犬の繁殖---胎盤・初乳・受動免疫

多胎動物である犬は一度期に効率よく複数の子を産み育てる機能が備わっている。
胚から胎子に育て上げる子宮はY字型の双角で母体の血液はヒトのように直接接することがない内皮絨毛性胎盤で、全面子宮壁には張り付かず胎子を個別に膜ごと帯状に包んでいる。

私たちがよく知る私たち自身ヒトでは、結合組織の壁がつくられないため母体の免疫物質が容易に胎児に移行する。喜ばしくない物質も同じためコカインのような麻薬の薬物中毒状態と闘わなくてはならない新生児も存在している(アメリカのドラマERに何人も登場していた)。

犬の胎子期の抗体移行はヒトが10だとすると3程度しか渡らない。母体と胎子の胎盤における血管同士の間の組織がヒトと犬で異なるためだ。

牛や羊や豚など他の家畜動物もそれぞれに母体から胎子への免疫物質の受け渡しは胎盤と初乳が担っている。持った習性や体質は動物種ごとに違うが、初乳中の抗体が新生子に移行する期間や状態に一定のルールがある点はどの動物も同じだ。
抗体を渡すのは母犬で、そのためには母犬に抗体がなければならない。
新生子には母犬よりも多くの働きが必要だ。乳を飲むこと、排泄ができること、乳から離れたら鳴き声を発し小腸の機能が正常でなければいけない。


内容が少し難しいかもしれない。ので続きものにします。


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