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[ショートショート] 人間というよりは植物に近い:見たことがないスポーツ

タイムマシンがぶっ壊れてものすごい未来に来てしまった。
軽く数億年は経っていると推測される。

幸いなことに人間はいる。
…いや人間というよりは植物に近い感じなのだが人間に見える。

私は彼らを勝手にボタニカリアンと呼んでいる。

言葉は全く通じない。通じないが友好的な関係だ。

彼らは頻繁に私を大勢が集まる場所に招待してくれる。
最近これはもしや何かのスポーツなのでは…と思い始めている。

会場の中央に広場があり、いくつものボールのようなものが転がっている。

広場に出ている者たちが口からツルのようなものを垂らすと、そこを小さな芋虫が登ってくる。

ここで集まっている観衆が大歓声を上げる。

すると広場に出ている面々は口から出ているツルを虫ごと地面に投げ捨て、そばに落ちているボールを蹴って回る。

最後は全員で広場をぐるぐる走って終わりだ。

最初から最後まで何をしてるのかさっぱりわからない。

いつか私にも理解できる日が来るのだろうか…。

(402文字)


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