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望遠レンズで実家の犬を撮る!

2本目のレンズとして購入したRF100-400mm F5.6-8 IS USM

RF100-400mm F5.6-8 IS USMを装着したR5

F値が高い(暗い)レンズのため晴天の屋外での使用を前提に購入したので、休みを利用して実家の犬を撮影した(2024年5月頃)。

シャッターを切りまくった1日

私が実家に帰るタイミングで、兄弟の家族も実家に遊びにきたので甥や姪と一緒に外で犬と遊びながらシャッターを切りまくった。

1日で4300枚も撮影してしまった。朝の犬の散歩から、子どもが来て犬と遊んで、ご飯を食べて、また遊んで、と多忙な1日でずっとシャッターを切っていた。天気にも恵まれて晴天の中、撮影をすることができた。真夏ならば昼間は暑くて、犬も子どもも大人も生命の危機を感じるが5月だったので、気持ちいいくらいの天気だった。

R5を購入して一番シャッターを切った日になったので、そこでの気づきをまとめた。

親戚の子どもの写真は載せられないので、犬の写真ばかりでですがご容赦を。

ネガティブ面

電子シャッターだとローリングシャッター現象が発生する

R5の連写性能は、メカシャッターで12コマ/秒で、電子シャッターで20コマ/秒なのでフリスビーを追いかける犬はより高速な電子シャッターで撮影したみた。流し撮りで撮影して犬は綺麗に撮影できたが、背景が横にずれるローリングシャッター現象が発生してしまった。メカシャッターと違い機構の摩耗・損耗もないようなので積極的に使用していこうと思っていたが、状況によりけりだなと思った。

R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
1/2000秒 F8 ISO1250 259mm
電子シャッターで背景が歪んでいる

また後で知ったのだが、電子シャッターや高速連射時には諧調表現が低下するらしい。メカシャッターでは14bit, メカシャッター高速連射では13bit, 電子シャッターでは12bitと諧調表現が低下するらしい。私程度では「この写真は何bitでしょうか?」とクイズを出されても当てられる自信がないが、諧調表現が落ちていることを頭で理解しておこうと思う。

最新のCanon R1やR5 MarkⅡでは諧調表現の低下などもなく電子シャッターでの撮影が基本となり、高周波フリッカーなどの対策でメカシャッターが搭載されているらしい。R1は40コマ/秒の高速連写とEOS-1D X Mark Ⅲのメカシャッターと同等レベルにローリングシャッター歪みを低減しているらしいので、電子シャッターを常用しても問題がないのだと思う。R5だと基本的にメカシャッターで、高速連写もかなり必要な場面以外は使用しない方が諧調表現が豊かになるということらしい。

そんなことを知ってしまうと、最新機種が欲しくなってしまう・・・。

システム全体が重いからローアングルが怖い

写真初心者の私でも、少しでもかっこいい写真を撮るための知識としてローアングルから撮ることを意識している。特に犬などを立ったまま撮影してしまうと、上から撮ることになり背景が地面ばかりで躍動感もあまりでない。だから、なるべくローアングルから撮影することを意識している。しかし、R5とRF100-400mmの組み合わせは重くローアングルで撮影するのが大変だった。脇を締めてしっかり体勢を決められればいいが、もっとローアングルで撮りたいと思った場合はカメラを下に持つ必要もあり、そうなるとカメラがあまり安定しなかった。うつ伏せになって取れば良いのかもしれないが、下が砂利だと勇気がいる。

それにフリスビーで遊んでいる犬や、走り回っている子どもは平然と突っ込んでくる。地面スレスレに持って近づいていくる犬を撮るなどの撮影は怖くてあまりできなかった。犬も元気いっぱいなのでツッコンできるし、カメラを守る必要がある。気軽に振り回せるということも、環境次第では必要なのだと痛感した。OM SYSTEMのOM-1 MarkⅡなどはマイクロフォーサーズでシステムもコンパクトで堅牢性を売りにしているので、自然界の撮影ではその辺が重宝されるのかなと思った。

R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
1/2000 F6.3 ISO320 100mm
突っ込んでくる犬

一脚の使用や撮影姿勢などもっと勉強したりすれば、この問題は解決するのかもしれない。

データが重い

R5はCanonのミラーレスカメラの中で最も画素数の高い機種(4710万画素)*1でRAWデータで1枚50MB近くになってしまう。そのため、撮影後にLightroom Classcに取り込む時に何度も止まったりエラーが出てしまうことがある。取り込み完了に数時間かかった。読み込みだけではなく最初のプレビューの作成にかなりの時間がかかってしまった。

私は写真のデータ保存用に自宅ネットワークでNASを使用しているが、その処理速度に問題があったらしい。そのため、写真の編集用の外付けSSDと長期保存用のNASと役割を分けて使用することで、データの取り込み・編集と長期保存用のNASを分けたことで処理速度を上げることができた。しかし、外付けSSDは1TBで1万円前後(Amazonセール時)するし、それなりに処理速度の高いPCを購入するとお金がかかる。またデータ量が多いので、連写などで撮影枚数が増えるとデータ量がかなりの速度で増大するので、NASもすぐにいっぱいになってしまいそうだ。

*1:一眼レフ機のEOS 5Ds Rが5300万画素で高いが、現行モデルのミラーレス機ではR5が最高画素。

若干の熱暴走

炎天下で連写を多用した際は、カメラが熱を持っており連写速度が低下することがあった。メモリカードはCFexpress Type Bを使用しているが、連写時にはメモリカードからの発熱もかなりあるようだし、太陽光で熱せられ継続使用での熱も加わって若干の熱暴走をしたものと考えられる。炎天下での使用時の対策は考えておく必要があるかもしれない。

スポーツ撮影などの現場でカバーをつけているのは雨などの水対策だけではなく、太陽光を遮断する効果もあるのかなと考えたりする。

バッテリー持ちが悪い

今回は、継続的に1日中使用していた。途中でバッテリー交換を3回した。バッテリーを4つ持っていたので余裕があったし、バッテリーをローテーションする中で充電をすることもできたので大丈夫だったが、充電できる環境ではない場合1日フルで使用(4000枚程度撮影)することを考えると、バッテリーは予備の意味も込めて4つ欲しいところ。動画撮影やコンテニュアスAF(常時どこかにピントを合わせる)をしているとバッテリーの減りはもっと早いと思う。

ここまでずっと撮影する方が少しレアなのかもしれないですが。

ポジティブ

連写性能と描写力の高さ

CFExpressカードでそれなりの性能のものを使っていることもあるかもしれないが、電子シャッターでフリスビーを追いかける犬を連射で追っても、連射速度が遅くなることはなかった(熱暴走は除く)。そして、撮れた写真を見ても犬が走る際の砂埃や唾液などまで写っていて、やはりその描写力の高さはさすがだと思った。晴天下での撮影だったこともあり、光量が十分だったのか暗所耐性の低さも気になることなく撮影できた。

快晴の屋外であれば、RF100-400mmでも暗いとは感じなかった。ただ背景のボケ量とかは別だと思うが、これ以上を経験したこともないので現状不満はない。

R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
1/2000 F7.1 ISO1600 141mm
お気に入りの写真

切り取り耐性の高さ

画素数が高くデータ量が多いことをネガティブな要素として挙げたが、それは裏を返せば切り取り耐性の高さということでもある。屋外での撮影時は400mmでも十分に寄れない状況もあり、また子どもや犬などはズームしすぎると想定外の動きでフレームアウトしてしまうことがある。そのため、少し余裕を持った画角で撮影した。その後に、切り取ってより良い構図に変更することを今回は多様し、その時の切り取り耐性の高さはやはり高画素機ならではなのだと思った。

AF性能も高かった

R5は人物モードか動物モードかなど4種類くらいしかAFのモードがなく、Nikonなどに比べると少ないが特に不満はなかった。彼女の使用しているα6700がこちらに向かってくる犬のAFが途中で外れてしまうのに対して、R5はこちらに走ってくる犬のピントを1度も外さなかった。それにRF100-400mmがUSMということもあり、50mmのSTMに比べるとAFは早いし静かだった。ただ黒い犬のピントは迷うことも多々あった。黒い犬は目がどこにあるかわかりづらいが、ここはソフトウェアのアップデートだ対応してもらいたいところだ。

R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
1/2000 F9 ISO2500 400mm
たまにAFが合わない黒い犬

スマホでは撮れない写真が撮れる!

カメラの性能とかはいろいろ書いたが、R5を買って良かったと思った。望遠レンズをつけたことで、スマホでは撮れない写真がたくさん撮れた。子どもたちの写真もポーズを決めたような写真ではなく、自然な表情や躍動感あるの写真が撮れて親や祖父母にも喜んでもらえた。

他の人が見れば拙い写真だと思うが、自分が楽しく撮れて関係者が喜んでくれたらそれが一番だと思う。

R5 + RF100-400mm F5.6-8 IS USM
1/4000 F7.1 ISO2500 123mm

今後に向けて

カメラの設定をもっと理解する

夜間や早朝の撮影では、黒潰れや白飛びに注意する必要があった。画を見ただけでは黒潰れや白飛びが発生しているのかが判断できない。そのために、ヒストグラムを確認したりしながら後の編集のことも想定した撮影が必要になる。どのように撮影すれば、どのような編集で、最終的にどのような画を作れるのか、それを理解・想定した撮影をしたい。そして、それを実現できるカメラの設定をすぐさますることが求められる。特に朝日が昇る時間帯は刻一刻と空の色が変わり日が昇る。最適な設定をすぐにして、限られた時間でより多くの撮影をすることが求められる。

今回はオートモードかシャッター速度優先モードで撮影した。マニュアル設定をできるほどの力はないので、基本的にはカメラ任せで撮っていた。現代カメラは高性能だがそれをユーザーである自分が使いこなせていないので、ここは大きな課題だと思っている。

カメラ本体も欲しくなるな

同じ環境下で撮影していても、色の出方がR5とα6700では異なった。茶色の犬を撮っても、黒系の茶色か赤茶色かなどの色合いが異なっていたので、カメラ本体のメーカーでの差も今後気になるところ。そして、連射性能やAF性能も用途次第では重要視しないとと思った。

街中でのストリートスナップ撮影では、望遠撮影や高性能なAF, 連射性能は必要ない。そして動くものを連写したりしなければ、撮影枚数が極端に多くなることもないだろうから、画素数が高くて写りがシャープなものを選べば良いと思う。そして、持ち運びが億劫にならないように軽量コンパクトであることが望ましい。焦点距離は20~50mmくらいあればよく、画素数が高ければテレコンや切り取りで対応できる。圧縮効果は諦める。テーブルに置かれた料理などの撮影も考えられるのでハーフマクロや最短撮影距離が15cm以下などが望ましいと思う。そう考えると、富士フイルム X100VIなどの高性能コンデジに人気があることが理解できる。

本腰を入れた撮影では、機器の重さは気にしなくていい。連写性能(早さと継続力)とAF性能(認識と追跡)が大切になる。それこそCanon R3 や Nikon Z9 のような縦グリップ一体型の機種でも良いと思っている。

お金の制限を考えずに構成を作れるなら、Canon R5 と Fujifilm X100VI(Leica Q3)のペアで運用したいと思うくらいだ。

最後に

犬を撮影したいと思って買ったRF100-400mmは満足できる結果だった。だたもっと寄って撮影したいと思う場面もあったのでRF200-800mmとかも興味が湧いてしまう。沼にハマり始めているが、撮りたいものが明確になっていると買うべきものがはっきりして良いと思った。

カメラの趣味を始めるなら、自分が撮りたいものを明確にすると良いかもしれない。

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