We are the world - ポップミュージック最高の一夜 -
午前1時、私は号泣していた。
39年前の、1985年1月28日。
その夜に起きた出来事の、その全てが尊すぎて涙になった。
ご存知の世代には、何も下手なことは言う必要もないだろう。
あの日、あの夜。LAのスタジオにはアメリカンミュージックアワード(AMA)の興奮すら冷めやらぬ中、スティービー・ワンダー、レイ・チャールズ、マイケル・ジャクソン、シンディー・ローパー、ダイアナ・ロス、ヒューイ・ルイス、ボブ・ディラン、ティナ・ターナー、ベット・ミドラー、、、申し訳ないが、書ききれない。
アメリカ80sポップミュージックの大御所たちが、ビッグスターたちが、一堂に会して一晩で録音したのが「We are the world」。
私はまったく音楽に詳しいわけではなく、ジミヘンのギターがどうのと言われても正直まったく違いがわからない音楽音痴ですらある。
それでも、この曲は知っていたし子供時代に流れていた音楽はマイケルジャクソンとシンディーローパーだった。
だから世代的にも、この伝説の一夜のことは知っていたし、なんだかすごいことが起きたらしい、とも知っていた。
だから、なにも深く考えずに寝る前に音楽のドキュメンタリーはリラックスするしいいなぁなどと軽く考えて再生してしまったのだ。
大間違いだ。
これはもう、全世界が見るべき教科書だ。
音楽ファンは当然かもしれないが、どの業界にいてもなんの仕事をしていても、絶対に損をしない1時間37分になる。絶対だ。
感動の渦に巻き込まれて、レコーディングが終える頃には、全てが尊すぎて涙になる。
スターの横顔が見えるのも、ものすごい魅力だ。
あまりここで述べるとネタバレになってしまうので、少しだけ掻い摘むと……
スターたちがAMAの授賞式に行っている間、1人でレコーディングスタジオでマイクに向かっていたのは、マイケルジャクソンだった。
メロディはできていても歌詞がなかったところに、言葉を乗せたのもマイケルだった。
大スターたちも人間だ。
普段はマネージャーや取り巻きがいるからお互いはちょっと距離があるスターたちも、本人同士だけで集団になると………わちゃわちゃになったりするし、意見がとべば収拾つかなくなるし、疲れるし眠くなるしお腹もすく。
シンディーローパーとマドンナは同世代ながらあまりイマイチ仲が良くないのは周知の事実だが、私はこのドキュメンタリーを見てますますシンディーローパー推しになった。かわいい。かわいすぎる。
仕切るのはこの人しかいないだろう名プロデューサーであるクィンシー・ジョーンズ。リオネル・リッチーなんて、AMAの司会をこなした後だったわけだから疲れていただろうに。
そして、スティービーワンダーとレイ・チャールズの微笑ましいワンシーン、ダイアナ・ロスの言葉には、涙腺が大崩壊した。
2度と見られない光景だ。
スターたちが一つの目標に向かって挑んだ、その記録を表現するのは尊いという言葉以外に見つからない。
そしてこの曲は、全世界のキー局で同時放送されたことでも有名になってと記憶している。
そして、スターたちはノーギャラのボランティアだったこと。
売上のほぼ全てはアフリカ難民救済へ、そして残りの10%はスティービーワンダーからのリクエストで、アメリカ国内のホームレス問題へと使われたこと。
We are the world, We are the children.
もっと明るい明日を作るのは、僕たち自身なのだから
僕たちができる選択がある
僕ら自身(仲間)を助けるのは僕ら自身
できるよ、もっと良い世界にできる、君と僕のために
これは公式ではなく私の意訳だが、ここで表現されているdaysは日本語で言うと「世界に訪れる日々」が近い感じがするししっくりくるので世界とさせていただいた。
タイムズ紙の記事はこちら。
https://time.com/6588802/netflix-doc-greatest-night-in-pop-we-are-the-world/
絶対におすすめする。
誰かを貶めたり、責めたり、騙したり、盗んだり、傷つけたりすることが全て愚かしくさもしいものにしか見えなくなる。
目標に向かって頑張りたくなる。
思いがけず、素晴らしい伝説の中身に出会うことができた。
人はもっと、優しくなれるのだとスターたちが教えてくれている。
Netflix "Greatest night of POP"