STORY1 クマ―ムの森 2023/1 公開

※ 追って挿絵が追加されます。

1.とっても遠い国の北の森の奥深く、クマ―ムたちが住んでいます。

2.クマ―ムは食いしん坊で食べ物に目がないクマによく似た森の妖精。食べる事、寝ることが仕事です。

3.うらやましいって?彼らは真剣に食べて寝ているのでお気楽に生きてるわけでも無いようです。ほーら、この真剣な顔!

4.クマ―ムは言葉をあまり話せません。でも一生懸命だから、なんとなく、相手と意思疎通はできちゃうんです。

5.ある日人間の家族がクマ―ムの森に引っ越してきました。お母さんとお父さんと男の子です。男の子は体が丈夫でなく、病気がちなので空気と水のきれいなこの森に体を直しに来ました。

6.お母さん見てよ!あそこにかわいいクマさんたちがいるよ!
どこにいるの?お母さんにはなにも見えないわ。

7.お父さん見てよ!あそこにクマさんたちが住んでいる家があるよ!
坊や、あそこはもう何十年も昔から空き家なんだよ。危ないから近づいちゃいけないよ。

8.男の子は納得がいきません。今すぐ向こうで木の実を水のように飲み込んでいるクマや立ったまま寝ているクマたちが見えるのですから。

9.男の子はお父さんお母さんが離れている時を見はからって、クマ―ム達に話しかけに行きました。こんにちは!クマさん!ぼく、この間この森に引っ越してきたんだ、これからよろしくね!

10.クマ―ムたちはびっくり仰天しました!だって人間たちには自分たちが見えないはずなんです。みんな一目散に逃げだしていきます。

11.どこへいくの?ほら、お近づきのしるしにママ特製のピザを持ってきたんだ。一緒に食べようよ?
ものかげに隠れているクマ―ム達、見たことのない食べ物に興味津々です。

12.一匹のクマ―ムがのこのこ近づいてきてピザに食らいつきました。パアアア!あまりのおいしさに顔が真っ赤になりました。その姿をみた他のクマ―ム達もダッシュでやってきてピザをほうばりはじめました。

13.クマ―ムの匹数以上の数があったピザのピースはあっという間になくなりました。食べている間は無我夢中だったクマ―ム達ですが、食べ終わったら我に返ってまた逃げていってしまいました。人間が怖いみたいです。

14.と、するとすこし小ぶりな黄色いクマ―ムが男の子のところにやってきて何かを訴えかけてきます。どうやらピザを食べそこなってしまったみたいです。悲しそうな顔をしています。

15.ごめんねクマさん、今日はもうピザがないんだ。でもまた今度君のためにとびきり美味しいピザを持ってくるので待っていてね!黄色のクマ―ムは大喜びです!

16.その後、男の子と黄色いクマ―ムは大の仲良しになりました。ママの料理は他にもおいしいものがたくさんあるんだけど、今のところは会うたびに2人でピザばっかり食べています。

おしまい


クマ―、クマ―クマ―!