におい

あの頃好きだった長い髪もいつも付けていたマスクも
いつの間にか消えていた
君は普通に成り下がった。もっと近い距離と心で居たかったのにね
匂いがして脳は君をまだ覚えていた。
私は真実を知ってしまった
きみのにおいは真実と血の匂い、お香の匂いがして天にも登ってゆける匂い
好きだった、私と近い距離で分かちあっていた頃、本当に愛していた
愛とか恋とかそんなぬるくて生のような所なんかじゃない場所にいた
ねぇ、本当はやり直せる気がするんだよ
何回でもやり直せる気がするんだよ
他に君を愛している誰々が居たとして私はそれを拒んで突き放しちゃうことが出来るんだよ
目が悪くてピントが合わない君の顔をもっと鮮明に見たかった
裏でも表でも全部私に見せる顔なら表面だけなのかもしれないけど間違いなく君のことを24時間刻みつけていた
心に空いた穴に埋まるのは君の思想、哲学、言葉全て
もう一度私のために全部を話してお願い

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