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旅行とたましい

「旅行行きなよ、ぜったい価値観変わるよ!」

何度となくかけられた言葉に反発し続けたわたしは、旅行コンプレックスをこじらせてしまっていた。

旅行や観光が苦手なことはいろんなところに書いているし、良く話している。

そんなわたしが最近、旅行をしている。

してみてもやっぱり、得意だとは感じない。楽しいけれど、なんとなく、ぎこちない。「旅行って、こうやるんだよね?」みたいな気持ちが拭えない。

先日行った台湾旅行は、むしろ、「よし、頑張って旅行をしてみよう」と思って企画したものだった。

台湾は楽しかった。ただ、ある夜にホテルのベッドの上で是枝監督の書いた樹木希林さんへの弔辞を読んだときと、次の朝パン屋さんに寄って公園の緑の下で朝ごはんを食べたときが、いちばんたましいが真ん中にある感じがした。どこにいても自分は自分でしかない。

そんなことを、いろんな場所で感じるのが楽しいかもしれない。

旅行に否定的なわけではない。みたことのない景色や色が見てみたい。知らない芸術や音楽にふれてみたい。美味しいご飯、慣れない文化。そこでの出会い。まだ「旅」を語れるほどたくさんの土地に行っていない。たくさんの経験をしていない。まだ知らない「旅」の魅力を感じているからこそ、わたしは旅行コンプレックスをこじらせたのだろうし、こうやってチャレンジしてるのだろう。

そして何度でも自分のたましいの真ん中がここでしかないことを感じて、家に帰ってくるんだろうな。

もう寝なきゃ。明日から、家族で沖縄へ行ってきます。


うれちい