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[ショートショート] 日本ダイエット

日本は情報過多だった。
街を歩けば広告がつきまとい、端末を開けば画面上を数百億バイトの情報が飛び交っている。

情報が人々の健康を害していると考えた政府は、ひとりが1ヶ月に浴びれる情報量に上限を設けた。

当然ながら強い反発が起き、あちこちでデモが行われた。

デモ隊に対し、政府は無差別に政見放送を照射する事で反撃に出た。
複数の放送を照射された一般市民はたちどころにその月の限度情報量を超過し、次々と逮捕された。

学校では授業を受けると情報量超過となるために出席を拒否する者が続出し、日本の学力は著しく低下した。

この極端な規制はやがて中毒者を生み出すこととなった。
これまで普通に暮らしていた人が、情報を制限されることによって情報ジャンキーと化してしまったのだ。

彼らは夜な夜な徘徊しては裏情報取引に興じ、治安は悪化の一途を辿った。

やがてジャンキーたちは暴徒化し、ついには日本の社会そのものが崩壊した。

これが世に言う「日本ダイエット」の顛末である。

(415文字)


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