好きな漫画をテーマパークにたとえるならば(富士急編)
息できが好きだよっていうのをテーマパークに例えてお話します
富士急ハイランドでやります
息できは「読む富士急」です
これは読書感想文の中で何回か書いてる
アクションシーンみたいな躍動感の方ではなくて、登場人物の心理描写・行動や物語の展開の緩急がアトラクションに乗っているかのよう、ということです
各シーズンの開始から締めまでが、アトラクションに乗って動き出すまでのワクワク感から、ああ楽しかったと降りるまでの一連のそれを思わせてくれます
第5シーズンだと36話が乗り始めなんですけど、これからどう話が展開されていくのかなっていうワクワク感を高めるのがここの部分だな~と思っています
これから起こる大小それぞれのドラマの歯車が、36話から少しずつ、さりげなくかつ丁寧に噛み合って回り始めます
少しずつなだらかに、ギアの入れ方を徐々に変えながら高度を上げていく、その進み方がまさに急速落下までの期待値の高まりと言える
(まだ読んでないのに言う)
これは1,2,3巻でもそうで、ちょっとした違和感であり引っ掛かり、それら伏線をそこかしこに置きながらも全部は見せない、この先が気になるっていう走りだしの空気の作り込みが好きです
ゼニコ先生のお話のここの序盤のスピード感が丁寧で大好きです
だって、乗っていきなり時速100kmとか出されたらむちうち起きちゃうから…FUJIYAMAだって助走なしにいきなりスピードMAXとかしないじゃないですか?
大きなドラマが展開されるまでにはしっかりとした助走(設計)がないとと身体(読者)がついていけずに首持ってかれるので…
息できには、うわっあ~ちょっ待って説得力と説明足りない首死んだ待って今どこ~(死)っていうのがない
ここの走り出しなんですけど
恋のはは息できよりこの走り出し(最初の山場)が速(早)くて1話で一気に掴みにいっている印象です
ただ、加速度は速いけれども、三好が梧桐さんと出会ってロックオンされるまでの描写が細かくてがっちりしてて、尺の長さに関わらずやっぱり走り出しが丁寧でめちゃ好きですね
三好と梧桐さんのそれぞれ一癖も二癖もありそうな第一印象をしっかり見せてくれて、1話のラストで一気に引きずり込んでいるのが良かったなぁ
どちらにしても丁寧なんだよな、しっかりジェットコースターに乗せてもらえる感じ
走り始めてからはまさに「緊張と緩和」が随所に散りばめられていて、本当に「ええじゃないか」なんですよ
笑ったり泣いたり、張り詰めた空気、そしてそれを適度に抜く描写…
そんな空気のコントロールが抜群に上手い漫画家さんだなと常々思っております
そしてどんな場面転換があってもそこに説得力を持たせてくれる描写もしっかりあって迷子になることがない
しっかり振り落とさずに目的地まで連れていってくれる、頑強なレール組み、安全安心のセーフティーバー(の描写)付きです
何よりも、一番の山場の盛り上がりがすごい!!
本当にめちゃくちゃ最後に持っていかれます(わたしが)
クライマックスのときめきが5億点です
クライマックスに持っていく直前の描写までにも「緊張と緩和」が細かく入れ込まれてて、落ちる直前に一度緩ませて、そこから一気に落下させてくれるから本当に読んでて気持ちいいのです
これこそが、息できが「読む富士急」と言われる所以です
(わたしがひとりで言ってるだけですけど分かってくれる方はめちゃくちゃいると思う、友だちいないだけなので…)
日常に起こるドラマをここまでの密度で織り込み、練り上げ、かつここまでの高度まで上げて落とせるのが最高です
そして1巻2巻3,4巻のそれぞれで、最初に描かれた原点に立ち戻って開始と終わりで「変化」を見せてくれるところ
ある課題がスタート地点にあるとして、いろいろな展開を経て、ちゃんとラストでそこに立ち戻ってその課題を回収してくれる、そんな感じ
アトラクションに乗って、同じ場所に帰ってきた時の心理状態とかがどう変わったかをきっちり描いてくれる
物語を読み始めた読者(わたし)が最後に「ああ~楽しかった!!!!」って帰ってこれるみたいな気持ちにさせてくれます
ゼニコ先生は一級ジェットコースター建築士です…
以上、好きな漫画をテーマパークに例えるお話富士急編でした
次は東京ディズニーリゾートでこれをやろうと思います