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奇想の絵師 歌川国芳 | うらわ美術館

国芳は結構見ていると思っていたが、知らない作品が大量にあった。
あまりにも時間がなく、じっくり観られなかったがすばらしかった。

水滸伝のような武者たちが大活躍するスペクタクル絵巻に題材をとった作品群は、いかにも国芳といった作風で、大満足。歌舞伎の見得のような、決めのポーズで怪物を退治する姿など、躍動感があっていい。
赤や黄色、青などをベタ塗りし、人物や妖怪変化を適度にデフォルメすることで漫画チックな雰囲気を出している。激しいアクションでありながら、どこかコミカルな印象を与えるのは、そういったポップな仕掛けによるものだろう。

ヘヴィ・メタルバンドのブラック・サバスであるとか、スターウォーズのダースベイダーなどをみていて思うのだが、うまいぐあいにポップとグロテスクの境界線にのっかることができると、それは売れるサブカルチャーになるのではないかと考えている。国芳もそのあたりのラインにうまくのっかっていると思う。あとは、若冲もそうだと思う。それよりもリアルだと佐藤まさあきやさいとう・たかをになってしまい、個人的にはリアルすぎると思う。それはそれで好きなんだけど。漫画でいうと、浅野いにおあたりが、そういうラインにのっかっていると思う。

最後は売れるサブカルのイメージみたいな話になってしまったが、今回は時間がなくて残念だったが、やはり国芳は良いと、再確認できた。

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