雀士のジレンマ
とあるノーレート雀荘での出来事だ。
南3局ドラ南
3巡目、 南家の雀荘オーナーが早々にドラの南を暗槓した。そして新ドラの表示牌が捲られると左横と同じく西であった。
ダブ南・ドラ8のトッパン確定である。リーチが入れば数え役満まで余裕だ。
自分は北家で、その雀荘オーナーの対面であった。二巡目に白を鳴いており、さらに發が2枚手牌に組み込まれていた。5巡目、親が發を切ってきたので、すかさず「ポン」である。
一応の仕込みは完了した。こっからは、対面と睨み合いである。この際、両脇の親と西家に和了られるのは仕方ない。つまり、この局は、この阿漕な3巡目ドラ8に対し、いわゆるゲーム理論で挑むことにした。
幸いなことに、前日この雀荘で、自分は大三元を和了っている。その和了を、雀荘オーナーは卓外から見ていた。
数巡後に待望の中を引いた。
中引いたときの自分の手牌を上記のとおりである。このまま運よく中が引ければ🀉と中とのシャンポンで受けることになるが、そこまで上手くはいかないだろうと思いつつ、ここからは表情にもスキなく打たなくてはならない。 相手の手出しや表情に集中して中の居所と南家の有効牌もしくは聴牌に気を付ける。
12巡目まで、渾身の自摸切りを続けた。
南家も筒子を2副露し染模様である。西家は降り打ち、親も下家に牌を絞っているので和了はなさそうである。中の居所はまだ確定しないが、捨て牌の感じから、おそらく親に一枚持たれている感じがした。
13巡目に上家から五萬が出たので「チー」をし、打🀉で、中単騎に構えた。一応、自分の手牌両脇二枚は固定させる。
両脇2枚固定での中とのシャボ待ちを促す。効き目あるかどうかわからんがブラフである(まぁ効き目だいたい効き目ないが・・・)。
数巡後、南家のオーナーの手が止まった。明らかに中引きである。ここぞとばかりに、彼の顔を見つめる。前日に自分が大三元を和了っている記憶が効いてそうだ。二日連続での大三元、しかも見え見えの中での放銃。雀荘オーナーとしてこれは痛いだろう。
小考の後、手出しで筒子が出てきた。
流局となった。南家のオーナーはノーテンであった。親と西家もノーテンであった。自分も敢えてここは牌を伏せた。他家の罰符、一人聴牌の三千点は、ここでは必要ない。将来の布石とさせてもらおう。
麻雀って面白いね。