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ストレンジ・デイズ/1999年12月31日
予備知識なしに観た。
出演俳優はジュリエット・ルイスくらいしかわからなくて、主演の俳優もどこかで観た顔だなと思っていたら、レイフ・ファインズだった。
B級っぽいんだけど、シナリオがうまくて、めちゃくちゃおもしろい。だけど、B級っぽい印象が払しょくされなかった。なんでだろうって思っていたら、監督がキャスリン・ビグローで脚本がジェームズ・キャメロンだった。ターミネーターもおもしろいけどB級っぽいからなあ。そういう意味ではなるべくしてなったことなのかもしれない。
この映画は、大赤字だったらしい。それもなんとなくわかる。
映画としては、2000年を目前にした年末で、スクイッドという闇ディスクを販売しているレニーという男が、殺人事件に巻き込まれるというもの。このスクイッドというのが、VRそのまんま。1995年に作られた映画であることを考えると、なかなか先見の明があったのではないかと。当時もVRそのものはあったけれど、今ほど普及していなかった。本作で扱われているスクイッドというのは、頭に装置を装着してディスクを見ると、五感で映像を体験できるというもの。
レニーは元警察官だが、クビになって、今はスクイッドを売っている。元恋人のジュリエット・ルイスとの思い出をスクイッドに録画してあって、それを眺めては過去の思い出にひたっている。
この映画のおもしろいところは、ミッションがなかなか提示されなくて、レニーが別れたジュリエット・ルイスに未練たらたらであることばかり強調されるのだ。おそらく、物語のテーマとして、過去にいきるのはやめて、現実を生きるのだ、というものがあるからだろう。スクイッドというガジェットは虚構であるし、映画も虚構、さらにこの映画は近未来SFというジャンルになるから、そういう意味でも現実ではない。その中で、現実を生きろというメッセージをテーマにすえるのは、おもしろいと感じた。
やがて、レニーの知人が殺されて、その殺人現場が収録されたスクイッドが発見される。ここでようやくレニーのミッションが犯人捜しであることが、観客に明かされる。映画の中盤くらいでようやく物語がスタートするような感じだ。もちろん、そこまでが退屈ということではない。
映画の中では世界は荒廃していて、ターミネーターの未来に似た雰囲気だ。同じ人が作ったから、そりゃそうだろう。
物語が進むにつれて、どんどんおもしろさが加速していくところはさすがだ。盛り上げ方を知っている感じ。真犯人との戦いでも、いろいろなアイデアが盛り込んである。
見どころ満載の映画だけど、やっぱりスクイッドというガジェットを投入したところが、本作の巧さだと思う。今の時代に観ると、もう似たようなものが現実にあるじゃないのってことに気づく。過去の映画を観ると、そういう面白さがある。
宇宙旅行もそう遠くない未来の話になりつつあるし、マンモスをよみがえらせるプロジェクトの話も耳にする。絵空事のような映画に、現実がようやくおいついてくるのを観るのはそれはそれで楽しいものだ。
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