2023年12月17日 日よう日

 きのうの夜、妹が来て泊まった。正直、昼間ずっと眠っていたので眠くなかったのだけど、明かりをつけているわけにはいかないので、何とか目を閉じる。先月家族旅行をしたときに、わたし側のベッドサイドのライトをつけていても彼女は眠っていたので、これくらいなら大丈夫かと思って夜ずっと本を読んでいたら、次の日、「しんどかった……」と言われたので反省したのだ。
 何度も寝返りを打っていると、考えごとがだんだん脈絡を失っていって、夢のなりそこないみたいになる。そのあいまあいまに、また意識が現実に戻ってきて枕に顔をうずめなおしたりしているうちに、夢を見る。小学校の夢。このところ見る夢は、だいたい小学校から高校までの学校の夢と、職場の夢だ。今日は学校だけ。クラスメイトとふつうに過ごしているのだけど、なんだかよそよそしい気がする。嫌われている気がする。そしてわたしはどんどん過去のことを思い出すのだ。それまですっかり忘れていた、わたしが嫌われることになる経緯を。すべてが明らかになると、わたしが悪いのではなくて、お互いの勘違いが原因だったということになる。そうしてほっとしてから目が醒める。
 こういう夢はよく見る。わたしが嫌われていたり、大勢から責められていたり、公的な場で大喧嘩をしたり、みんなが大騒ぎして犯人探しをしているなかで犯人だということがばれないように必死に逃げ隠れようとしたりする夢。そういう夢は本当におそろしい。そしてわたしが本当にそれらをおそれている証拠のように、必ず、目が醒める前に、「本当はわたしが悪いわけではなかった」という種明かしがされる。
 人から嫌われるのはおそろしい。悪意を向けられるのはもっとおそろしい。悪意なんてものが本当にあるならば。
 悪意がないからこそ困ることのほうが多いのかもしれない。

 きょうは日差しがあるところは暑いくらいだった。妹とパフェを食べた。このパフェ屋さんは何度か移転していて、今の店舗に来るのははじめてだ。ひさしく来なかったうちに、サイズが大中小と選べるようになっていて、以前、通常サイズを食べておなかが苦しくなったことを思い出し、おぉ、これはありがたい、と思った。妹と写真を撮りあって食べた。おいしかった。
 わたしと妹は年子で、妹はわたしがゆいいつ気を張らないで話せる年の近い女性だ。わたしたちは顔も似ていなければ、好きなものも得意なこともてんでばらばらだけれど、会話ができて旅行ができる。
 家族は、同じ家で長く暮らしているひとたちは、やっぱりどこか似るんだろうか。わたしたちの家族はみんな、クラスでなんか浮いていたような人間の集まりだと思う。ひとりっきりにはなるほどではないけれど、3人とか4人のグループになんとか間借りさせてもらっているというような、そういう人間たちな気がする。みんな、あんまりというか、ほとんど友達がいない。わたしたちきょうだいは3人いるけれど、そろいもそろって結婚しそうにない。まともな恋愛すら、だれもしていない。父と母にもあまり友人がいない。休みの日は、おのおの一人で好きなことをするか、家族みんなで旅行するかの、どっちかだ。
 父と母は、すごいなと思う。こどもを3人も育てて大学を卒業させるなんて、いまのわたしからすると、想像を絶する大仕事だ。母は33歳で、3歳と2歳と0歳のこどもを育てた。アメリカで。英語もそんなに得意でないのに!わたしは4年後だろうが何年後だろうが、そんなことはできる気がしない。父もよくアメリカで仕事をしようと思ったものだ。日本に住んでいて、日本の企業でたまに発生する英語の会議ですら、わたしはファシリテーションができない。

 妹と買い物をした帰り、パンダエクスプレスで晩ごはんを食べた。アメリカに留学していたとき、寮の食事に飽きると、学内のサブウェイかパンダエクスプレスをたまに食べた。オレンジチキンが大好き。奮発して追加料金を払ってハニーウォールナッツシュリンプも注文した。もっとオレンジチキンはカリカリだった気がするけれど、ハニーウォールナッツシュリンプもおいしいし、楽しかった。また行きたい。
 アメリカに留学していたときはすごくつらかったけれど、勉強が楽しかった。ひとにやさしくしてもらった。それで、帰国する日はじめて、来てよかったなと思った。
 あぁ、と思う。わたしを褒めてくれたひとたちやわたしに親切にしてくれたひとたち……。
 誰かがわたしのことをそういうひとりとして思い浮かべてくれることなんてあるんだろうか?

 きょう妹と話しているなかで、世間一般には、休職すると、そのまま退職するものっていうイメージがある、ということを教えてもらった。わたしの会社は、精神的な問題で休職する人が多いし、その休職から復帰する人も多い。恵まれている会社なのかもしれない(求職者が多い時点でそうではないという見方もある)。わたしがどんなに弱くて負けまくっている軟弱なダメサラリーマンなのだとしても、そういう恵まれた待遇の会社にとにかく採用されたのだから、その事実に免じて(甘えて?)、逃げられるところから逃げられるだけ、逃げる、と思った。

 それで、よし!そろそろ働くか!!という気持ちになってきて、うっかりメールを見てしまったが、結構動悸がして、これはなかなか、出勤するのも一苦労かもしれないな、と、すこし落ち込んだ。

 長く書いていたら日付をまたいでしまった。
 もう少し妹のことも書きたかったけれど。また今度、まとまった文章にできたらいい。

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