッパリ辞めたいというわけではなくて、これをきっかけに、この学部を辞めたあとを考えたら、私はこの道を諦めたら絶対に後悔するんだろうなとわかりました。ここまで人に支えられてきて、努力して勉強してきたことを無駄にはしたくなかったのです。
先生は、この学部を辞める道があることを伝えただけかもしれませんが、私に将来のことを考えさせ、薬剤師になっても他の道に進める努力ができるかもしれないと、自分の可能性にわくわくする気持ちを与えてくれました。
それから薬剤師以外に私がやりたいこと、私の好きな事は何かと考えました。
私は昔から、数学が好きだったんです。様々な数式を使って難しい問題を解けた時の達成感が好きで、確実な答えが必ずある所が好きです。そして教師のように、人に勉強を教えることが好きです。わかって貰えたときの嬉しさが好きです。
そうか、教員はどうだろうか?もちろん薬剤師から教員になるのは無理だから、塾か大学かで、理科を教えられないだろうか?
まだ漠然としているけど、これがしたいと思えたら将来が楽しみになってきました。
先生の言うような転科、転部ができるほど勇気はありませんが、今まで目指してきた道を諦めるつもりもありません。辞めたあと絶対後悔するとわかりましたから。
私は諦めません。