息できないのは君のせい 2巻14話のはなし




感想文の部分




「自覚」


夜のお祭りで小指つないでるのを伊織に見られるっていうバレ方が出会って早々過ぎるし微笑ましすぎる、隠して交際してるはずだったよね?

2人(というか矢野くん)の迂闊さが愛おしいわ


つなぎたくなってつないだのかな~

隣歩いてて、志筑くんと手をつなぎたくなってるだろう矢野くんを想像すると甘酸っぱさがたまらん…かわいさに悶えてしまうな、いやなんで小指なんだ普通につなぐよりも恋人つなぎよりもずっと甘々…甘すぎて死んでしまうだろ(わたしが)

指つないだ矢野くんもつながれた志筑くんも真っ赤になって手を離しちゃうのかわいい

5,6人いた彼女たちと絶対こんなことになってなかっただろあなたたち

一瞬宇宙猫状態になった伊織が時間差で衝撃を受けているのがまたかわいい(かわいいしか言わない化け物かよ)


その2日後にさっそく志筑くんと伊織がバーで再会して話すところ、ここが本当にめちゃくちゃ好きだし良いなと思ってて!!


一つ目は10話から14話までの丁寧な状況整理とそれを以て15話での解像度・感情移入するための力を高めてくれているところ

二つ目は2巻におけるメンター的役割を担う伊織の2人に寄り添う理解者としての描写がすごく自然に丁寧に描かれてるところ


がとっっっても好きです




一つ目なんですが

伊織にとっては2人の関係性が、志筑くんにとっては10話からここまで少しずつ積み重なってきたいろんな引っかかりやモヤモヤ、そこの背景と理由がここで整理されていくのがすごく良いなぁと

伊織は2人が恋人ということを知ったから矢野くんが昔のことを話したがらなかった理由を理解できて、だからこそこれまでの志筑くんが感じてきたモヤモヤを矢野くんのそういう背景を踏まえて整理してくれる

それぞれの引っかかりがひとつずつ紐解かれていくのが良いなと

なので15話で登場したお父さんとのやり取りをきっかけに言い合いになってしまった2人のそれぞれに対して、強く感情移入できるなぁと思いました

2人の気持ちがどちらも痛いほどよく分かるから、15話がすごく辛くなるんだよな


シリアスな展開って、登場人物に感情が付いていけないと上滑りしちゃうじゃないですか、それを全く感じさせないので本当にめちゃくちゃしんどかった…つらかった

それをさせてくれたのは14話までの綿密な話の繋げ方で読者をしっかり連れて行ってくれているからだと思いました(勝手に)

そして話したがらない矢野くんの気持ちが見えないまま2人言い合いになったら五分五分で見ることがどうしてもできなくなるので、それを補って釣り合いを取ってくれるのが伊織の存在だなぁと思いました(勝手に)


二つ目ですが

伊織は今回矢野くん側だけでなくて2人のメンター的役割になっているけど、伊織が良き理解者であるという説得力が強くないと、この重いテーマの話の推進力につながらないと思うのです

家の話って本当に難しいと思うのでそれなりの立ち位置でないと務まらないと思ったり

それがすごくしっかり描き込まれてるから、読者(わたし)は納得させられるし2人が動くきっかけにもなるんじゃないかなぁと

12話から出てきた伊織に担ってもらうには大変な役割だと思うのに、本当になんか、優しくも言うことはちゃんと伝えてくれるどちらにも寄り添える立ち位置にいてくれる良き理解者だなと…日本語不自由すぎる…


そういう意味で、話の前半では淳子ちゃん、後半では大家さんも志筑くんのメンターになっているけど、大家さんについては早朝に訪ねてきたお父さんと一度顔を合わせているからこそ後日志筑くんと話す時にも会話の裏付けがあって説得力があるし、本当に細かいなと(矢野くんのことも知ってる間柄だし落ち込んでいる姿も見ているし)

淳子ちゃんはもともと2人のことを理解してくれているからもはや説明不要だしね


馴染みのないキャラクターが脈絡乏しくこういう大事なシーンで寄り添ってもそれに主人公たちが説得されるだけの力には及ばないと思うので、良き理解者としての描かれ方がすごく丁寧で綿密で納得させる力があって、本当にこの漫画のそういうところが大好きです




待って、志筑くんが自分の気持ちを自覚する前まででだいぶ文字数使ってるな


伊織に言われて初めて自分の気持ちを自覚した志筑くんのシーン良すぎるな…

本当に矢野くんのことを特別大事に思っているのが伝わってきてこちらの情緒がぐずぐずです

他人の家のことなんてめちゃくちゃ面倒じゃないですか

「家のことは重い」としていた志筑くんが「面倒なことがあったってそれでも知りたい」と踏み込もうとするのが本当にもうそれだけ矢野くんのことが大事だし一緒にいたいんだなとぎゅーっとなります


そんな矢先に2人の家に訪問者が現れて15話に続くという

話の展開が無駄なさすぎて好き、読者(わたし)は15話に向けての心の準備が必要です…






はい

15話以降はもうだいぶ前に読書感想文したので結局2巻も通しで全部書いてしまったな

でも描き下ろしは好きだから絶対別枠で書くけど、10倍返しは絶対に書く、好きだから






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脱線してる部分



14話読んでていろいろ考え巡らせながらもはや14話どころじゃなくなってあっちこっち脱線しすぎた脳内の吐き出しです


息できのプロットがすごいって話


あくまでも職業エンジニアの立場から見た漫画の読み方なので見当違い甚だしいと思うが…!
というかどんな仕事でもこういうことはやるよな、別にエンジニア関係ないわ



息できって1巻で完結していたものが続編決定となって2巻以降が生まれたじゃないですか

それでも1巻と地続きでめちゃくちゃスムーズに話を読み進められるのがすごいよな

2巻以降に出てくる登場人物(三好とか)で設定的に浮いたキャラクターがいない…都合よく取ってつけたような後付け感あるキャラクターというものがないよな


なんか、それってすごくない…?

この話に添えるためだけにいますみたいなキャラクターがいない


設計作業がすごいんだと思う、物語の設計図(プロット)ががっちりしていて無駄がない


2巻のテーマ「恋から愛へ」のメインプロットは『「何にも知らない君のこと」から「そのうちわかる」』じゃないですか

そのメインプロットの中に含まれるサブプロットの厚さと細かさと緻密さがすごい

登場人物目線で言えば志筑くん、矢野くんそれぞれの目線のサブプロット

発生事象的に言えば冒頭に出てくる「卵焼きの話」の中に「お父さんの話」、その中にさらに「幼馴染の伊織の話」があって、細かい引っ掛かりが入れ子構造で作られている、そういうサブプロット

さらに2巻における同じ時間軸の中で「矢野くんと志筑くんの結末」と「お父さんの結末」とで別の筋道があったりするサブプロット

メインプロットの中でこれら複数のサブプロットが重なっているので話の奥行と深さが出ていて話が厚くて立体的だな…と本当に感動する

わたしの生きているお仕事界隈で言う「ネスト」というやつで、この入れ子がめちゃくちゃ綺麗なんです…先生の書くソースコードがめちゃくちゃ綺麗なんです

この入れ子があると話を読み進めていくうえでどんどん続きが気になったりするし(マトリョーシカみたいな感じ)、また物語の終盤に向かって全部綺麗に回収されていくのが読んでいてめちゃくちゃ気持ちいいから好きです


IT畑あるあるだけど、開発工程が全部終わって運用が始まった後に「あれ、これせっかく作ったけど全然使う場面なかったな」とか「何なら作らない方が工数的にも費用的にも良かったじゃん、ここが足りなかったからこっちに回せば良かった」みたいな宙に浮いた機能とか結構ある…

開発段階ならまだわかるけど運用始まってから起こることも結構あって…要件定義が甘ければ設計も甘いんですよね

本当先生の漫画に出てくるキャラクターってそんなことがなくて、みんなちゃんと浮いた機能にならずに自分の人生生きてるって感じあってそういうのが好き

ごめんな使われない機能作って…みたいなことないのかな、わたしは仕事上めちゃくちゃあるし自分の人生のいろんな部分にもそんな事を思うよ


これ以上は卒論になるから書かないけど3巻以降もそれを感じます




矢野くんの家庭環境でいろいろ妄想をした話


矢野くんのお祖母さんが華道の先生で、華道の矢野家と花農家の柴崎家のつながりからの幼馴染というところ

単なる華道の講師であれば花農家と直接やり取りすることはないのかなと思うと(あるのかな?)やっぱり矢野家は華道の家元なんだろうか…


気になったから華道いろいろ見てみたけど、華道に関わるのって花そのものだけでなくて花器とか扱う伝統工芸とか花鋏とか剣山とかの道具とかもある

花器の種類ってこんな豊富なんだ、陶器・銅器・竹・ガラス…今はこんなに種類があるのか、現代風の花器もあるのね

お稽古のお月謝って高いんだろうな、花材費と別途でかかるだろうし先生への謝礼とかもあるのかな…

お祖母さんが家元?男性の家元が多いから家元婦人なのかな、お父さんは経営のほうなんだろうか、家元だったら継ぐのはお兄さんなのかな?

個人的にはお兄さんの奥さんがマッサージ師なのが異色の職業でどう出会ったんだろうと気になる


花農家だと、植物の栽培方法を身につけなければいけないとか、細かい管理とかが必要になるとか、いろいろ大変だし繊細なお仕事だと思うんだけど、伊織はこういうことを学ぶために農学科とか園芸学科とか行ったのかな~それとも直接学ぶ的な

矢野くんと高校まで同じなら、高校は普通科で大学から??それとも社会人になってから学んだのかな??とかとか



志筑くんのバーテンダーについていろいろ妄想した話


バーテンダーって本当に格好いいな~(n回目)

今話では作業中の志筑くんが描かれたけど、どの部分も気になるからバーテンダー(志筑くん)の一日タイムスケジュール追うやつ見てみたいな

バーテンダーに限らずだけど、自分の職種以外の仕事をしている人って格好いいなって思いますね


ロックグラスの丸氷って綺麗でいいよね~

これ一個ずつ削るの手間かかってるよな、一杯ごとに使うの勿体無いくらい

ペティナイフとかアイスピックとかカッコいいよね…バーの氷の仕込みYouTube延々と見られるわ

氷が削られる音が好き

志筑くん手際が良さそうだしもう氷の仕込みのシーンだけで撮れ高高いよな

これはなんか永遠に書けてしまいそうだからもうやめます



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また卒論ができあがってしまった
まあ5,000いってないんで全然短いだろということで




本当に読みながらいろいろ考えて脱線する癖何とかならんかな

しかし、好きなものを好きと言うにはあまりにも自分の中の言葉が足りない

自分が書きたいことを書きたいように書くためにやっているんだと思いつつも、好きなものは一番綺麗な言葉で飾りたいな~なんて思ったりしました

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