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アート:石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

石岡瑛子は資生堂のデザイナーとしてキャリアをスタートさせた。アメリカにわたり、ハリウッド映画やオペラのコスチュームデザインなどを手掛けた。

ぼくは資生堂時代の石岡瑛子を知らない。「ドラキュラ」でアカデミー賞を取ったことは知っている。しかし、ひとりのコスチュームデザイナーであって、たとえばH.R.ギーガーなんかもそうだけど、「そういうすごい人がいるんだな」という感じだった。

石岡瑛子の展覧会にいったのは、直感だった。いろいろなアートにアンテナを張っていると、これはおもしろそうだというのがでてくる。

感想としては、資生堂時代の作品は、デザインはさすがに古いが熱量が高いと感じた。広告に思想を乗せられる時代だったのか、ということにも驚いた。今の広告には思想は感じない。

球体、裸体、エロティシズムというイメージが通底していると感じた。

会場内に石岡瑛子のインタビューが流れていた。「本質的に新しいなにかを掘り下げていく」というコメントをしていて、これはよく理解できた。大切なことだ。

全体を通じて感じたイメージとしては、素材、もしくはテーマの本質を見抜き、自分なりのアンサーを出し続けた人だと感じた。対象をまるごと飲み込み、一番エネルギーを出せる形に変形させて吐き出す、というイメージ。

上質なイマジネーションにマインドフルネスに向き合うことで、心が豊かになっていく。これからも美術に触れ続けていこう。

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