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転職ナビサービス終了について

社外公開もされたので書いても良いと思うので書き連ねていこうと思います。結構勢いで書いたので書き足りないこといっぱいですがお読みいただければと。

株主の方や以前から応援してくださっていた方はすぐに気づいて反応がいくつかあったみたいですね。

転職ナビのサービス閉鎖が公開されました

まさに転職ナビは僕が所属する株式会社リブセンスのサービスの1つで、入社してから4年半に渡る間、サービス開発にエンジニアとして携わり、お世話になったサービスです。

過去にこんな記事をあげて弱音を吐露したりもしましたが、あれから上司や別部署の上司にも1on1などで親身に相談に乗っていただき、解決に向かっていました。

ただ、僕は自身の力量不足と小さな積み重ねがこの結果の一部を生んでしまったかもなぁと痛感しています。

もちろん僕一人のせいでどうこうなったわけではないが、オフェンスとして活動している営業の皆さんの機能追加の要望や、転職ナコウド(求職者の皆さんの電話やメールでサポートをするチーム)の皆さんの要望に即座に応えることが出来なかったりと、チームとして歯がゆい思いをしてきたことも事実です。

一緒に頑張ってくれたメンバーについても書こうかと思いましたが、人数が多いのと、こういうオープンな場で名前は出さないにしても公開されるのは嫌な人も多いかと思うので、今回はあくまで自分と、転職ナビと、エンジニアとして見た視点をメインに、現場内部から僕が見た考えや思いを書いていきます。


入社

2017年6月にジョインしたので、ちょうど4年6ヶ月くらいになります。
リブセンス自体が若い会社なので、創業メンバーで15年、上場付近のメンバーでも10年くらいと世間から見るとまだまだ成長中の企業であり、自分の立ち居位置としてはそこそこ中堅くらいの勤務年数なります。
気づけばこんなに年数経っていたんだなぁ…。

入社した当時は、そこまでHR業界に興味はなくて、単に今まで培ってきた技術が活かせそうなのと、大規模システム開発で多くのエンジニアと交流を持ちながら開発をし、あわよくばチーム運営(エンジニアリングマネージャー)なども経験したいと思ったから入社しました。

結果としては、大変楽しい4年半であったと思っています。

もはや入社した時点の僕の部署のメンバーは3人ほどしかいないですし、異動や転職などで別れたメンバーも多いです。

でも、僕にとっては孤独な仕事をし続けていたフリーランス状態から拾っていただき、まさに転職サイトを通して転職をした身からすると本当に良いサービスで、転職業界は世の中に絶対必用だなと思えるようになっていました。

サービス名変更

実は転職ナビは元はジョブセンスリンクというサービス名で運営されており、2008年5月に運営開始されています。

不思議な縁だなと思うのは、僕が入社した2017年6月にまさに転職ナビというサービスに生まれ変わり、サービス運営や色々が変わる激動期でした。

その立ち会いをしてからすぐに配置され、現在に至り、最後を看取るという、生まれから最後をまでを経験した形になります。

当時、ビル2社あり、(正確にはまだ3社あった)フロア貸切でそれぞれ使っていたので、本社に集まってお祝いパーティしたのが懐かしいです。


転職ナビと入社後の状態

転職ナビは成功報酬型のサービスで、世間一般的にはリクルートさんやマイナビさんのような大手は、事前に固定額を契約したり、ある程度の成果を見越した月額/年間課金をメインとしているサービス提供の中、応募や採用が決まるまでは基本は無料ですよという異例なサービス形態です。

最初、これならいくらでも企業は掲載してくれるだろう!って思っていたけれど、そうそう簡単にいかないのが世の常だと思い知らされます。

転職業界は基本的に求職者の取り合いです。

SEOに強かったリブセンス(時代を僕は知らないのですが)だったが、昨今はGoogleや各種検索エンジンの影響を大いに受けており、大手と争うにもメディア露出なども足りていなかったように思えます。

今までの部長たちも多くの施策、打ち手を出してきましたが、公開されているとおり、赤字体質からは抜け出せず、苦しい状況だったと思います。

コロナによって止めを刺された印象を受けるかと思いますが、その前から傾向はあったため、全てがこの原因ではないことが今回の判断となっているかと思います。


エンジニアとしての転職ナビ

僕が所属していたのは現DevelopmentGroup(元:メディア開発部)(名称は年度ごとに変わっているが)なので、まさに求職者のみなさんが使うWebサービスのフロントエンド部分や、社内メンバーが使うバックエンド部分、一部サービスのインフラ部分などが主な担当範囲です。

第一印象は「ここまでレガシなーシステムがこんな長期間動き続けるんだな」ということ。

入社前、事前に軽く話は聞いていたが、まさか自分が今まで働いてきた会社のシステムよりはるかに古いバージョンやフレームワークのシステムで、それが安定運用されており、またそれらを使いこなす社内メンバーに驚きもしました。

まぁみずほだってあれだけ長い期間トラブル起こしながらも運用できてるし、年数ではなく設計や保守次第なんだなと。

多分、こういうと怒られますが、システム基盤のリプレイス作業や新システムを導入したいエンジニアには涎が出るような環境だったとは思います。

とはいえ、単にシステムは単独で動いているものではなく、サービス運用と一蓮托生であり、特に弊社は求職者の採用フローから請求計上までを一部を除き全て自社で賄っていたため、そのシステム把握と繋がりを紐どくことが一番の苦労でした。

どこの業界でもそうですが、ワンラインのノンストップシステムはどこかで問題や不具合が発生すると一気に倒れます。

また、長年続いてきたサービスというのはエンジニアの皆さんは納得してしまうであろう秘伝のタレ状態の謎コードや運用が数多く存在し、またそれを作り出した担当者は退職して不在、しかも資料は存在しないといったケースは往々にしてあります。

それらを全て解消しつつ新しいものを取り入れていくことがどれだけの労力であったかはご想像にお任せします。

僕はそんな巨大なシステムのリプレイスと同時にサービスのグロースをする部隊に配属され、リーダーや仲間たちと共にこの4年半戦ってきました。


グロースしきれなかった要因

あくまでエンジニア観点ですが、以下のことがあったかなと考えています。
全て個人の感想であるため、参考程度にお読みください。
なお、ここには載せていませんが具体的な数値による観測理由やターゲットを絞り込んだ施策についてはあえて省いています。

・売上成果を表に出しすぎた結果、システム負債解決をおざなりにしてきた
事業部方針として、売上を増やすことを是とし、とにかくそのために注力するシステム作りが一時期行われていた。結果として、技術的負債が残り続け、新規案件開発にも多大な影響が出ていた。
本来であれば数日、数週間単位で終わるような開発が、数ヶ月といったことも多かった。つまり、ABテストやちょっとしたグロース施策をおこなうのに腰が重くなっていた。
パワーバランスが歪だったんですね、もちろん全員がそうではなかったという話は聞いておりますが、どうしても方針決定には売上など会社に与えるインパクトが重要視されてしまうのも致し方ないかなと思います。

・頻繁に所属やメンバーが入れ替わり、チームが熟成しきる前に異動となる
これは意見が分かれ難しいところだが、組織を再編するということは今まで培ってきた連携が途切れるということで、仲が良かったメンバーやお互いを知り仕事依頼などもしやすくなり、それぞれの得意不得意がわかってきたところで異動や様々な事情から退職などになると、再度スタートを切るまでに大変辛いということ。
後半2年くらいは落ち着いて現在のメンバーになったがそれまではかなり頻繁だったし、試行錯誤し迷走していたようにも感じられたが、不満を聞くことも多かったのもまた事実。

・知名度の問題で大手にもっていかれている
やっぱこのネット全時代でもCMや電車広告などの直接干渉があるメディア媒体ってでかいよなぁっていう。
TVでよく流れるサービスって、業界に詳しくない親や親戚、友人たちですら知ってるレベルで、「転職・・・ナビ?」ってなる人が多数でした。
知名度=露出=流入は大正義だと思っています。
とはいえそんなお金をかけることも出来る状態ではないし、太刀打ち出来るものでもなかったので仕方ないかなと考えています。

・SEO主義だった時代を引きずりすぎた前半期にテコ入れをしなかった
上記と一緒で僕は全盛期のリブセンスを知らないので適当なことは言えませんが、少なくともSEO至上主義だった時代があったことは前任者や他の古株メンバーに聞いてもわかるとおりで、その後、どのように成長させていくのかについてはなかなか方針が定まりきらなかった気はしています。
ここはあまり僕の管轄ではなかったので、担当部署の方が頑張っていた可能性は高いですが残念ながら結果が出ていないことが物語っているかと思います。

・慢性的な人手不足の部署に人材の投入を会社決定しきれなかった
どこの会社でも、部署でもそうだと思うのですが、人材不足は常に頭を悩ませていました。HR業界のくせに人手不足。皮肉が効いていますね。
とにかく開発メンバーが足りない。
先程上の方に書きましたが、負債を解決するメンバー、グロースさせるメンバー、未来を考えて動くメンバー、問い合わせ対応をするメンバー。
全てを少人数のメンバーで対応するなんて限界があるんです。

・負債解決をしきれなかったことで開発スピードがあげられなかった
もう長年の弊社の特定部署の問題としてレガシーなシステムの保守というものがあり、卒業していったメンバーもずっと悩み続けていた問題でした。
ここはとても辛みがある部分であり、詳しく書くと人がこなくなってしまう可能性があるので別記事を書く機会があればまとめますが、ひとまず、以下の記事がとてもよく書かれていて、僕も現状の会社に対して思っていた部分がだいぶ当てはまりました。


転職ナビで経験したこと (エンジニア)

悲しい話や辛めの内情を語ってきましたが、僕自身は大変成長出来たなと感じられます。

自分で成長とか書いちゃうのもどうかと思いますが、30代半ばで転職した身としては、もうこの年齢になってくると役職についたりマネージャーなどの立場になる人が多く、現場のいちプレイヤーとして働き成長する機会はなかなかないし、多くの刺激をもらった気がします。

序盤はひたすら得意な古いPHPとフレームワークを触り改修。
利用していたフレームワークも2つ存在しており、どちらも担当した。
Rubyに至っても同様にレガシーなバージョンのものを触り、RubyOnRailsもまともに触ったことがないようなレベルだったのが、普通にある程度かけるようになったりと。
後はpythonで書かれたシステムを引き継いで修正したり、今まで触ったことない言語も数多くあったので大変良かったなと。

大きめの施策としては求人情報の検索基盤改善として、MySQLのMroonga(古い!)をやめ、Elasticsearch導入したり(今更かよってツッコミはありますが)、フロントエンドではJQuery脱却とReact化からのTypescript導入に、Material-UIなど、フロントエンドについても経験させていただく事ができました。
(フロントエンドについては別のエンジニアがほぼ導入してくれた恩恵を僕も受けた話です)

開発環境もインフラグループのみなさんがOpenstackで構築された自社内管理の仮想化環境から、気づいたら、個人Mac上でのDocker環境がメインとなり、更にステージング環境や本番環境の一部はKubernetes化など劇的に変わりました。

モダンと呼ばれている開発環境にはだいぶ近づいてきているのかなと思う一方で、僕自身はこれを入社して2年目くらいで着手出来る実力と経験があればなと後悔するばかりではあります。

結果的に他部署のスペシャルエンジニアがきてくれたことで一気に改善に繋がっていたので、これがエースの力なんだなと痛感しました。
このへんについては途中に書いた個人のnoteに記載してありますので割愛しますが。

あと、人生で初の後輩が出来ました。

何気に今まで入ってきた会社って中途だから僕より年上または年下だけど先輩ばかりで、更に後から入ってくる人も年齢上だったりするので、純粋に年下かつ新卒で後輩っていなかったです。

色々聞かれると今までは僕が聞く立場で先輩たちに助けられることが多かったので、不思議な感覚でした。
嘘教えてないかとか、ちゃんと成長出来るようにアドバイス出来ているかとか、おせっかい焼きすぎていないかとか。

そういった面でも、こんなだめな先輩ですが、反面教師にでもしてもらえればと思い楽しく過ごせました。

書けばもっと細かい苦労話は出てきますが、キレイな部分だけを洗い出すとこんな感じですね。
あまり詳しく書くとIT統制的にアウトなのでここでは伏せておきます。
いい経験をしました。


転職ナビで学んだこと(コミュニケーション)

技術的な話以外でいうと、多くの部署、チームと関わり合いが増えたことで、折衝の大事さを学ぶことが出来ました。

今までの会社は本当に少数規模の会社で仕事していたので、他部署みたいな感覚はなかったのですが、リブセンスに入ってからは本当に他事業部、他チームという概念が強くあり、何か動こうとするとどこに影響を与えて、どんな告知をして、誰が関わるのかということにとても気を使うようになりました。

これはそこそこメンバーがいる企業でないと体験できないことでもあり、もっと規模が大きい企業だと子会社があったりとまた違う繋がりとなりそうですが、いい勉強になりました。

事前に根回しすることの大切さや、関係性を築くことの意味を教えてもらった気がします。

社会人以前に人とコミュニケーションを取るのが苦手なので良い訓練になったなと。
まぁ入社してわかったけど、周りからの反響としては、エンジニアぽくなく、明るく、相談しやすい・話しやすいとずっと言われているので、単純に僕の心持ちな気もしますが、やはり人と話するのはいつまでたっても苦手です・・・。


今後について

長くなりましたが、こうやって書くと退職エントリーのように思われますが、僕は辞めません(笑)

一応、知り合いの会社が開発人材足りないとか、一緒に1から起業しようとかお声がけはあったのですが、いかんせんもう新しく転職活動する気力もないし、コロナの状況下で出社を求められる会社には行きたくないなと。

今はもっぱら閉鎖にともなうクロージング作業に追われているので、年末年始は忙しい感じです。

そして、実はめっちゃチャンスだなと捉えています。
ピンチはチャンス!よくいったものです。

今の部署配属時にやるべきだったスタートダッシュを今度はしっかり経験を活かして先回りで頑張っていこうと考えています。

期待値高く入ってしまうと辛いことが多い中、社内異動であればある程度の噂や実力というのは伝聞されていることもあり、また顔見知りのメンバーもそこそこいたり、社内文化もなんとなく馴染んでいたりと、案外気楽にいけるのもメリットかなと。

次は同社内の別サービスにJOINして頑張っていく予定ですので、引き続きリブセンス、しいては社会に貢献できるようなサービスを提供できるように努めますのでよろしくお願いします。


最後に

転職ナビを今までありがとうございました。

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