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家づくりする方に伝えたい!よく検討してほしい造作家具
前回は造り付け収納のお話で
・大きな空間には造り付け収納がない方が良かった
・小さな空間には造り付け収納があった方が良かった
という内容でしたが、
今回はテーブルやカウンターなどの「造り付け家具」について考えてみたお話です。
前回の記事はこちら↓
家の雰囲気に合わせた造り付けの家具に憧れる方も多いと思います。
建築業界で長年仕事をしてきて、これは良く考えてから造った方がいいなと思う家具についてお伝えしていきたいと思います。
家づくりと一緒に家具をどうしようかなと考えられている方はぜひご覧ください。
1)よく検討してほしい家具
それは…
・キッチンと一体になったダイニングテーブル
・壁に固定されたダイニングベンチ
・壁に固定された無垢材のTVボード
・スタディーカウンター
そうです。
よく検討してほしい家具は全て、
建物と一体でつくる造り付けの家具です。
●キッチンと一体になったダイニングテーブル
キッチンと並列にする形でダイニングテーブルは毎日使うものなので、他の家具に比べ傷がつく可能性が高いものです。
特に無垢材のテーブルの場合は樹種によって柔らかいものもあり、鉛筆やペンの痕がついてしまう可能性があります。
小さなへこみであればスチームアイロンで修復も可能ですが、何度もそんなことがあると面倒ですね。
また、家族の人数が変わった時に大きすぎたり小さすぎたり、不便が生じることが考えられます。
●壁に固定されたダイニングベンチ
ベンチを壁付けで固定して造作することもありますが、こちらも注意が必要です。
お子さんの背の高さによって使いやすさ(食べやすさ)が変わったり、ダイニングテーブルを無くしたいと思った時にベンチだけが残ってしまったり、ということが考えられます。
●壁に固定された無垢材のTVボード
TVボードはローボードで造ることも多いのですが、この低さが実は子供がつかまり立ちしたり、遊んだりするのに調度良い高さです。
何度もつかまるうちに汚れたり、ミニカーを走らせて傷つけてしまったり、お絵かきをしてしまったり。
タイニングテーブルと同様に無垢材の場合は傷つきやすく、要注意です。
また、TVの場所を変えたいと思っても変えられず、固定しなければよかったという声を聞くことがあります。今はTVを見ないという家庭も増えていたり、プロジェクターで映しているという方もいらっしゃいます。
TVを見る場所が変わる可能性も考えていただけると良いと思います。
●スタディーカウンター
リビングやキッチン脇に設けたり、子ども部屋に勉強机として固定カウンターをつけたいと思っている方は、奥行きと幅をよく検討する必要があります。
例えば、キッチンの食器棚の脇に家事コーナー用のカウンターを設けた場合など、何も考えずに食器棚と同じ奥行きで造ってしまうとPCのキーボードが置きづらい、PCとの距離が取れずに目が疲れる、ノートを広げたいけど狭い、といった使いにくさに住んでから気づくということがあります。
どんなことをその場所でしたいか、よく考えてサイズを決めてください。
2)まとめ
●固定家具をおススメできないのはこんな方
造り付けた方が建物との一体感が出て、すっきりとした空間にできる良さはありますが、いずれ買い替えたい、移動したいと思いそうという方にはおススメできません。
そういう方は固定するのではなく、既製品の家具のように移動できるタイプの造作家具にしておくのがおススメです。そうすれば、建物との一体感はありつつも、将来動かせずに困るということもありません。
家族の変化にも柔軟に対応でき、移動も買い替えも簡単です。
●固定家具をおススメできるのはこんな方
また、素材(樹種)や塗装によっても痛み方や経年変化も変わりますが、固定家具にする場合は、傷も含めて味と思える方、この家具と一緒に自分も年を重ねたいと思える方におススメします。
無垢の木であれば、徐々に色が変わり、時間が経つほどに味わいが増していきます。どんどん家になじんで、暮らしを豊かにしてくれるなくてはならない存在になるかもしれません。
造作家具はなかなか買い替えることのない、大きな買い物です。
住んだ後に後悔することのないように、よく検討してみてください。
皆さんのマイホームづくりが楽しいものになることを願っています。
お読みいただき、ありがとうございました!
↓前回の記事もぜひ参考に☆