【ちよだ地方連携ネットワーク】二拠点居住って?二拠点居住者コミュニティの運営者にインタビューしてみた
編集長@吉田です。
今回は「ちよだ地方連携ネットワーク」の目的「都市と地方の連携」の中の1つの取組である「二拠点居住者のコミュニティ運営」について、実際に運営を行っている須山聡也さんにインタビューして、ここまでの経緯や二拠点居住の現実と、今後の展望についてお聞きしました。
地方で自分の世界の小ささを知る
--よろしくお願いします。出身はどちらなんですか?
沖縄県です。
--いいところですね。自分は行ったことありませんが。(笑)
ところで、なぜ二拠点居住者のコミュニティを運営する立場になられたんですか?
学生時代は秋田にいて、その当時海外をてんてんとしていました。
今は大学院へ進んで学生生活を送っており、沖縄の宮古島と東京とを行き来しています。
その一方で社会活動として国内の様々な場所を転々としています。
そんな生活を送っている中で、丑田さん(プラットフォームサービス株式会社社長)と出会い、錦町ブンカイサンをベースに二拠点居住者のコミュニティを作成してみないかと声をかけてもらい、今に至るという感じです。
--実際に自分自身が様々な場所を転々とする生活をしているだけに、まさに打ってつけですね。けど、なぜ東京の大学院へ進んだんでしょうか?
私のイメージでは沖縄もすごいいいところだろうし、秋田も緑が豊かでゆったりとしていて、とても暮らしやすそうに思えますが。
確かに暮らしやすいとは感じます。空気も美味しいし食べ物も美味しい。
家賃も安いですし、時間もゆっくりと流れます。
けど、そんな生活の中で沖縄と秋田と海外しか知らない自分自身の世界が小さく狭いと感じるようになって。。。
もっと大きくて広い世界、日本の過半数の人が集まる場所で、どのような生き方をしているのかをみてみたくなったのが理由の1つです。
もちろん、進学した大学院の研究室の先生のもとで学びたかったという理由が最も大きい理由ではありますが。
東京でリアルで多様なコミュニケーションと出会う
--なるほど。それでは実際に東京に出てきてどうでしたか?
想像していた通り、新しい様々な種類の人と出会うことができ、これまで触れたことのない考え方に触れることができました。
また、近場で多くの種類のイベントが開催されており、自分が興味を持ったイベントにもすぐに参加できたりと、大きな刺激を受けました。
--人と知り合うこともイベントもいまはオンラインで参加できますけど、やはりリアルがいいのでしょうか?
やはりリアルがいいですね。
一方的に話すウェビナー的なものであればオンラインでもいいとは思うのですが、その人と交流して仲良くなる、その人と考えを交換し刺激を与え合う、という意味ではリアルな場が大事だと感じます。
オンラインと比べるとより深い関係を構築することができると感じています。
--確かにオンラインだとなんだか本音が出しにくいというか、お互いの感情が交り合うっていう感覚を得るのが難しい気がしますね。
ただ単に私がオンラインでのコミュニケーションに慣れていないだけなのかもしれませんが。(笑)
東京での暮らしの限界を知る
--それじゃ、それだけ多くのメリットがある東京生活であるならば、ずっと東京に住んだらよいのでは?と思ってしまいますが、逆に東京に住み続けることのデメリットって何なんでしょうか?
単純に暮らしにくいということだと思います。
家賃も高い、電車や街にも人が多い。どこに行っても人がいますし。
自然が少ないのも寂しく感じます。
そして特に感じるのは個人として何かにチャレンジする場合のハードルが高いということです。
東京はチャレンジするにもコストがかかるので、財力がないとおいそれと失敗することができない。
そうなると面白い考えを持っていたとしても、気軽にチャレンジすることができない。
--そういう意味では地方はチャレンジしやすいのでしょうか?
地方はチャレンジしやすいと思います。
場所を借りるにも安いですし、何をするにもコストが安い。
周りの人たちも失敗に対しておおらかな人が多いと感じます。
そして何よりも、チャレンジをしていていると目立つから、応援される。
--なるほど。それで暮らしたりチャレンジしたりするのであれば地方で、様々な人とのコミュニケーションを求めるのであれば東京で、という考えなんですね。
二拠点居住を実践する難しさを感じる
--まさに二拠点居住はいいとこどりのように思えますが、ネックとなる部分は何かありますでしょうか?
まずは住むところの問題ですね。
地方は安いですし探せばいくらでも住むところはあるのですが、東京は高い。
荷物を置いておく場所を確保するだけでも高いです。
なので、最近は持つものが少なくなりミニマリストになってきています。
次に移動時間が長いということ。
地方から東京へ飛行機で出てくるとしても、やはり2時間以上はかかります。
都心で生活している人にしてみれば、通勤時間は1時間以上は当たり前なのかもしれませんが、地方では通勤時間は30分以内がほとんどです。
ただ、最近はどこでもネットに接続することができるようになってきたので、移動時間中にでも仕事をすることができるので、あまり苦痛だとは思わなくなってきました。
最後はやはり移動費用です。
新幹線代も飛行機代もかなり高く、頻繁に移動を繰り返していては生きていけません。
今は食費を切りつめて、支出の8割ぐらいが移動費で消えてしまいます。(汗)
--確かに週に1回移動するとしても往復で4万円~5万円ぐらいかかりますもんね。それだけで、20万近くかかってしまいますね。
やはりお金の問題が大きなネックとなりそうですね。
須山さんはこれらの問題をどのように解決しているのですか?
住むところの問題としては、錦町ブンカイサンのような施設を活用すれば、東京での滞在費を低く抑えることができると思います。
錦町ブンカイサンの滞在プランの詳細は、こちらのホームページを見てみて
ください。
移動費用については、なかなか難しいですが、やはり回数を減らすしかないかと。。。
そこで私は春や夏は沖縄で、それ以外は東京で、というように、ある程度の長い期間の単位で移動するようにしています。
今年もこれからは沖縄で過ごす予定です。
長い期間の単位で移動することで移動費も抑えることができますし、各拠点において行いたいことを計画的に準備することもできます。
沖縄で夏が明けたあたりの東京でのイベントを考えてみたり、逆に東京で沖縄にいないとできないイベントを考えてみたり。
外から地域から見て、考えることで、その拠点の魅力に気づくという部分もありますし。
--いいですね。都心と地方というそれぞれの拠点を知っているからこそ、それぞれの拠点の良さを認識することができ、それぞれのメリットを有効に活用することができる、ということですね。
二拠点居住者コミュニティとしての今後を考える
--二拠点居住者は実際増えているのですか?
増えていると思いますね。
最近私の周りでも、地方でモヤモヤしていて、
「自分のネットワークを広げたい」
「自分の知見を広げたい」
という人がいますが、そういう人には一回東京に来てみることをお勧めしています。
やはり東京に来てみないとわからないこともありますし、地方を離れることによって地方の違った面が見えてくることもありますし。
--私も社会人の始めのことろは地方で働いていましたが、東京に漠然と憧れをいだいていましたね。(笑)
けど、やはり地方の人が東京に出てくるってなかなかハードルが高いと思います。精神的にも金銭的にも。
確かにそうだと思います。
なので、私はそのハードルを下げる役割ができればいいなと。
現在の錦町ブンカイサンを、二拠点居住者が活動しやすい拠点にし、お互いの活動を語り合いながら刺激を与え合える場になれればと考えています。
また、地方から来た人たちでも気軽にチャレンジして失敗することができるような場を作り上げることができればと。
これからそのようなイベントをどんどん開催していきたいと思います。
--須山さんのような人がちゃんと面倒をみてくれて、東京で住むところも安く手に入れることができるのであれば、チャレンジしてみたいという人はたくさんいるのかもしれませんね。
はい。
これから二拠点居住を実践する人はどんどん増えてくると思います。
そんな人たちの東京でのチャレンジを応援していくコミュニティになっていければと思います。
あとがき
インタニューを終えて、二拠点移住という新たなワークスタイルはこれからどんどん広がっていくのではないかと感じました。
特に、
「都心から出て都心を見つめなおす、そして都心に戻る」
「地方から出て地方を見つめなおす、そして地方に戻る」
という行為は、今までのどちらかでなければならないという考えの枠を超えた新たな取り組みになると感じます。
よく地方に住んでいる人は、その地方の良さが当たり前に感じ認識することができない、とかの話を聞きますが、そんな時に、一度その地方から離れた場所で、地方を見直してみるということも大事なのではないかと思いました。
こうやって都心と地方を行き来しながらも、それぞれの良さを認識し、それぞれの拠点に貢献していける働き方をする人が多くなっていくことが、ちよだ地方連携ネットワークの「地方と都市の相互的方向性のある連携」へと繋がっていくものだと思います。
ちよだ地方連携ネットワークはこれからも「二拠点居住者」をがっちりサポートしていきます!
このような活動に興味のある方がいましたら、お気軽にお問合せください。
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