入居者紹介Vol.10~結ぶ食房「しまゆし」店長・石垣信由起さん~
編集長@吉田です。
入居者インタビューですがしばらく期間が空いてしまいましたが、まだまだちよだプラットフォームスクウェアに入居している魅力的な人々を紹介していきます。
今年最後はちよだプラットフォームスクウェア1階のレストラン「しまゆし」の店長、石垣信由起さんです!
レストラン「しまゆし」は毎月様々な地方と連携し、その土地の食材を使った料理を提供する、
ランチでは主菜、副菜を数種類から選ぶことができ、ボリュームがありながらもヘルシー。周辺のオフィスワーカーに大人気です。
そんな「しまゆし」の店長の素顔と、お店のこだわりや今後の展開について、じっくりとお話を伺いました!
◆「しまゆし」までの道 ~苦手も好きになる~
吉田:本日はよろしくお願いいたします。石垣さんは18歳から飲食業界で働かれているとのことですが、どのようなきっかけで飲食の道に進まれたのですか?
石垣さん:
実は、私はとても人見知りな性格で、学生時代は友達も少なく、人と話すのが本当に苦手だったんです。
そんな自分を変えたいと思い、高校卒業後に名古屋のホテルのレストランで働き始めました。
ホテルのレストランを選んだのは、人と接する機会が多い仕事だと思ったからです。
吉田:
人見知りを克服するために、あえて人と接する仕事を選んだんですね。
石垣さん:
そうですね。最初は緊張の連続でしたが、お客様と話すうちに、少しずつコミュニケーションの楽しさを覚えていきました。
人前に立って仕事をする喜びを感じ、飲食の仕事にもやりがいを感じるようになりました。
吉田:
ホールスタッフとして、お客様とのコミュニケーションで印象に残っているエピソードはありますか?
石垣さん:
ランチタイムなど、短い時間でも「今日は天気が悪いですね」とか「髪切りましたね」といった何気ない会話から、お客様が喜んでくれたり、以前来店されたお客様に声をかけて「覚えててくれたんですね」と喜んでくれる顔を見るのは、本当に嬉しかったですね。 そういったコミュニケーションを大切にしていました。
吉田:
その後、沖縄料理店での勤務経験を経て、調理の道に進まれたとのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか?
石垣さん:
28歳までホールスタッフとして働いてきましたが、飲食業で生きていくためには、調理の技術も必要だと感じるようになりました。 そこで、地元の沖縄料理店で一から調理を学び始めました。
吉田:
そういえば石垣さんは沖縄出身でしたね。だから沖縄料理だったんですね!
石垣さん:
沖縄料理店で働いたのには特に深い理由はありませんでしたが、沖縄料理は好きでしたし、地元の食材を使った料理に興味があったんです。 そこで沖縄料理の基礎を学び、2年後には調理長兼店長として、お店を任されるまでになりました。
吉田:
調理を学んでみて、いかがでしたか?
石垣さん:
料理の世界は奥深く、学ぶことがたくさんありました。 自分の作った料理をお客様に提供し、「美味しい」と言ってもらえる喜びは、ホールスタッフとして働いていた時には味わえなかったものです。 特に、お客様が料理を美味しそうに食べている姿や「美味しい」という声を聞く瞬間は、ホールでは味わえなかった喜びと緊張感がありましたね。 料理人として、お客様に喜んでいただける料理を作ることの楽しさを実感しました。
吉田:
その後、「しまゆし」の開店へつながるのですか?
石垣さん:
その後は会社がバンコクに出店することになり、エリアマネージャーとして赴任することになりました。 バンコクでは、20名ほどの従業員のマネジメントを担当していましたが、言葉の壁もあり、苦労の連続でした。 特に、会社からの指示を現地の従業員に伝える際に、うまく意図が伝わらず、苦労しました。
吉田:
言葉の壁は大変ですよね。
石垣さん:
ええ。私の言葉を100%理解してもらえているとは限りませんでしたし、通訳を通していたことあり、伝えた内容がそのまま正確に伝わったというわけでもありませんでしたし。
文化の違いから、誤解が生じることもありました。でも、バンコクの従業員たちは皆、明るく、仕事熱心で、助けられることも多かったです。
大変でしたが、貴重な経験になりました。もちろんバンコクでの生活も満喫しました。
吉田:
バンコクでの勤務を経て、日本に戻ってこられた後は、どのように「しまゆし」のオープンに至ったのですか?
石垣さん:
帰国後は、独立を目指して準備を進めていたのですが、資金面で難航し、一旦は諦めかけていました。
半年間ほど準備を進めていましたが、なかなか資金面で厳しくて… そんな時、働いていた「フネ」というお店の社長から、「お店のコンセプトを引き継いだ形でお店をやってみないか」と声をかけていただいたんです。
吉田:
そのお店のコンセプトはどんなものだったんですか?
石垣さん:
いまの「しまゆし」に通じる部分がありますが「日本の郷土の食と酒を発信する」がコンセプトでした。
社長の川野さんは、日本の地域食材、特に東北の食材にとても詳しく、強い探求心と情熱を持っていました。
彼女から教わった地域食材の奥深さや魅力を、自分のお店でも表現したいという想いもあり「しまゆし」をオープンすることを決意しました。
吉田:
「しまゆし」では、地方と連携し、地元の食材を使ったイベントを頻繁に開催されていますよね?
石垣さん:
「日本各地の皆様それぞれの"ふるさとを持ち寄る"」場になる店を目指していますので、地方と積極的に連携し、各地の生産者の顔が見える食材を使うことで、お客様に食材への愛着を持ってもらい、ひいてはその地域への関心を高めてもらいたいという想いがあります。
吉田:
具体的には、どのようなイベントを開催されているのですか?
石垣さん:
例えば、生活クラブという、無添加や有機野菜にこだわった食材を扱う団体と協力して、食材の価値やストーリーを伝えるイベントを開催したり、福島県のお野菜とお肉を使ったイベントなどを開催しています。
その他にも、首都圏に来ている西伊豆町の方々が集まる「西伊豆町民の会」は、 西伊豆町のお母さんたちが千代田区まで来て料理を提供したりと、地方と一体となってイベントを作り上げることができました。
吉田:
様々な地方とのコラボレーション、素晴らしいですね。
◆ちよだプラットフォームスクウェアと「しまゆし」 ~地域との交流を目指して~
吉田:
「しまゆし」が入っているこの施設「ちよだプラットフォームスクウェア」については、どんな印象をお持ちですか?
石垣さん:
この施設には会議室やたくさんの入居者様がいらっしゃるので、それが縁でお店を利用してくれるお客様が多いのは、とてもありがたいですね。 特に、団体のお客様は、会議の後などにそのまま利用してくださるケースが多く、大変助かっています。定期的に利用してくださるお客様も多いので、とてもありがたいです。
吉田:
この施設のお客様は、どんな方が多いですか?
石垣さん:
上に会議室があるからか、比較的年齢層の高いお客様が多いですね。 会社の集まりや、異業種交流会、懇親会などで利用される方が多い印象です。
皆さん、きちんとした方が多くて、8年間お店をやっていますが、店内でお酒に酔ってトラブルを起こしたお客様は見たことがありません。
吉田:
それは素晴らしい!客層がよいというのは飲食店としては大きな強みですね。
吉田:
今後、お店で改善していきたい点はありますか?
石垣さん:
そうですね…もっと地域の方々と交流できるイベントができたらいいなと思っています。 私自身、地域の方々に支えられてお店を運営できていると感じていますので、何か地域に貢献できることがあれば、積極的に協力したいと思っています。例えば、神田祭りや地域のお祭りなど、地域の方々と一緒に何かできるといいですね。
吉田:
なるほど。地域とのつながりを深めていきたいんですね。この施設自体も地域の活性化に寄与することをミッションとしていますので、そういう意味では一緒に何かできるといいですね。
石垣さん:
例えば、地域の学校と連携して、学生たちが試験的に飲食店を運営できるような機会を提供するとかいいですね。
若い人たちに飲食店の仕事の面白さを知ってもらい、地域に貢献できる喜びを感じてもらいたいと思っています。
◆プライベートは?
吉田:
それではプライベートな部分を少し聞かせてください。お休みの日とかは何をしているんですか?
石垣さん:
娘と遊んでいます。4歳になるのですが、毎日があっという間に過ぎ去ります。大変ですが、楽しいです。
吉田:
それは大変ですけど、ある意味幸せな生活ですね。それでは生きているうちにやってみたいことってありますか?
石垣さん:
サザンオールスターズのライブを見たいですね。サザンは大好きなんです。 あと、スカイダイビングもやってみたいです。
吉田:
スカイダイビング!?高いところ苦手じゃないんですか?
石垣さん:
苦手なんですけど(笑)。けどあの解放感を味わってみたいと思います。
吉田:
音楽も好きなんですね。
石垣さん:
音楽はなんでも好きです。ジャズも聴くしクラシックも聴くし演歌も聴くしなんでも聴きますね。
唯一攻撃的なラップは嫌いです。ラップ自体は好きなんですけどね。
吉田:
今度「しまゆし」で音楽イベントとか開催するのも面白いですね。以前、沖縄音楽やっていたように。
◆これからの「しまゆし」
吉田:
それでは最後に、今後の展望について教えてください。
石垣さん:
今後は内部的にも外部的にもいろいろと改善していきたいです。
内部的には「労働環境の改善」が必要だと考えています。
飲食業界は、長時間労働や休日が少ないなど、労働環境が厳しいと言われています。 私自身も、若い頃は、長時間労働や休日なしで働いてきた経験があります。でも、時代は変わり、働き方に対する考え方も変わってきています。従業員にも、プライベートを充実させ、心身ともに健康に働いてもらいたいと思っています。そのために、労働時間を短縮し、休日を増やし、有給休暇を取得しやすい環境を作るなど、様々な取り組みを行っていきたいと思います。
外部的には「地方食材の魅力を発信する店」であり続けたいと思っています。
そのために、地方食材をより印象に残るような料理を提供すること、地方の人々との交流を深めるイベントを継続的に開催することを軸に、お店を成長させていきたいと考えています。
吉田:
素晴らしいですね。お客様へのメッセージを伝えて終わりにしましょう。
石垣さん:
「しまゆし」は、地方食材の魅力を発信し、お客様に喜んでいただける料理を提供することにこだわっています。
これからも、地方や地域とのつながりを大切にし、お客様に愛されるお店作りを目指していきますので、ぜひ一度ご来店ください。
吉田:本日は貴重なお話をありがとうございました!
ちよだプラットフォームスクウェアの1階にあるレストラン「しまゆし」。
建物の入り口に面していることもあり、ちよだプラットフォームスクウェアの『顔』として頑張って営業してもらっています。
毎日お店を開けることはとても大変ですけど「しまゆし」が開店していて、石垣さんの元気な「いらっしゃいませー」の声が聞こえるだけで館内の雰囲気は明るくなります♪
そんな毎日を継続して続けていける石垣さん。
今までの色々な経験と飲食業への想いが原動力になっているのかなーと。
これから「地方との連携」「地域との連携」を一緒に進めていきたいですね!