成人式に着ることのできなかった振袖への憧れ
そういえば私は振袖を着たことがあったかな?
結婚式の時の前撮りで着物着て写真撮ったことはあったけど、あの花嫁衣裳は振袖の仲間?
どっちにしても、着物姿は写真だけで、結婚式の時にはドレスしか着ていないです。
私は成人式には出席したけど、振袖は着てないです。
というか、着れなかったのです。経済的な理由から。
母が着物のセールスマンを買うお金がないからと追い返していたのを思い出します。
母は口には出しませんでしたが、悔しい思いで断ったんだろうと思います。
仕方がないので、成人式にはスーツを着ることにしたのですが、
自分で成人式用のスーツを縫いました。
縫物は当時から得意でしたから。
普通のカチッとしたスーツじゃなくて、値段は安いけど黒いベルベット調の生地で、上着は丈が短めの丸襟、スカートはフレアースカート。
自分に似合っていたかどうかは定かじゃないけど………
それにしてもよく縫ったもんだ。
成人式には女性は他にも何人かスーツ着て参加していた人もいて、私ひとりじゃないんだってホッとしていました。
でも、振袖姿の同級生を見ると、やっぱり振袖が良かったなぁと思ってしまいました。
洋裁は学校の家庭科で教わった以外では、高校生の時に演劇部だった私は衣装作りしたり、家でも昔は洋裁の仕立ての仕事をしていた母に教えてもらいながら、また自分で調べて覚えながら、色々な方法で洋裁を学んだのですが、
和裁にも興味がありました。
和裁学校にも見学に行ったりしたのですが、色々あって通うことはありませんでした。
でも、いつかは自分で和裁を覚えて、もし私に子どもが生まれたら振袖を縫ってあげたいと思っていたものです。
でも、現実は和裁を自分で身に着けるのは容易なことではなく……
結局挫折。
せめてもと、二人の娘が二十歳の成人式を迎えたときは、私がちょっとづつお金をためて、レンタルだったけど振袖を着て成人式に出席することができました。
レンタルにしたのは、ほかに着る機会がないだろうから、と
娘たちと話し合って決めました。
子ども達が成人式に振袖を着ることができて、ひとつ目標が達成できてホッとしました。
もう、私は着ることができませんが、永遠に振袖へ淡い憧れを持ち続けるんだろうなぁ。