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アート関係を必死に理解しようとしてレビューするマガジン

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2023年10月の記事一覧

特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」

特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」

「やまと絵」の定義は時代によって変わるそうだ。

本展では、平安時代、鎌倉時代、室町時代を中心に、絵巻物や屏風を展示している。目玉になるのは4大絵巻(「源氏物語絵巻」、「信貴山縁起絵巻」、「伴大納言絵巻」、「鳥獣戯画」)。

自分が知らないだけなのかもしれないが、平安時代に描かれた「阿字義」という絵巻物には、カタカナでフリガナが振られていて驚いた。

また、鎌倉時代の絵巻には庶民の姿が描かれていた

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アーティゾン美術館「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」

アーティゾン美術館「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」

展覧会のタイトルにある「ジャム・セッション」とはなんだろうか、と考えていたのだが、おそらくは石橋財団のコレクションに対して、山口晃がアンサーを出すという行為をジャム・セッションと称しているのだと思う。
そして、それはアートに向かい合うとき、観客もアーティストに対して同じことをしているのだ。

「サンサンシオン」というのは、「感覚」を表すフランス語だそうだ。
ここで問われているのは、我々の感覚は、い

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「横浜狂言堂」231008

「横浜狂言堂」231008

「縄綯(なわない)」

ギャンブル好きの主人が、何某氏に負けた分の支払いをできずに、太郎冠者を差し出す。
太郎冠者本人はまさか自分が借金の支払いにあてられたとは知らずに何某氏のところに出向く。
そこで、自分が借金のカタにされていたと知らされる。
何某氏に仕事を命じられるが、太郎冠者は渋る。
借金のカタに手にいれた太郎冠者が働かないので、何某氏は主人にやっぱり金をくれという。主人は太郎冠者はちゃんと

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