『クオリア』/ Adeliae【AT1選note投稿祭】
はじめに
ごあいさつ
はじめまして、ちよと申します。これが初投稿となります。今回は僕のAT1選である『クオリア』の好きな点のひとつである歌詞に注目してに、考察を交えながら話したいと思います。いちボカロリスナーの意見ですので、少なからず誤りはあると思います。予めご了承願います。拙い内容になることと思いますが、ぜひ最後まで読んでいってください。
曲の概要
クオリアは2023年5月25日19:00 Adeliaeさんのニコニコ及びYouTubeチャンネルに投稿された曲です。もうすぐ1周年ですね。この曲はプロセカNEXTの応募曲として作っていた曲だったのですが、『エターナルアリア』が実装されたためプロセカNEXTへ応募せずに投稿されました。
この曲との出会い
こう題しましたが、大したものではありません。ボカコレアプリで偶然おすすめに流れてきて、偶然耳にしたのがきっかけです。去年の春くらいだったと思います。プロセカに『エターナルアリア』が実装されてすぐのことでした。実装が5/22でクオリアの投稿が5/25なので投稿してすぐに見つけたのだなと勝手に思っています。実装当時エターナルアリアに抱いていた感想は「とても美しい歌だな」「けっこう好きだな」「譜面むずいな」程度で、作者の名を知ろうとすらもしていませんでした。今考えてみれば本当に失礼な話ですよね。クオリアはボカコレで見つけてすぐに大好きになったというよりは、好きだなと思ってマイリスに入れて、何回も聴いていくうちに徐々に徐々に大好きになっていった感覚です。この時も「作者の名はAdeliaeっていうのか、あでりあ?でいいのかな?」程度で、他の曲を知ろうとしたりはしませんでした。
そんな僕に転機が訪れたのは、突然の出来事がきっかけでした。ある日何気なくYouTubeでクオリアを聴いていると、関連動画としてエターナルアリアが流れてきたのです。そこでようやく気が付きました。「クオリアの作者ってエターナルアリアの作者と同じ人なのか!!!だからクオリアを初めて聞いた時すごく好きだって感じたのか!!!!!」と。自分の中で何かと何かがつながったような感覚がありました。好きな曲というのは本能的にわかるものなのだ、と強く思いました。そして初音ミク歌唱のものを中心にAdeliaeさんの曲を聴きました。好みの曲がたくさんありました。「このPのミクさん、本当に美しい。調声がとても良い。」と思いました。それでも尚クオリアが一番好きだと感じました。クオリアは行き帰りの電車の中で聴いたり、レポート書きながら聴いたり、とにかくたくさん聴きました。そして、さらにもっと好きになりました。イントロ、メロディ、歌詞、何を取っても最高で、本当に完成度の高い曲だと思っております。
時が流れ、AT1選なるものがあると知り、マイリストを見返しました。そこで、あれも好きこれも好きとたくさん候補が上がりました。2ヵ月ほど吟味して、やはりクオリアしかないなと感じたため、AT1選をクオリアに決定しました。
クオリアとは
引用元の説明が完璧すぎて僕が付け加えても蛇足にしかならなさそうな気がしますがちょっと付け加えると君が感じている赤は僕にとっての赤と同じなのか?といった話に近いかもしれません。その人の感じていることはその人にしか分からない。その人が苦しい思いをしていても、自分はその気持ちを完璧に理解することはできない。そういった煩わしさを描いた曲だと思われます。
歌詞と考察
歌詞
この曲で伝えたいこととは
やっぱり良い歌詞ですよね。サビで韻を踏んでいるのが聴いていて心地良く、大好きです。Adeliaeさんの語彙力に圧倒されてしまいそうです。どこからそんな表現が生まれてくるのでしょうか。
ここから先は、ひとつひとつ歌詞を順に見ていきたいと思います。読み進める前に一度曲を聴いていただけると幸いです。また、そのあと曲を聴きながら読んでいただくのもいいと思います。
何かがあってずっと部屋に籠りっぱなしの「君」と君に出てきて欲しいと思っている「僕」の物語が始まりました。毎日ノックをしても何も返って来ない。ただ音だけが響いている。このような状況に例えて、クオリアの意味を噛み砕いて曲にしたのでしょう。
これがまさしく「クオリア」のことを言っている歌詞ですよね。君が何に悩まされているのか、なんでそれほどまで苦しんでいるのか、分からない。君の気持ちが分かるならいいのになあ。と。
君に何かしてやりたいけれど、僕はどうすることもできない。このまま時間だけが流れて僕は何も出来ないまま消えていくのだろうか。泣いてばかりで君に何も出来ず、ただ悔しい。
君は何も言わないけど、何かを伝えようとしているのかな。君が伝えたかった事って何かな。
でも君に何もしてやられなくて、君が伝えたいことが分からなくて、自分を不甲斐なく思い「私ばかり」を何度も責める。
当分君は出てこないと分かっている。けれどいつか絶対に出てきて欲しいという気持ちは消えないんだろうな。
時間だけが流れる。そんな中、何か音が流れているような気がする。耳をすませば聞こえるような気がする。そしてそこから読み取れる何かがある。
事実を受け止めよう。そして事実から分かることを考えよう。
決して消えることがない事実だから。まだ失われていないから…。
分かっている。なんでもいいから、ただ声を聞かせてくれよ。自分だけで解決しようとしないで。
君はいつからこうなってしまったんだ。昔はこうじゃなかっただろうに。
慌ただしくも花々しいあの頃の君に戻るには何をすればいいんだろう。
君に何があったのかは分からないけれど、君にはきっと守りたい大切なものがあるんだよね。人なのか、物なのか、はたまた概念なのかも知らない何かが。
よく耳をすまして聞こえる音は呼吸の音だったのか。じゃあやっぱり君はまだそこに「いる」んだね。ひとまずは安心…かな。
ここが最大の深すぎポイントだと思います。
星が帰る→夜が明けると考えると、25時にノックし、それから今日もずっと待っているのでしょうか。それまでに何か出来ることがあるのだろうか。そう自分に何度も問いかけていますね。
ほぼ消えかけのフレーバー→いつ居なくなってしまうか分からないほど精神状態が安定しない君
尽きぬモノローグ→君がいなくてとてもさみしく、独り言が絶えない。と言った意味で解釈してみると、いかに僕にとって君が必要な存在であるかがうかがえます。
誰にもこうなりだなんて思われないだろうな。
でも、こんな思いをしているのは「私だけ」じゃないだろうし、いまさら悔やむことでもない。
この気持ちは君のために…いや、私のエゴのためでしかない。けど、きっと簡単には消えない。
1番のサビと同じなので歌詞について深く言及することはありませんが、羨まれる〜の歌詞を挟んだことで1番のときよりも「君のために生きてみよう」という意思がより強くなっているようにうかがえます。
ほんとうに辛いんだろうな。そこに居たい気持ちもよく分かるよ。なんでこうなるまで僕は気づかなかったんだ。本当に自分が不甲斐ない…。
でも、少しでいいから、声を聞かせておくれ。君がこの世にいることを、改めてしっかりと確認させておくれ。
辛いことがあるなら自分だけで抱え込まないで。いくらでも待ち続けるから、いつか絶対に出てきてね。
別の視点の『クオリア』
クオリアは扉の前で「君」を待つ「僕」の視点で解釈するのが一般的だと思われます。でも実は、部屋の中で「僕」は何をしているんだろう。何もしないまま、ただ時間だけが流れてゆく。「君」に僕は何かしてやれただろうか。ただ泣いてばかりで…。と逆の視点で捉えることもできます。捉え方を二重で用意していたのでしょうか?それともただの深読みか…。
さいごに
拙い文章の羅列で見苦しいものだったと思いますが、楽しんで頂けましたか?他にもたくさん語りたいことはあるのですが、そろそろ5000文字に達しそうなので、また別の機会にお話したいと思います。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
Special Thanks
このような機会をくださったかんなぎさん、素晴らしい曲を作ってくださったAdeliaeさん、その他多くの皆様に感謝の意を表し、締めとさせて頂きます。