技術士一次試験を受験してきた話 ①技術士とは。

この話は

技術士一次試験を受験した話。①は技術士とその試験について。


スペック

私のスペックは次のとおり。これ久し振りに書いた。
・私大卒(工学部・電気系)※JABEE認定されていない学科。
・難易度の高めな資格の受験経験は第3種電気主任技術者・甲種危険物取扱者、行政書士情報処理安全確保支援士といったところ。。
・入社から現在にいたるまで、ほぼ同じ仕事(化学工場の設備設計(電気)・システム)。
・2018年に長男、2022年に次男誕生。

技術士(一次試験)、受けとくか。

情報処理安全確保支援士に合格したことで、技術士一次試験の専門科目を免除してもらえることになりました。
ということでいっちょさくっと技術士一次試験を受験して、社内の資格手当奨励金を手軽にゲットするぜ!

……そんな、世間をナメた気持ちでチャレンジしてはいけない、という話です。

技術士とは

技術士ってなんなん?

技術士とは、科学技術に関する高度な知識や応用能力を有する技術者であることを、国が認めたという資格です。じゃあ、何をする人なの? というはなしですが、よく聞くのはコンサルタント業務です。
科学技術が発展してきた現代、分野は幅広く、奥は深い。だれもが皆、高度な科学技術について分かるわけではない。根っからの文系で科学技術全般よくわからんという人もおおいでしょうし、技術者を名乗っていても自身の専門分野以外は全くわからん、という人もいるでしょう。科学技術の専門分野を持っていても、それほど深く理解していない人もいます。
そして、そういう方々であっても何かの問題を科学技術で解決したいという希望はあるのです。
難しいはなしではなく、「遠くのばあちゃんに今日の運動会で一位をとった孫の映像を見せてやりたい」とか「何度工事しても水が溢れてくるこの堤防をどうにか改善して、市民の生命や財産を守りたい」とか「うまい肉質の牛を育てるのに適した混合飼料を安価につくりたい」とか。
そういった希望に対して、高度な専門知識と応用能力で提案をする、というのが技術士の役割のようです。
科学技術にはいろんな分野があるので、技術士は専門とする技術部門を掲げて登録します。

どうやってなるの?

技術士になるには、技術士二次試験の合格が必要です。この二次試験の受験資格は大きくわけて2つあります。

  1. 修習技術者であること。
    修習技術者は技術士になるために修行中のエンジニアです。科学技術の高度な知識や応用能力のベースとなる、基本的な科学技術の知識を有するエンジニアであることを証明する必要があります。その方法は2通りで、
    ① JABEEと呼ばれる認定を受けた教育課程を受ける(JABEEの認定プログラム修了者)
    ② 技術士一次試験に合格する
    のどちらかが必要となります。

  2. 規定の実務経歴を詰むこと
    実務経歴も必要です。大きくわけて3通りで、
    ① 修習技術者が指導技術士を定めて技術士補として登録し、その後4年を超える実務経歴を積む
    ② 修習技術者が職務上の監督者(特別な条件あり)の監督下で4年を超える実務経験を積む
    ③ とにかく7年を超える実務経験を積んでいく。修習技術者になる(=一次試験受験前やJABEE認定プログラムを修了する)前の実務経験も積算できる。
    いずれも理系大学院の出身(修士・博士)は2年分までの実務経験を短縮できます。

で。一次試験を受けることにした

私の勤務先では技術士一次試験に合格すると資格手当奨励金をくれるのです。
一次試験は基本的な科学技術の知識があるかを問う「基礎科目」、技術士として信頼に足る資質をもっているかを問う「適性科目」、専門分野への知識を問う「専門科目」の3つで構成されます。

技術部門は何にするか

技術部門、すなわち自分が何の技術に長けていると掲げるのか、です。
21種類の技術部門がありますが、二次試験では、実務経歴の内容を問われるため、分野の選定が必要です。
(上下水道の実務経験を積んできて、「私の専門は畜産です!」とはならんよね、という話)
しかし、一次試験においてはどの分野を受けても問題ありません。なにせ修行中の身、基本的な科学技術の知識を有するエンジニアであることを証明できればいいのですから。一次試験を上下水道部門で突破し、たまたま就職した先で流体力学のシミュレーションプログラム開発を主導した結果、二次部門は情報工学部門を受けるというルートもありなのです。

一次試験を情報工学部門で受験するとき使える切札

一部の部門では、一次試験のうち専門科目を免除してもらえる仕組みがあります。
中小企業診断士合格3年以内の者や中小企業診断士の登録者が経営工学部門を受験する場合と、IPAの高度試験や情報処理安全確保支援士試験に合格したものが情報工学部門を受験する場合です。
過去問を眺めた正直な実感ですが、技術士情報工学部門の一次試験専門科目はIPAの高度試験合格者なら多少時間を割くだけで突破できるレベルです。
しかし、朝一から受験しなければならないところが午後一からの受験になるので、専門科目を免除してもらえるとすこし楽になります。
よって、情報工学部門を選択し、科目免除を得ました。

次回は

どうやって勉強したかという話です。


いいなと思ったら応援しよう!