バスターの壊れた心をみたよ。

以前ふせったーにあげていたものの再掲です。


2020/12/4 12:59

やっとこさこの問題作見れました。
アマプラで160円でレンタルできます。サンキューアマプラ。
そしてこれを見放題にさせてるネトフリ、どうかしてるぞ。(サンキューネトフリ)


ラミ・マレック映画初主演作品ということだけあって、やっぱりラミファンは履修すべき映画でした。
私は今までずっと必修単位を落としてた訳です。すまんな。タイエリ学科専攻だからそこは許してほしい。
本当に文字通り色んなラミさんが見れますね!!!
やっぱり心に女児を飼ってる限界女からすれば、娘だいちゅきなパパ役を演じてるだけでもう嗚咽がングッンガァアッ(盛大な嗚咽音)
夜勤で頑張りながらも妻といちゃつき娘と戯れるジョナパパ尊すぎるんじゃ…
初っ端からニット帽姿、ひげもじゃ姿を提示させときながら突然清潔感ある良きパパジョナが奥様と一緒に出てきますからね…あまりにも可愛すぎる&ピースフルすぎる世界で胃酸吐きそうになりました。
(でも娘ちゃんがお風呂とかプールに居る時に目を離したらいかんぞ、ジョナパパ!あのくらいの子は静かに溺れるんだからな!)
いやあ、でも…うーん…やっぱり何度も議論に挙げたくなるラミマレック何でもやり過ぎ問題。本当に大丈夫なんですか…?
「えぐいシーンあるとは聞いたけどまあいうて後半からやろ」と呑気にラーメン啜ってたら見事に逆噴射しました。
なんかずっと映画から「おいラミファンだろ?ほらほらラミマレックの全裸だぞ、お風呂シーンもトイレシーンもあるぞ。オラ喜べよ。泣いて喜べよ」って脅されてる感ある。違う意味で泣いちゃうわ。
あれかな?バスターくんはマツコ・デラックスさんと同じくトイレで用を足す時は全裸になりたい系の人なんかな??
あ、でも飲尿シーンがあるとは聞いてたけど、そこは割と合理的な飲尿で納得しました。(合理的な飲尿とは?)

そういう強烈なシーンに目が行きがちだけど、やっぱりやっぱり演技力の鬼っすね、ラミさん…
夜勤で働いてる時の本当に眠そうなあのおめめ、平々凡々で単純な仕事サイクル、職場と家との往復時に見える疲労感、そして静かに、でも着実に狂った道へ突き進んでるあの雰囲気。
細部に至るまでも見事な演技で、もう目が離せませんでした…
あの他所の家のお鍋に脱糞するシーンでも、なんかもう見えたもんな。「あ、今やってんな。今出てんな」って。凄く説得力のある脱糞でした。いや勿論それ以外のシーン、というか約100分の本編最初から最後まで素晴らしいブラボーエクセレントな演技でした。スタンディングオベーションし過ぎてほぼ立ち見でしたよ。

ただ、ストーリーを理解するのがどちゃくそ難しいっすね…
キリスト教の知識は聖おにいさんでしか吸収できてない日本人だから、たぶんここキリスト教のお話の隠喩なのかな〜?って所もなんとなくでしか分からなかった。(クジラのお腹がどうこうとか)
時間軸も飛びまくるし、よく分からない単語も出てくるし(2000年問題っぽいワードとかY2K?とか)、ブラックホールアナル理論がストーリーの鍵を握ってそうだし。
ていうかブラックホールアナル理論って何?なんでみんな肛門って言っちゃうの!?もう穴でいいじゃん!なんでassを付ける?警察(?)の人も、玉ねぎの肛門って何だよ!もうそれはブラックホールだろ!割としっかりしたブラックホール描いてくれてんじゃんバスターくんは!

「考えるな、感じろ」って言葉ありますし、そういう映画も世の中にはありますけど、おそらくこの映画は「考えるな、そして感じるな」ですね。まともに受け止めようもんなら強靭な精神力を求められます。
この映画はキリスト教を大きなテーマに置いて展開してるんですが、ジョナの生い立ちなどを察するにアメリカ社会の縮図も表してるんじゃないかな〜と日本の一般庶民ちよこは思うのです🤔学歴無しホームレス経験ありのラテン系のジョナ(もしかして移民?)が土地買って家建てて愛する家族と幸せに暮らすために勤勉に働き続ける…まさしくアメリカンドリームっすね。職場に貼ってあった「Smile, Strive, Succeed」が刺さる刺さる。
それにジョナの貧困描写がじわじわと心に来るのもキツい。ラジオが壊れかけの車に乗ってたり、義両親(だよね?)の家に世話になってるし、その家もダイニング狭いし(米国基準)ユニットバスだし。食事もまともに出来ない程の貧困って訳じゃないけど、おおよそ一般的な家庭で出来るレベルの贅沢は出来ないくらいの貧しさっていうのが辛い。

あと、ホテルのシーンになると全体的にセピア色っぽいというかくすんだ色味になるのも観ていて心が辛くなってくる。ジョナさんの眠気、怠さが画面越しにビシビシ伝わるし、奥さんが娘ちゃんとホテルに泊まってる時も奥さんの育児疲れが滲み出てて、観ていて心が下に傾いてくる。これがこの映画の「感じてはいけない」ポイントだと思う。観るだけで辛いのにこの後の展開がもう…ああああああああああ!!!!
このジョナの反応、トイレで泣いてるシーンの表情を胸に抱えてわしゃ寝床に就かなきゃいけないのかよ!

心は辛くなるし見る人によっては視聴を止めたくなるような作品だったけど、個人的には間違いなく観てよかった映画でした!この100分だけで1人の人間の一生分の時間を浴びた気分になれましたね…それくらい超濃厚で奥が深かったです。なんで自分はこんな大作を今まで見逃してきたんだ!
色んなラミさんが見たい人、あれこれ考察を深めるのが好きな人、鑑賞後情緒を地底深く沈めるかもしくは大気圏にまで上昇させたい人には本当にオススメです!お話の時期的にもホリデーシーズンらしいので、これからのクリスマスシーズンにもぴったりかと!大切な人と一緒に観たい映画ですね!この冬はぜひ、バスターの壊れた心を!



最後に、考察ブログで見て衝撃を受けたんだけど娘ちゃんがジョナさんの本当の娘じゃないってマジなんかな…ジョナも奥さんも瞳が青いのに娘ちゃんは茶色ってのが根拠らしいんだけど。いや勿論隔世遺伝とかキャスティングの問題とかも考えられるんだけど、わざわざ娘ちゃんの瞳は茶色ってセリフで表現してるのが妙に引っかかる…これで本当に娘ちゃんの父親はジョナじゃないって設定だったらもうわしゃ生きてけない…娘ちゃんはまだ幼稚園に入らないくらいの歳だからたぶん2歳?くらいだし、同居は3年前からしてるってことはシングルマザーの奥さんと結婚したってことは考えられないし。じゃあ奥さんはジョナに隠れて違う男との子供を身ごもっ…
もう何も考えたくない……あったかくして寝よ…

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