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ベイカリーの店員さんに思う

夕方のそのベイカリーは混んでいて、レジの前に数人の列ができていました。

私の前は、おかあさんらしき人と、鶏のトサカのように逆立てた髪のその部分だけをブルーに染めた、多分高校生くらいの男の子。

店員の女性はとてもフレンドリーで、ひとりひとりのお客さんに、いちいち何かちょっとしたことを話しかけていて、お店が混んでいるのに、さすがハワイだなあと思っていたのですが。

「まあ、あなたの髪、すごく素敵!」

「Thank you」

「自分でやったの?」

「Yes」

「スタイルがあってすごくいいわ!」

「Thank you」

ここで横のショーケースに目をやったおかあさんの横顔がちらっと見えたのですが、明らかに迷惑そうな表情・・

おかあさんは息子のブルーのトサカが気に入ってないのでしょうね。 それはもちろんティーンエージャーの子供を持つおかあさんの、一般的な反応なのではと思いますが。

とても感じのよい店員さんで、もちろん不愛想な人よりずっと素敵なのですが、この辺でもうやめておけばいいのに、まだ

「こういう髪型、あまり見たことないわ。 でも、あなたにはすごく似合ってるわよ」

「Thank you」

「みんなと同じじゃつまらないものね~」

「Thank you」

の辺りから、その人に対する印象が「とても感じのいい人」から、「もしかしたらこういう人をKYと呼ぶのかも・・」に変わってきました(笑)

その男の子も、褒められてうれしいを通り越し、正直「もういいよ僕の髪のことは」と思ってしまっていたのでは・・

この年頃の男の子ですし、発した言葉は「Thank you」と「Yes」のみですから。

おかあさんはそれについて一言もしゃべらず、おそらく「余計なこと言わなくていいのに」と内心苦笑(最悪の場合激怒)していたと、そこにいた誰もが確信していたと思います。

が、もちろんその女性には悪気があるわけではなく、ただ明るくハッピーに仕事をしているだけなんですよね。

私には「まあっ、あなたのドレス素敵!」と大げさに誉めてくれましたし、私の後ろの男性は常連客なのか、「あらChris(仮名)! 今日は何か楽しいことがあった?」と訊いていました。

彼は「特に何も」と答えていましたが、もし毎回そんなこと訊かれたら、ちょっと面倒かもしれません。 そうそう毎日人に言うほど楽しいことがある人も少ないでしょうしね。

私は何事も過ぎたるは及ばざるがごとしということわざを思い出しながら、なんとなくおかしくなってお店を出ました。

ハワイに来たばかりの頃の私だったら、ちょっとあの人苦手と思ったかもしれませんが、今日はちょっとした会話と待ち時間も含めて、楽しませてもらった感じです。

✨今日の英会話✨

I love your hair! It's outstanding! 彼女が最初に発した言葉。 Outstandingは目立つとかすっごくいい、という感じの言葉です。

ちなみに私には「You look gorgeous! I love your dress!」と言ってくれました。 

そういえば前回はスカーフを誉めてくれたんですよね。 どこかお客さんの誉めるところを(無理やりでも?)探すというポリシーなんですね、きっと(^-^)




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