見出し画像

【アドベンチャーツーリズム】地方にこそ可能性がある新しい観光のカタチ

こんにちは!

画像1

今回は智頭研究所メンバーの原田が去年参加した、沖縄県で実施された「アドベンチャーツーリズムにおけるコーディネーター人材育成・環境整備事業」の参加レポートをお届けします。

この研修は、2020年9月から2021年2月までの約半年間に及び、講師を招いての講座から、フィールド研修など、多岐に渡るとても充実した内容でした。最後には成果発表として、自分たちのチームが考えた旅行プランを発表しました。

他の参加者の方は、沖縄の大手旅行代理店から、ツアーガイド、全国通訳案内士、宿泊業者など、観光に携わる様々な事業者さんたち。沖縄の観光のプロフェッショナルの方々が集っているイメージです。

前置きはさておき、ここでは「この研修に参加して学んだアドベンチャーツーリズムとは何か?(WHAT)」について話していきます。


◯アドベンチャーツーリズムとは?

アドベンチャーツーリズムを一言でいうと、「地方にこそ可能性がある新しい観光のカタチ」です。

これが半年間の研修を通して感じたことです。自然豊かで、人口減少が進んでいる地域にこそ、アドベンチャーツーリズムの考え方がマッチしていると思いました。

なぜなら、アドベンチャーツーリズムにおいては、地域住民との交流や、環境に配慮したツアー設計が重視されるからです。都市にはない、地方がもつ「人と人のつながり」「豊かな自然環境」が最大限に発揮される可能性を秘めているのがアドベンチャーツーリズムという考え方です。

一応、日本アドベンチャーツーリズム協議会が出している定義によると以下のとおりです。

アドベンチャーツーリズム(以下、AT)とは「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」をいいます(Adventure Travel Trade Associationによる定義)。

ATとは旅行者が地域独自の自然や地域のありのまま文化を、地域の方々とともに体験し、旅行者自身の自己変革・成長の実現を目的とする旅行形態です。“アドベンチャー”という言葉から、強度の高いアクティビティを主目的とすると連想されがちですが、アクティビティは地域をより良く知り、地域の方々との深く接する手段の一つであり、近年はハードなものより、むしろ散策や文化体験等のソフトで簡易なものが主流となってきています。

画像2

▲アドベンチャーツーリズムの3要素(引用:JTB総合研究所)

上の図のように、アクティビティ、自然、文化体験の3要素が混ざり合っているのが、一般的にいうアドベンチャーツーリズムの定義のようです。

他にも、アドベンチャーツアーの特徴としては、ターゲット層の違いがありあす。普通のツアーとは違って、アドベンチャーツアーでは欧米の中高所得者層を、明確にターゲットにしています。

なぜなら、アドベンチャーツーリズムの考え方自体が、想像にもつく通り、もともと西欧で生まれた考え方であり、先進諸国のIT企業に務める人たちが旅行を「マインドフルネス」や「自己変革」の一環として捉えて生まれた考え方だからです。

上記を整理すると、アドベンチャーツーリズムは


・「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」
・ターゲットは欧米の中高所得者層
・「マインドフルネス」や「自己変革」の一環として生まれた旅行のカタチ
・日本の地方にこそ勝機がある新しい観光のカタチ

となります。


◯アドベンチャーツーリズム推進に必要な3つのコア要素

アドベンチャーツーリズムの大まかな考え方は理解できましたでしょうか?次に、具体的にアドベンチャーツーリズムを日本の地方で推進するにあたって重要だと思った「3つのコア要素」についてお話します。

1:参加者がワクワクするような「ストーリー性」
2:地域住民との交流を通じてのディープな体験&地域住民の理解
3:環境への配慮を考えたツアー設計

●参加者がワクワクするような「ストーリー性」

1つ目が、ツアーに参加する人がワクワクするようなツアー設計に置ける「ストーリー性」です。

まるで映画ハリーポッターのように、起承転結のストーリーがアドベンチャーツーリズムには求められています。「モノ消費」ではなく、「コト消費」の流れが観光にも来ています。

旅に行く前に参加者がどれだけ楽しみにし、旅に実際に行った時に期待を超えて予想を裏切り、最後に如何に満足感を保ったまま旅を終えるか。まさに、一つの短編小説を読んでいる時のような感情の起伏を設計できるかがポイントです。


●地域住民との交流を通じてのディープな体験&地域住民の理解

2つ目が、参加者と地域住民のインタラクティブな交流と、それを行うための地域住民の理解です。

アドベンチャーツーリズムの要素の一つである文化体験において、外国人にとっては地域住民との交流自体がまさに文化体験です。地域住民との関わりを如何にツアーに自然に組み込むかはとても大事なポイントです。

ツアー設計者の意図が感じられる交流の場は、参加者・地域の方どちらにとっても白けてしまうので、魅せ方が大事になってくるのかなと思います。(学生時代によくある学校が企画した異文化交流イベントのように、自然と会話ができず、気まずい雰囲気にならないように)

その交流をするために地域住民の理解を得るために、常日頃から地域の事業者や住民と積極的にコミュニケーションをとり、関係性を構築しておくことも大切です。


●環境への配慮を考えたツアー設計

最後3つ目が、自然環境への影響をできる限り抑えたローインパクトなツアー設計です。これは、SDGsの考え方にも通じます。

昨今、コロナ以前はある人気観光地への観光客の集中的な増加(オーバーツーリズム)から生じる環境や生態系の破壊が問題になっていました。

観光客がどんなに増えたとしても、一度の観光で環境が破壊されてしまい、一つの消費地になってしまっては持続性がありません。観光地においても、持続可能性をいかに高められるかが求められています。

アドベンチャーツーリズムにおいては、観光にできるだけ負担をかけないアクティビティが重視され、地域の自然環境を如何に継続的に守りながらツアーをしていくかという視点が大切です。


◯最後に...

ここまで、アドベンチャーツーリズム研修を感じて学んだことを、つらつらと書いてきました。このnoteを読んで、アドベンチャーツーリズムの考え方を少しでも理解していただけましたら嬉しいです。


参考:
日本アドベンチャーツーリズム協議会


【株式会社クレコ・ラボ 智頭研究所とは】
東京港区にあるWEB・動画制作事業を主とする株式会社クレコ・ラボのサテライトオフィス兼、木工製品の製造拠点です。

デジタルコンテンツ制作の他に、日本木材を活用した木工製品の企画・開発・製造を行っています。

「木のストロー」「木のマスクケース」「木の紙」といった日常で使う木製品を通じて、「森と人を繋ぐお手伝い」をしています。

<お問い合わせ>
🏠鳥取県八頭郡智頭町郷原238 旧山形小学校2階
📧creco.chizu@gmail.com
☎070-4481-9982



智頭研究所のメデイア掲載実績

https://note.com/chizu_creco/n/n13160ae7f017

▼智頭研究所のSNS(フォローしてくれると嬉しいです!)

クレコ・ラボ智頭研究所のフェイスブック

クレコ・ラボ智頭研究所のインスタグラム

クレコ・ラボ智頭研究所のツイッター

▼「木のストロー」「木のマスクケース」等の購入は木の紙ショップ

https://www.kinomeishi.com/

▼木の紙ショップもnoteを運営しています!

https://note.com/crecolab

▼動画で学ぶ「SDGsと森と木のストロー

https://www.youtube.com/watch?v=8Ig4TAxoybw

▼「木のストロー」で森林と人を繋いでいく

https://www.youtube.com/watch?v=qSjDpw1SVGU&t=238s



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?