息できないのは君のせい 2巻10話のはなし
「何にも知らない君のこと」
タイトルだいすきです…!
ゼニコ先生のタイトル大好き芸人
2巻が10話の「何も知らない君のこと」で始まり18話の「そのうちわかる」で締まるのがとても好きです
何も知らない「君のこと」というのはもちろんだけど、それだけじゃなくて相手を通して初めて知る「自分のこと」が描かれているのが2巻だなと
ふとした違和感をきっかけに話が動き始め、矢野くんと志筑くんの戸惑いとかすれ違いとか歩み寄り、自分のことをどう思う、相手のことをどう思う、愛して慮るそんな人の心の柔らかい部分がとても繊細に丁寧に掘り下げられてて好きです
何度も何度も読んでます
仕事終わり、早朝に帰宅した志筑くんを迎えた矢野くんの「だって 早起きすれば志筑くんの顔見れるから」が本当に温かくて好きだな…
生活リズムが合わなくても、少しでも一緒にいようとしてくれる矢野くんにぎゅ〜っとなる、そんな矢野くんの言葉を聞いた志筑くんの顔もすごく好き むず痒い…!
16話のおまけで志筑くんが大家さんに矢野くんのどのへんが好きなの?って聞かれて「一緒にいる時間作ってくれるとこ」って答えていてもうときめき悶えますね
志筑くんにお弁当作ってもらえるの良いな…!
ここであげたがりで見返りを求めなさすぎの矢野くんが出てくるのが後から効いてきて良いな〜と思いました
2巻の中での変化点として、18話で矢野くんのこの部分がまた描かれるので印象的な対比だなぁと
ここの、同棲開始後1ヶ月の順調な日常に矢野くんのかすかな違和感を忍び込ませる描写がすごく、本当にすごく好きです…
ストーリーが進むにつれて少しずつ浮かび上がってくる矢野くんの家庭の事情を卵焼きにまつわる2人のやり取りで描いていて、「すごくさりげないのに少し引っかかる」塩梅がとても好きです
そこの引っかかりを志筑くんの無言のコマで感じられるので、読者も「あれ」ってなる
本当読者を迷子にさせない丁寧な描写だなぁと…
「私が洗いました」めっっっちゃ好き
こういうの大好きかわいいこのバランス感覚好きだし単純にこの部分好きかわいい矢野くんかわいい
締めっぱなしにしないでちょっと緩めるのが良い
ネクタイ下手なフリしちゃう矢野くんかわいい…志筑くんへの甘え方がかわいすぎてなぁ…バレてるよ矢野くん…
矢野くんが志筑くんに行ってきますのほっぺちゅーすんのほんとかわいいよな…!!!!
そら目も覚めますよね…!!!!!!!!
は〜ありがとうございます…
フルート忘れていくの笑った
場面を夜に移して市民会館での練習前に同棲をルームシェアと誤魔化すくだり、しれっと嘘をつく矢野くんさすがちょっとやそっとじゃ鳴らない男
香織ちゃん彩佳さんと話すなかで矢野くんに15コ上のお兄さんがいる事がわかり、そこで志筑くんは自分が矢野くんのことを全然知らないことに気付く
家に帰りお兄さんの話になったけど、志筑くんが気になるのはお兄さんというよりは家族のこと
「卵焼きの話であんな顔はしないだろ」
朝2人で話してた時は後ろ姿しか映らなかったけど、「あんまり好きじゃなかったから」と話す矢野くんの表情がここで初めて出される
相変わらず、情報を出すタイミングと引き算の描写が美しくて好き
朝志筑くんが感じた引っかかり、卵焼きの話と家族の話がここで絡んでいくのが良いな
先生が組み立てていくストーリーの、情報を出していく順番がすごく好きです
ストーリーの始まりからさりげなく置かれていかれる点と点が、絡まらないように見えながらふとした時に繋がる、その描かれ方が綺麗だなっていつも思います
ふとした違和感をいろんなところに少しずつ残しながら、繋がった時にパッとそこに焦点を当てるような感覚が好き
恋人のことを知りたいと言う気持ちはどの辺までなら許されるのか
家のことはちょっとさすがに躊躇しますよね…簡単に踏み込んで良いものなのか、自分の気持ちだけじゃなくて相手のことも考えて悩んでしまう
どうしても重くなってしまうよね志筑くん…志筑くんだけじゃないよ…
そんな志筑くんの様子を見て、じゃあ会ってみる?って実家に行く流れになり次回11話に
いやーーーーーーーー丁寧!!!!
10話は2巻の起承転結で言えば起だけど、18話までに回収されていくいろんな引っかかりがすごく丁寧に置かれていくような感じでした
この後どうなるのかなっていう期待感もめちゃくちゃ持てて最高、ちょっと何回も読んでるから全部覚えてしまっている一度記憶全部消して読み返せたら良いのにな…
また余談するけど
わたしの息できのめちゃくちゃ好きなところに「読みやすさ」があります
本当に読みやすい…!!
ここで言う読みやすさっていうのは、もちろん先生のはちゃめちゃすごい画力もあるけどそこは一度置いておいて
シンプル!!
なのが本当に読みやすいなと
1コマに入る情報がピンポイントだなって
よくパワポとかであるやつ
「1スライド1メッセージ」
本当にこれ大事…そして難しい…
スライドにいろんな情報何行もたくさん書いて、いやお前これどこをどう読んで欲しいんだよ…頭から全部読めって言うの?パワポなのに?ワードじゃねんだぞ、みたいな…
いやこれはわたしの昨日の愚痴なんですけど…
「1コマ1メッセージ」みたいな感じか…?
1コマに志筑くんと志筑くんのセリフ、とか
矢野くんと志筑くんがいて2人の会話、とか
長く会話するところは細かくコマが割られてるとか
本当に1コマの情報量が絞られてて読みやすいなって、ただの漫画読みの素人目線ですけどそんなことを思います
1コマの中に例えば背景と人物と効果音とセリフがそれぞれ違う情報が盛りだくさんにあったとしたら読むの大変だなぁみたいな
そのコマで一番伝えたいものってなんだろうってことが明確だから読みやすいのかな?という感想です
描ける人じゃないと、必要なものを選別して何を残して何を削るかってできないかなって
話の進行と細かいネタは丁寧緻密だけどそれの伝え方がわかりやすくてシンプルで好き
あと矢野くん志筑くんから出る言葉も真っ直ぐで、読者をストレートに刺しにいくシンプルな強さがあると思う
これもすごく大好き
そういう読みやすさが大好きです
プロって本当にすごいな…
これはあくまでもわたしが読みながら受け取ったわたし目線の話でしかないけど…
10話も楽しかった!