GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
久しぶりに観返したら、ようやく理解できた。
webが、それこそ世界中に網を張り巡らした現在だから理解できた、というよりは小生の理解力が乏しいのだろう。
本作の敵は人形遣いと呼ばれるハッカーだったわけだが、実際には外務省が作成したプログラムだったということは、知らなかった。これは映画の中で説明していたのだが、わかっていなかった。人は自分が観たいものしか観ないし、聞かないということか。
おもしろいと思ったのは、「突如現れた人形遣いというハッカーを確保する」ためにはじまったとされる計画が、本当は自ら開発して、逃がしてしまった人形遣いを回収するためのプログラムだったというくだりが、(真偽のほどはともかくとして)武漢の研究所で開発されたウイルスが流出してしまったというコロナの話と同じだということ。人間っていつも同じようなことをしているのね、と。
映画としてはもちろんおもしろくて、当時はサイバーパンクっぽいビジュアルがかっこよくて好きだったが、改めて観ると、お話としてもよくできている。押井守のすごさでもあるんだろうけれど、やっぱりここは1991年にこんな漫画を描いていた士郎正宗を評価したい。原作の著者あとがきで、「表層を舐めただけのサイバーパンクもどきで猿真似っぽい一面もある」と語っているところから、一般受けするように、おもしろい要素を詰め込んで、わかりやすいものを描いたということだと思う。理解できなかったけど。
そういうことを考えると、士郎正宗の狙いはうまく作用して、世界的なヒットになったわけだ。頭のいい人は違うなあと思う。
ついでに書いておくと、キャラクターの絵は、本作よりも士郎正宗の原作のほうが好き。薄い本みたいなのを描いているだけあって、女性キャラクターに色気がある。
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