エル プラネタ(2021年)
不思議な味のある作品だった。
アメリカとスペインの映画。舞台になっているのはスペインだと思う。
スペインは失業率が高いのだろうか。
社会に対する批判的な視点は、さほど強くはない。ただ、主人公の母娘は仕事がない。仕事を探している様子もない。自分たちのこだわりがあるようだ。生活が困窮していることは理解しているのだが、虚構を演じることをやめられない。
主演のアマリア・ウルマンはアーティストだそうだが、知らなかった。
ベティ・ブープみたいな顔をした女優だ。いや、女優じゃなくてアーティストなのか。
それはともかく、全編モノクロの本作は映像としてのセンスがいい。SNS映えするような華やかな絵柄がたくさん出てくるわけではなくて、わびしい日常が淡々と続くのだが。それを洗練された映像で表現している。このあたりは巧いと思った。
やっぱりセンスって大切だな。
人は自分で生み出した虚構の中で生きている。これは事実だと思う。今はSNSなどの影響もあり、人は華やかな虚構を演出しようとする。他者との比較が強まっているのだろう。そして、それはかならずしも幸福にはつながらないのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=Gc5Al9e1vBo&t=1s
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