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エリザベス

「エリザベス」

これはよかった。

エリザベス1世の物語。

若くて純粋だったエリザベスが、イングランドの女王に即位し、やがてアイアン・メイデンになるまでを描く。

主演のケイト・ブランシェットがすばらしい。よわよわしい田舎のお姫様が、英国を統治していく中で、強靭な心を手にいれていく様を、見事に演じていた。

また、わきを固める俳優陣も演技達者。

カメラがへたくそだった。どうして、そういうショットになるのか理解できない場所が多い。テレビ映画みたいになりそうな危険を冒している。リドリー・スコットが撮れば傑作になっていただろう。

映画は総合芸術だ。すべてのバランスがハイクオリティならば、傑作になる。ただし、幸か不幸か、なにかがへたくそでも、それなりにいい映画になる可能性はある。ただ、それはそのときはいいが、やはりそれなりでしかない。デヴィッド・フィンチャーみたいに、すべてにおいて完璧な映画を作り続けたいのであればいつも完璧を目指さなければならない。あのフィンチャーですら、「ベンジャミンバトン」みたいな、よくわからない作品を撮ってしまうのだから。

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