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VRChat写真小話 パーソナルミラー編
ということで、お久しぶりの投稿です。
時事性は全然なにもない、VRChatにおける写真撮影の小話になります。下書きで放置していて出すのが遅くなりました。
今回は個人的によく使う、「パーソナルミラー」機能を使った撮影についてのあれこれを書いていきます。
VRCの日常シーンにおいても便利な本機能ですが、少しの工夫で撮影のアクセントになってくれるので、撮影時の工夫点や注意点などが伝わると幸いです。
使う機能について
使う機能
パーソナルミラー
VRC標準のカメラ機能
カメラ
拡張カメラ機能などは非対応の場合もあるので、今回は標準のカメラ機能での話になります。
撮影する際はカメラの「Mask」→「UI」をオンに設定します。
マイクアイコンやカメラのUIなども映るようになってしまいますが、工夫とアイデアとPhotoshopでなんとかします。
対策アイデアは本記事「注意点など」に記載しています。
ミラーと設定項目
ミラーはExpression Menuの「Options」→「Personal Mirror」→「Mirror」からオンにできます。
よく使う項目と、それぞれどう使うかなどをまとめてみました。
「Grabbable」
掴み判定のオンオフです。
ミラーの配置を決めた後、間違って掴んでしまうのを防ぐときにオフにします。
「Size」
ミラーの大きさです。
引きの風景を撮るときにめちゃくちゃ大きくしたりすることがあります。
「Masking」
映りこむものの選択をします。
環境や風景ごと映るようにしたい場合は「Environment」をオンにします。
「Opacity」
ミラーの透明度です。
私は風景に溶け込ませるような使い方が主なため、10~50%くらいで使うことが多いです。
「Border」
ミラー外枠の有無です。
Opacityを下げるとすぐに見失うので、設置までの調整時にはオンにすることが多いです。
撮ったものなど
基本的にはガラスや水面のリフレクションの演出に使用しています。
写りに多少癖があり、ワールドによっては鏡像が浮いてしまうこともあるため、カメラのFocus機能でピント合わせをしてぼかしを入れ、メリハリを付けたり違和感を少なくしたりしています。
しかしながらボケも癖が強いので、撮影しながらボケの強さを調整しています。
パターン① ガラス面の反射
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上の写真はどちらもガラスの面と同じ位置にミラーを置き、透明度を低くした上で被写体を映して撮影しています。
1枚目は手前のオブジェクトに、2枚目はガラス面にピントを当てています。
現実では鏡像にも奥行きがあるため、鏡像にもそれぞれ撮影距離に準拠したボケが発生します。
しかしながらVRでは鏡像の奥行きがなく、ミラー面に対するピント合わせとなるため、1枚目のガラスに映ったアバターや2枚目のアバター・ティーカップの実像は本来あまりボケない距離関係ですが、どちらも大きくぼやけています。
現実っぽいけど現実ではありえないような写真が生まれるのもこの撮り方の面白いところだと思っています。
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次はガラスを隔てて被写体を撮影するパターンです。
ミラーはガラス面の風景の映り込みに使用しています。
街中でふとした時に見かけて撮ったスナップ写真のような、「誰かの見た景色」を意識して撮影しました。
映り込みに薄くワールドの風景を重ねることで、被写体とワールド、第三者(鑑賞者・撮影者)の視点に繋がりや存在感が生まれるような表現になってくれるため、お気に入りの使い方です。
パターン② 水面反射
どれも水面の反射にパーソナルミラーを使用した写真たちです。
水面と同じ位置、向きでミラーを置き、画角いっぱいに広げています。
透明度(Opacity)はそれぞれの撮影目的に沿って変えています。
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花があふれる暖かい景色と澄んだ青空の組み合わせが心地良かったので、双方の良さを最大限取り込めるように水面と水中が混ざり合うくらいの透明度に調整しています。
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水面の模様や空間のライティングと被写体だけで十二分に良い画となっているのですが、水面にアバターだけを薄く映してぼかすことで、本来空いてしまうアバターの足付近に情報を足しつつ、アバターの実在感を持たせるようなアクセントとしています。
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雨で濡れた地面にミラーを広げ、映った風景(信号)の位置にピントを合わせています。
あえてピントを外すことで被写体をぼかし、絞りを開いた夜間スナップのような、ボケ感とディティールが両立したような画を作っています。
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このワールドは水面に映る空と雲の色彩が特徴的できれいだったので、水面の下にミラーを設置して風景と被写体を映すことで、花や被写体の上から空の景色を重ね、空間の美しさとアバターの存在感を両立させるような画にしています。
注意点など
「必要なもの」の項目でも触れましたが、Mask設定の影響で鏡像だけでなくVRCのUIも映るようになってしまいます。(パーソナルミラーに映った鏡像にはUIは映りません)
特にカメラUIは大きく目立つので要注意です。
私の場合、撮影時には
カメラUIを画の一部とする
画角の大部分をミラー面にする
画角から外れる位置にカメラを置き、タイマーで撮影する
UIが気にならないくらい大きくぼかし、風景に溶け込ませる
Photoshopなどで後から削除しやすいような位置にカメラを置いて撮影する
のいずれかを満たすようにして撮影しています。
最後のパターンは面倒なのであまりやりませんが、引きの風景+人物のようにどうにもできない場合もあるので、削除しやすいように均一な背景の位置などにカメラUIを置いています。
あとがき
いかがだったでしょうか。
機能実装から1年以上経っているため今更感はありますが、個人的によく使うので記事にしてみました。
現実では無意識に視界に入っていることも多い「リフレクション」を意識的に作り出すことで、ふとしたときに見る景色のような、瞬間の空気を感じられる写真になるのが気に入っています。
シェーダーやRefrection Probeでリフレクションが設定されたワールドもたくさんあるため、とりあえず使えばよいというものではないですが、こういった使い方もできるよ~という感じで私の撮影アイデアを記事にしてみました。
皆さんのVRCフォトライフの一助となれば幸いです。
ではでは。
2024/02/29 追記
思っていたよりリアクションがあって驚いています。ありがとうございます。
(自分が覚えてる範囲で)パーソナルミラーを使った写真をまとめたアルバムのリンクを貼っておくので、よければ見てみてください。
https://flic.kr/s/aHBqjBfNao