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第77回 山口県美術展覧会 佳作「千理眼」

 昨年に引き続き、佳作を受賞させていただきました。横3m、長さ5m近い私史上では最大の作品です。去年は初出品で佳作をいただき、そして今年もという非常にありがたいの一言です。
 審査会の二日間で非常に濃厚な美術の勉強をさせていただいたことについては、Xにも投稿しました。
 だいぶ興奮状態の文面です。すでに目にされた方もあるかもしれません。あれから日が経ちそろそろ落ち着いたかというタイミングですが、いやいやこれが全く落ち着くどころかやる気みなぎる火種へと変化いたしました。
 それはそれとして、せっかくなのでnoteには反省も含めて思うことを少し書かせていただこうかと思います。

 実は出品までの期間に個展で展示していたこともあり、何人かの方々に「優秀賞、もしくは大賞に手が届くだろう」とお声をいただいておりました。
 これがまた、実力のある方々だったこともあり嬉しいと同時に搬入までの残り少ない時間で何か悪あがきをすべきではないか、という焦りにも似た感情を生んでいました。そんな個展の会期中、幾人かの方々からコンセプトがわかりにくいとの声が。言いたいことが伝わらなければ、作品を見てもらえないに等しい。
 これは、いかん。
 そう考えて、個展の時点にはなかった小さな文字群を足しました。
 これが、いわゆる蛇足です。
 確実にここで私は余計なことをした、と審査会で成相先生が(別の方への質問への回答でしたが)文字だの資料だのに頼るということは作品が弱いということ、と仰ったときに学びました。
 そのおかげで、完全なる自業自得ですが、せっかく佳作という入賞の名誉をいただきながら、2/12の審査会が終わった瞬間から大反省会を開催することとなったわけです。ちなみにまだこの反省会は継続しています。
 ただここで誤解を生んではいけないので補足させていただくと、蛇足があろうがなかろうが今回の作品が優秀以上になれたかというと……正直いってない、と思っています。
ここで美辞麗句な他の作品が素晴らしく、などと言葉を飾るつもりはありません。単純に、審査会での審査員の先生方の言葉や判断を聞くにつれ、己の作品の足りなさ未熟さ、そして弱さを痛感したに過ぎません。
 まだ、まだまだ。
 これで大賞だったら、自分はそこで満足してしまう。
 これでいいんだ、と思ってしまう。
 そう思いますし、それではだめですね。
 もっと自由に、もっと広く、もっと深く。求めるものは、無限です。
 今回の審査会二日間を通して学んだことは、いっぱいあり過ぎて言葉には尽くせませんが、己の限界を更新し続けること、型を作っては壊すこと、貪欲に学び磨くこと、その過程に美があるのだろうと思いました。
 私の作品は、カラフルで可愛くて少し毒があるのが特徴だそうです。
 それはもう大好きな世界観ですし非常にありがたいのですが、同時にそこに留まるつもりもないのです。
 物書きから始まった「奏ちよこ」という名前です。(絵というか美術は16から別の名前で活動していましたが)私の物語をご存知の最古参の方々は、ピュアなラブストーリーにコメディにテロにサイコパスな連続殺人事件を描く私をご存知かと思います。
 私は私。「可愛い」だけに留まるわけが、ない。
 この先を、楽しみにしていただければと思います。
 きっと楽しいですよ?
 だって私はもう、ゾクゾクしてますから。

第77回山口県美術展覧会

  • 2025年2月27日(木)〜3月16日(日)

  • 山口県立美術館

  • 9:00〜17:00(入場は16:30まで)

  • [休館日]3月10日(月)

[観覧料]

  • 一般:500円(400円)

  • 学生:400円(300円)


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