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製薬企業での仕事について
私の製薬企業でしていた仕事としては
「製剤研究」
です。
製剤って何?
ほとんどの人は「製剤研究ってなんぞ?」って感じだと思います。
物知りウキペディアさんによると、
製剤(せいざい、英: formulation)とは、医薬品や農薬などの有効成分にさまざまな化学物質を加えて、使用するのに適当な形に製したもの、またはその工程をいう。製剤は、使用方法、有効成分の吸収や安定性などを考慮してデザインされる。製剤という言葉は、しばしば剤形(英: dosage form)を含む意味で使われる。医薬品の場合は医薬製剤(英: pharmaceutical formulation)とも呼ばれる。
思っているより、しっかり説明されている・・・
私が説明するよりわかりやすいかも・・・
私がよく説明するときに使うのは、
「医薬品のレシピを考える仕事」
という表現です。
料理で考える
例えば、レシピということで料理で考えてみましょう。
何にしようかな、パスタにしようw
パスタ料理のメイン食材は「スパゲティ」ですね。
うちの子供達も、ちゅるちゅるーといって大好きです。
パスタ料理のとき、まずスパゲティを茹でます。
そして茹でたスパゲティをそのまま食べます!!!
そう考える人なかなかいないですよね。
カルボナーラを作るとすると・・・
材料 (2人分)
スパゲティ 180g
ベーコン 2枚
卵液
卵(室温にもどしたもの) 2個
生クリーム 大さじ4
粉チーズ 大さじ3~4
塩 少々
粗びき黒こしょう 少々
にんにく 1かけ
オリーブオイル(またはサラダ油) 大さじ1
塩
粗びき黒こしょう
スパゲティを茹でた後に、ここの材料を用いて、いろんな調理工程を経て、作られます。
↑
雑w
これはスパゲティというメイン食材をより美味しく食べるために、調理するのです。
ではお薬ではどうか?
お薬でも同じように考えます。
料理でいう、メイン食材(スパゲティ)
お薬でいう、有効成分
と置き換えます。
お薬の有効成分というのは、有名なところでいうと、イブに入っているイブプロフェンとかですね。
この有効成分、もともと錠剤という飲みやすい形はしていないのです!!!
↑
みんな知ってるよね?
最初の状態はすごいモサモサした粉とかだと思います。
(イブプロフェンは扱ったことがないので確実ではないですが)
皆さん、モサモサの粉を決まった量計って、スプーンで飲むとかできますか?
嫌ですよねw
わざわざスプーンで測るとか手間過ぎるし、いっぱい飲んでしまうリスクあるし、モサモサの粉なんて飲みたくない・・・
そこで出てくるのが「製剤技術」というものです。
そのモサモサの粉を皆さんがよく知る錠剤などの適切な剤型に作り上げていく、そのために
どのようなものを混ぜて、どのような工程で作るか、
ここを考えていくのが製剤研究になります。
よく知る錠剤の形にできれば、水で簡単に飲める、2錠飲めば規定量の服用ができるなど、メリットたくさんです。
別に混ぜるものなんて適当でいいんじゃないの〜?と思う人もいるかもしれません。
では考えてください、適当な粉を混ぜて、
・有効成分の働きを阻害したら?
・有効成分が1錠に規定量入らなかったら?
・大量生産できないような工程だったら?
・飲み込んだはいいけど、胃の中で溶けないものだったら?
等々
まぁ、おっしゃる通り、ある程度決まったレシピは存在するかもしれませんが、有効成分によって色々変えていく必要があります。
スパゲティをうどんにしたら、美味しく食べるための適切なレシピは変わりますよね、そんな感じです。
実際の仕事は?
製剤について、なんとなーく知ってもらったんですが、じゃあ実際あなたは何していたの?ってことです。
私は主に製造→分析の実験業務をやっていました。
私は経口固形製剤(主に錠剤です、口で飲む固形の薬ですね)を担当しており、その薬を実際に作って、各種物性の分析と化学分析をやっていました。
どんな工程で薬を作っていたかは、また書こうかなと思います。
ここで言いたいことは、まぁ実際にレシピを考えることや分析結果の解析すること等もしてたけど、若手の時は現場を知るではないですが、ガリガリ手を動かしていましたということですね。
おかげさまで、医薬品の製剤研究を通して、医薬品の製造→分析といった、どちらかというと下流のこと(臨床試験とかを上流と考えると)も知ることができたかなぁと思います。
こんなところにしておきます。
あでゅー