当事者
今にして思えば
これは、
貴方にしか話せない類いの話だったのだ
バイオリズムで底まで下りて
剥がれた心の澱が
気づいたら口から滑り出た
まだ細いながらも
よく聞き分ける貴方は
ごちそうさま…
そっと静かに去る
とても簡単な問題が
誰にも話されることのない話が
貴方に漏らされた
お風呂に入って温まった貴方が
どことなく
気遣わしげに言う
おやすみなさい…
貴方の心を痛めたかしらと
思いながら
気がついた
誰にも話さなかった
ほんの小さな棘を貴方に打ち明けたと
昨日の晩に話したばかり
当事者にしかわからないことがあると
人生の伴走者はいつの間にか
現れて
そっとそばに