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「ハリー・ポッターと炎のゴブレット 」(2005年)

ハリーはホグワーツ魔法魔術学校の四年生になった。

三大魔法学校対抗試合をメインに、宿敵のヴォルデモート卿との戦いも描く。
今回、他の魔法学校も登場し、魔法の世界に奥行きが出てきた。
また、ヴォルデモート卿が実体化したこともあり、物語が展開しはじめた感がある。

本作でもハリーに対して「お前は孤独ではない」というメッセージが伝えられる。本作が出版された2000年には、作者のJ・K・ローリングは成功した児童文学者になっていた。状況の変化を考えると、人生がうまくいっていなかったころとは心境も違うだろう。ハリーと自分を重ね合わせていた時代は過ぎて、このころには読者に向けて、もしくは彼女とっては生身の人間のように(もしくは生身の魔法使いのように)感じられていたハリー自身に向けて語りかけていたのかもしれない。
いずれにせよ、本作から物語が展開しはじめるのは、作者自身が成功したことで、生活の心配をせずに執筆に専念できるようになったのは大きい要素だと思う。

プロットは複雑化してきたが、うまくまとめている。
ハリーのミッションはヴォルデモート卿を倒すということなのは明らかで、なおかつ、両親を殺された(孤独である)というトラウマから解放されることがテーマなのが見えてきた。

製作費217億円。
興行収入は1,290億円。
製作費は前作よりもアップ。興行収入もアップしている。
前作でややトーンダウンした感があったが、4作目で持ち直しているのは見事だ。

https://www.youtube.com/watch?v=6C5N9teQyTU

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