#お菓子にまつわるエトセトラ -大切な記憶と思い出-
2月の中旬、お暇をいただいていました。
その間、主に行っていたこと。それはお菓子作り。
たっぷりあった貴重な時間を過去の思い出をなぞるために使いました。(お菓子を作っている間、何も考えなくて済むという理由もありましたが。)今振り返れば気持ちを整理するのに必要な時間だったのかなと思います。
ということで久しぶりに参りましょう。写真が下手なのはご愛嬌! 写真を取り忘れたのはうっかり! そんなちよこのお菓子にまつわるエトセトラ! 大切な記憶と思い出編です。
* * *
Ⅰ)いちごとホワイトチョコのふわふわケーキ
この日はバレンタインの数日前。お供え物としてお菓子を作って持っていこうと決意。数日前に実家からまるっと回収してきた、中高時代にお小遣いをはたいて購入した本をパラパラとめくり、作ることに決めたのがこのケーキ。
しかし、ケーキ型は……実家でした。盲点。
……ということで、カップケーキ型で代用しました。そのときに蘇ってきた記憶。以前に母と焼いたときもカップケーキ型を使用したこと。「カップケーキ型のほうが食べやすくていいね」と言い合ったことまで。
私の好きなホワイトチョコレートを板チョコ1枚分、たっぷり刻んで温めながら混ぜるだけのこのケーキ。口に入れるとシュワシュワと音を立てるくらい柔らかい。もったりした食感。だけど甘くて大好きな味。
Ⅱ)チーズケーキ
お供えとしてふわふわケーキを持っていた日、お菓子用の型を回収。そこで手に入れた丸型を使って最初に作ったのはチーズケーキ。レシピはアプリから拝借。
“※オーブンによって焼き時間が異なります”とありましたがその言葉通り、このケーキが焼き上がるまでに1時間がかかりました。え? かかりすぎじゃないって? 私もそう思います。
混ぜて焼くだけなのに味は抜群! 生クリームも立てて少し贅沢に味わいました。
土台の部分に使用するためにマリービスケット一箱分砕くのとオーブンレンジで焼き加減を見張るのが大変だった、そんな一品。
Ⅲ)ヨーグルトポムポム
このケーキは母が友人から教えてもらったレシピで、よく作ってくれました。「母レシピ集」から作るお菓子はこれが初めて。りんごを1つとヨーグルトをたっぷり使用したこちら。焼けたときに漂ってくる香りは懐かしく、だけどどこか寂しい、複雑な気持ちになりました。もちろん、同じ味を受け継ぐことができて嬉しいという気持ちもありました。
「ちよこちゃんの家に行ったらケーキが出てきた」
友人が私の家に遊びに来た次の日、学校でそう言ってくれたのを思い出しました。美味しいお菓子を作ることができる母を誇らしく思います。
Ⅳ)かぼちゃたっぷりパウンドケーキ
こちら、秋に一度作ったものです。
なぜもう一度同じものを作ろうと思ったかというと……
① おいしかったから
② チーズケーキで使用したクリームチーズが余っていたから
③ 冷蔵庫にかぼちゃがあったから
絶妙なふわふわ感は相変わらずでした。
Ⅴ)チョコレートマカロン
チーズケーキを作ったときに余った卵白。卵白を使って何ができるか。思いついたのがマカロン。というのも昔々、マカロンキットを使って(粉などが全部揃っているお手軽な代物)母とマカロンを作ったことがあったから。
しかしマカロンづくりは難しかったです。
卵白の泡立てが足りなかったのか、なかなか絞った後に表面は乾燥しないし、オーブンで焼いても膨らまないし、膨らんだ子はひび割れるし……。
ガナッシュづくりは得意だったので問題なかったのですが、うちには絞り袋がなく、保存袋で代用するという荒業に出ました。
見た目は悪くても味はマカロン♪ 手間がかかった分、美味でした。
Ⅵ)スコーン
「少しでも病気の進行を遅らせるために体にいいものを」
これは食べることが好きな母なりの病魔との闘い方の一つでした。
年明け、料理を作る元気がなくなってしまった母は私に購入していた“体にいい素材”を譲ってくれました。そのうちの一つが「全粒粉強力粉」。
レシピ検索にかけて上がってきたのがこちらのスコーン。月命日にはこのスコーンをお供えしてきました。
スコーンづくりは思っていたよりも簡単。混ぜて、ぎゅっとかためて、焼くだけ。焼き立てはサックサク。一日ごとにしっとり感が増していきます。入れる具材はお好みで、とあったので、この日は半分にくるみを、半分にチーズを混ぜ込み、焼き上げました。
簡単だった上に、まだまだ粉も残っているのでまた作りたいと思います。今度は具材に刻みチョコレートやレーズンを入れてみようかな、なんて。
Ⅶ)はちみつレモントリュフ
こちらは1年ほどまえにnoteの記事に登場した一品。
学生時代、年に一度作っていたこちらのお菓子。15分冷凍、30分冷蔵という作業がレシピに存在するため、ボウルやバットを冷蔵庫に入るスペースを確保するように母に毎年頼んでいたのを思い出しました。
「過去作ったものの中で一番美味しい!」と思っていたお菓子。しかし思い出は美化されており、味は至って普通……。舌が肥えたのでしょうか。洋菓子メーカー勤務としては良いことなのでしょうけど、すこし残念な気も。
チョコレートにレモンの皮、果汁、はちみつを混ぜ込んでいくときの香りは何年経っても変わらず非常に懐かしく、まるで学生に戻ったような気分になりました。
しかし、コーティング用のチョコレートを溶かすときに気づきました。「テンパリング(※)用の温度計がない……」盲点。もう感覚でいきました。次もし作ることがあれば温度計を忘れないようにしたいと思います。
※テンパリング
チョコレートを綺麗につやっと固め、口どけをよくする温度調節のこと。「チョコレートを溶かす→温度を下げる→適温まで温度を上げる(保つ)」作業であり、温度計は必須アイテムです。
※撮影に使用したレモンはスタッフがおいしくいただきました。
* * *
約1ヶ月の間にこんなにもお菓子を作ったことなんて過去、無いような気がします。しかし、母との思い出を、記憶を大切にしておくためにも再現できてよかったです。お菓子作りの楽しさも改めて知ることができましたし。もちろん、食べる楽しさも。
ということでまだまだこれからも「お菓子にまつわるエトセトラ」、続けて更新していきたいと思います。
最後までお付き合いありがとうございました。