『現代短歌新聞』2023年12月号
①長谷川麟「現代短歌社賞を受賞して」
〈歌集を出す意味については、まだまだ考え中ですが、自分が短歌に取り組んでいる意味については、結局のところ、人格の育成という事になるのではないかと思います。〉
読んでいる者が襟を正したくなるような文章だった。
②齋藤芳生「後藤由紀恵歌集『遠く呼ぶ声』評」
〈たくさんの別れや喪失を経た作者の祈りが時空をはるかに越えたのが「春の呪文」である。三千年前のエジプトで埋葬されたという歌姫と、現代の日本で働く自らの「息と声」を重ね合わせたスケールの大きな一連だ。〉
同感。この歌集を決定づけている一連だと思った。同歌集は全体的に主体の日常生活を淡々と詠っているように見えるが、この一連はその底にあるマグマのようなものを描いていると思った。この一連があるのとないのとで、この歌集は大きく違うと思う。
③小塩卓哉「短歌文法道場」
このあたり植付をせぬ小田おほしゆふべの雨もあまたふらざり 古泉千樫〈千樫の歌は、「ざり」で終止しています。本来ならば「ふらず」となるところを連用形で止めています。これは助動詞による連用中止法で、余情を出すための技法〉
これは現代語でも同じで、連用形で止めることで余情が出る、ような感じがある。自分的には連発しがちなので、注意しているところだ。
④「催し案内」「『キマイラ文語』を読む会」
〈2024年2月24日(土)午後1時から5時まで、TKP神田ビジネスセンターにて開催。昨年9月に刊行された『キマイラ文語』を採り上げ、第一部は嶋稟太郎、桑原憂太郎両氏のレポートと著者の川本千栄を交えた鼎談、司会は睦月都氏、第二部は会場発言。終了後は懇親会を予定。〉
取り上げていただきました。ありがとうございます!申し込みは1月中となっております。ご検討中の方はお申込みよろしくお願いします。
2024.1.4. Twitterより編集再掲