惜しまれる休館へ ―― DIC川村記念美術館、静謐な芸術空間への旅・幻想の赤い部屋
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休館を前に注目を集める隠れた名館
2025年3月に休館となるDIC川村記念美術館。
千葉県佐倉市に佇むこの美術館は、運営母体であるDIC社の経営見直しにより休館が決定し、いま多くの美術ファンが駆けつけています。
当初1月に予定されていた休館は3月まで延長され、静かなブームを呈しています。
アクセスと来館のベストプラン
東京駅から直通バスが運行されており、所要時間約1時間、料金1,450円で快適なアクセスが可能です。
ただし、休館前の現在は特に週末の混雑が予想されます。
平日でも東京駅発9:55のバスは2台体制で運行されるほどの人気ぶりです。
バス停前のエクセシオールカフェでのんびりしてたら、すごい行列で、のんびりしてる場合じゃなかった、と焦りました。
2台来てほっとしましたが、帰りは1台と聞いて、また焦ります。
館内レストランの利用を検討される方は、到着後すぐに予約することをお勧めします。
私が訪れた日も到着してすぐ、11時の受付で待ち時間は3時間でした。
広大な庭園で過ごす優雅なひととき
美術館の魅力は、展示作品だけではありません。
広大な庭園には、池を優雅に泳ぐ白い鳥の姿も。
落ち葉や木々の様子を撮影する写真愛好家の姿も多く見られます。
ゆったりとしたベンチも各所に配置され、芸術と自然を味わう贅沢な時間を過ごせます。
プラクティカルな訪問アドバイス
・携帯電話の電波が弱いエリアのため、QR決済の利用には館内Wi-Fi利用も案内されています。
・お弁当持参も可能そうです(飲食禁止のベンチもあります)。
・庭園内の東屋には自動販売機も設置されています。カップコーヒーでまったり。
・14時からの美術館のガイドツアーもありました。ランチの時間と要調整です。
美術館内レストランの隠れた実力
館内レストランは食べログ評価3.5という高評価を誇る隠れた名店です。
スタッフ数に応じて受け入れ人数を調整する独自のシステムを採用しており、待ちますが、はいれたらゆったりとした食事時間を確保できます。
QRコードで順番待ちの状況が確認できるのも便利です。
が、高齢の方は慣れてなくて、入れないの?としょんぼりんこでした。
極上のランチメニュー
メインディッシュは2,200円からと、美術館レストランとしては控えめな価格設定。
私が注文したペンネは、通常のレストランを超える美味しさでした。
夫が選んだ豚肩ロースのグリルは、塩味で引き立つ肉本来の旨みが絶品。
今まで食べた肉で一番おいしかった、と騒いでましたが、本当なら夫の食って。。。
人件費や場所代を抑えることで、素材にこだわれる環境が整っているのかもしれません。
美術館の雰囲気を壊すことのない、品のある料理の数々に心満たされます。
見逃せない美術館内の見どころ
とにかく行く前にファッションインフルエンサーのMBさんのVoicyを聞いてください。
私はこれを聞いて、行ってみようと思いました。
なぜ、私はバスの中で先にこれをきかなかったのか、本当に後悔。
マーク・ロスコの部屋は、世界でもわずか4箇所にしかない特別な展示空間のようです。
薄暗い赤い部屋で、じっくりと時間をかけることで幻想的な体験ができるとも。
普通に流してしまった。。。
レンブラントやシャガールなど、巨匠たちの作品も見応え十分です。
また、抹茶室での一服も予約制で楽しむことができ、とても良いようで、行けばよかった、と後で後悔。
帰路のプランニング
15時25分発の東京駅行きバスに乗れば、17時前には東京駅に到着できます。佐倉駅行きの無料シャトルバスも選択肢の一つ。
佐倉駅行はこのあたりの時間だと15時20分と15時50分発のバスがありますが、混雑状況は時間帯によって異なります。
私が行った時は15時20分はそこそこ並んでいましたが、乗れないほどではなく、15時50分は東京行のバスが出発した時に待っていたのは数人でした。
もし、東京行のバスに乗れなかったら、佐倉駅に出ようと思っていました。
惜しまれる休館
広大な庭園と美術館、そして上質なレストランが織りなす、唯一無二の文化空間。
庭園は無料で開放されており、美術館チケットは館内でも購入可能です。
(バス停そばのインフォメーションは行列でしたが、館内はすぐ買えました。)
春には様々な花々が咲き誇り、さらに美しい景観を楽しめそうです。
休館後の行く末を心配する声も多く、佐倉市長も存続に向けて動いているとのこと。
これほどの規模の庭園は維持費も高いでしょう。
学芸員の方も結構いましたし、課題は山積みかもしれませんが、この貴重な文化施設の存続を願わずにはいられません。
都内に建物だけ移転しても、この庭園とセットじゃないと価値が伝わらない。
2025年3月までの限られた時間、ぜひ晴れた日を選んでお越しください。